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第六章 バーボルド伯爵領
第三百六十九話 男爵領に到着します
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翌朝、僕は宿の一室で目が覚めるとシロちゃんと一緒に朝食のパンを食べて簡単な訓練をしてから宿を出ました。
そして、朝早いのに馬車に乗る人でいっぱいの馬車乗り場に向かいます。
すると、守備隊の人達も待っていてくれました。
「レオ君、道中気をつけてね。本当に色々と助かったよ」
「元気で、また会いましょうね」
僕はマックスさんと娘さんと握手して、他の隊員さんとも握手をします。
そして、馬車に乗り込みました。
すると、マックスさんが僕にとある事を話しました。
「この先の男爵領に入ると、街道が森に入るので魔物が出やすい。十分に気をつける事だ」
冬でも何か出てくるかもしれないし、直ぐに討伐できるように準備しないと。
そんな事を思っていたら、馬車の出発準備完了です。
「いってきまーす」
「「「いってらっしゃい」」」
僕は、見送ってくれている守備隊の人達に手を振りました。
さてさて、いよいよシークレア子爵領から別の領地に入っていきます。
今日もちょっと寒いので、僕は上着を着込んでいてシロちゃんも服の中に入ってぬくぬくとしています。
空も曇っていて、どんよりとしています。
「まさか黒髪の天使様と同乗できるとは」
「私達は、この上なく幸せですわ」
お隣の男爵領に向かうシスターさんが同乗していて、僕に色々と話しかけてきました。
元々シークレア子爵領の教会にいる人達ではないそうで、僕に初めて会ったそうです。
「黒髪の天使様の逸話を数多く聞いておりましたが、実際にはこんなにも可愛らしい男の子なのですね」
「それでいて、心優しくて魔法の名手だとか。とても素晴らしいですわ」
な、何だか凄く褒められちゃって、僕もシロちゃんも思わず苦笑しちゃいました。
ここで、僕の探索魔法に何かが引っかかりました。
僕とシロちゃんは、前方の森に視線を集中しました。
「前の森から何か現れます。えーっと、数は六です」
「ちっ、現れやがったか」
僕は御者の人に何かの存在を伝えると、御者の人も少し険しい表情になりました。
でも、この感じは動物じゃないよ。
僕は、直ぐに魔力を溜め始めました。
ガサガサ、ガサガサ。
「おっ、良い獲物が現れたな」
「有り金を全部貰うぞ。ついでに、命まで貰うかな」
前方から現れたのは、身なりの悪い六人組の男でした。
最初から僕達からお金を奪うって話をしているし、間違いなく盗賊だ。
僕は、溜めていた魔力を一気に開放しました。
シュイーン、バリバリバリ!
「「「「「「ぎゃー!」」」」」」
広範囲のエリアスタンを放つと、盗賊は叫び声をあげながら倒れました。
上手い具合に、体を痺れさせられました。
僕と御者さんが、馬車から降りて盗賊の方に向かいました。
「六人の大人が一撃か。こりゃすげー魔法だな」
「流石に悪い人なので、一発で動けなくしました」
「「「「「「あばばば……」」」」」」
体が痺れて動かない盗賊を、御者の人があっという間に縛り上げていきます。
その間に、僕は護送用の馬車を土魔法で作ります。
シュイーン、ズゴゴゴ。
「この馬車に盗賊を乗せて、馬車で引っ張っていきましょう」
「そうだな。賞金首なのは間違いないだろう」
前にも悪い人を土魔法で作った馬車に乗せて行ったし、もう慣れちゃったね。
馬車に護送用の馬車を紐で繋いで、準備完了です。
僕と御者さんは、再び馬車に乗り込みました。
この間、シロちゃんは僕の服に入りっぱなしでぬくぬくとしていました。
パカパカパカ。
「実際に黒髪の天使様の魔法を見ると、噂は本当だったと確信しましたわ」
「ええ、そうですわね。盗賊を一瞬にして倒して、更に土の馬車まで作るとは。しかも、あっという間でしたわ」
馬車が出発すると、さっき僕に話しかけていたシスターさんが感動した表情で再び僕に話しかけてきました。
な、何だかシスターさんからの圧力が凄いよ。
途中オオカミとかを倒したりもしたけど、夕方前には無事に男爵領の領都に到着しました。
すると、防壁の門を警備していた守備隊の人達が馬車に繋がれた護送用の馬車を見てビックリしちゃいました。
「おお、お疲れ様……って、これは何だ!」
「おお、道中盗賊が現れたけど、黒髪の天使様が一瞬にして倒したぞ」
「わ、分かりました。おい、応援を呼んでこい」
時々盗賊がギャーギャー騒いでいたので、僕は軽く雷魔法を放っていました。
なので、今はすっかり大人しくなっています。
盗賊は、応援で防壁の門に来た守備隊の人達によって運ばれていきました。
「あの、何か手続きは必要ですか?」
「いや、問題ないだろう。懸賞金とかは、後で冒険者ギルド経由で支払われる」
面倒くさい手続きとかがあったら大変かと思ったけど、そういう事もなくて助かりました。
こうして、無事に男爵領の馬車乗り場に到着して、僕は宿を探し始めました。
「えーっと、今日はここにしようっと。食堂兼宿だって」
ちょうど手頃な価格の宿を見つけたので、今日はここに宿泊します。
明日の朝も早いから、夕食を食べたら早く寝ないとね。
そして、朝早いのに馬車に乗る人でいっぱいの馬車乗り場に向かいます。
すると、守備隊の人達も待っていてくれました。
「レオ君、道中気をつけてね。本当に色々と助かったよ」
「元気で、また会いましょうね」
僕はマックスさんと娘さんと握手して、他の隊員さんとも握手をします。
そして、馬車に乗り込みました。
すると、マックスさんが僕にとある事を話しました。
「この先の男爵領に入ると、街道が森に入るので魔物が出やすい。十分に気をつける事だ」
冬でも何か出てくるかもしれないし、直ぐに討伐できるように準備しないと。
そんな事を思っていたら、馬車の出発準備完了です。
「いってきまーす」
「「「いってらっしゃい」」」
僕は、見送ってくれている守備隊の人達に手を振りました。
さてさて、いよいよシークレア子爵領から別の領地に入っていきます。
今日もちょっと寒いので、僕は上着を着込んでいてシロちゃんも服の中に入ってぬくぬくとしています。
空も曇っていて、どんよりとしています。
「まさか黒髪の天使様と同乗できるとは」
「私達は、この上なく幸せですわ」
お隣の男爵領に向かうシスターさんが同乗していて、僕に色々と話しかけてきました。
元々シークレア子爵領の教会にいる人達ではないそうで、僕に初めて会ったそうです。
「黒髪の天使様の逸話を数多く聞いておりましたが、実際にはこんなにも可愛らしい男の子なのですね」
「それでいて、心優しくて魔法の名手だとか。とても素晴らしいですわ」
な、何だか凄く褒められちゃって、僕もシロちゃんも思わず苦笑しちゃいました。
ここで、僕の探索魔法に何かが引っかかりました。
僕とシロちゃんは、前方の森に視線を集中しました。
「前の森から何か現れます。えーっと、数は六です」
「ちっ、現れやがったか」
僕は御者の人に何かの存在を伝えると、御者の人も少し険しい表情になりました。
でも、この感じは動物じゃないよ。
僕は、直ぐに魔力を溜め始めました。
ガサガサ、ガサガサ。
「おっ、良い獲物が現れたな」
「有り金を全部貰うぞ。ついでに、命まで貰うかな」
前方から現れたのは、身なりの悪い六人組の男でした。
最初から僕達からお金を奪うって話をしているし、間違いなく盗賊だ。
僕は、溜めていた魔力を一気に開放しました。
シュイーン、バリバリバリ!
「「「「「「ぎゃー!」」」」」」
広範囲のエリアスタンを放つと、盗賊は叫び声をあげながら倒れました。
上手い具合に、体を痺れさせられました。
僕と御者さんが、馬車から降りて盗賊の方に向かいました。
「六人の大人が一撃か。こりゃすげー魔法だな」
「流石に悪い人なので、一発で動けなくしました」
「「「「「「あばばば……」」」」」」
体が痺れて動かない盗賊を、御者の人があっという間に縛り上げていきます。
その間に、僕は護送用の馬車を土魔法で作ります。
シュイーン、ズゴゴゴ。
「この馬車に盗賊を乗せて、馬車で引っ張っていきましょう」
「そうだな。賞金首なのは間違いないだろう」
前にも悪い人を土魔法で作った馬車に乗せて行ったし、もう慣れちゃったね。
馬車に護送用の馬車を紐で繋いで、準備完了です。
僕と御者さんは、再び馬車に乗り込みました。
この間、シロちゃんは僕の服に入りっぱなしでぬくぬくとしていました。
パカパカパカ。
「実際に黒髪の天使様の魔法を見ると、噂は本当だったと確信しましたわ」
「ええ、そうですわね。盗賊を一瞬にして倒して、更に土の馬車まで作るとは。しかも、あっという間でしたわ」
馬車が出発すると、さっき僕に話しかけていたシスターさんが感動した表情で再び僕に話しかけてきました。
な、何だかシスターさんからの圧力が凄いよ。
途中オオカミとかを倒したりもしたけど、夕方前には無事に男爵領の領都に到着しました。
すると、防壁の門を警備していた守備隊の人達が馬車に繋がれた護送用の馬車を見てビックリしちゃいました。
「おお、お疲れ様……って、これは何だ!」
「おお、道中盗賊が現れたけど、黒髪の天使様が一瞬にして倒したぞ」
「わ、分かりました。おい、応援を呼んでこい」
時々盗賊がギャーギャー騒いでいたので、僕は軽く雷魔法を放っていました。
なので、今はすっかり大人しくなっています。
盗賊は、応援で防壁の門に来た守備隊の人達によって運ばれていきました。
「あの、何か手続きは必要ですか?」
「いや、問題ないだろう。懸賞金とかは、後で冒険者ギルド経由で支払われる」
面倒くさい手続きとかがあったら大変かと思ったけど、そういう事もなくて助かりました。
こうして、無事に男爵領の馬車乗り場に到着して、僕は宿を探し始めました。
「えーっと、今日はここにしようっと。食堂兼宿だって」
ちょうど手頃な価格の宿を見つけたので、今日はここに宿泊します。
明日の朝も早いから、夕食を食べたら早く寝ないとね。
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