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第五章 シークレア子爵領
第三百十五話 ダリアさん達の初仕事
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翌日から、ダリアさん達も一緒に造船所に向かいます。
だけど、ちょっと変化のあった人達が。
「おにーちゃん、あさ……って、えー! おにーちゃんが起きている!」
何と、ザンギエフさん達がナディアさんにフライパンで叩かれずに起きていたのだ。
ザンギエフさん達の部屋から、ナディアさんの絶叫が響いてきた。
「うふふ、ザンちゃん達に春が来たわね」
「そうだな。感じの良い子だったし、宿の仕事も頼んでみるか」
「それは良い考えだわ。ちょっと様子を見て、依頼しちゃいましょう」
オリガさんとユリスさんも、何だかひそひそとお話している。
悪い事じゃなさそうだから、きっと大丈夫だね。
「「「「おはようございます」」」」
と、ここでダリアさん達が部屋からやってきました。
ダリアさん達は、一部屋に二段ベッドが二つある部屋に泊まっているそうです。
「おはようございます。今日から宜しくお願いします」
「お世話になるのはこちらよ。レオ君は、お仕事の先輩さんだね」
「しかし、レオ君があの黒髪の天使様だったとは。魔法も見せて貰ったけど、本当に凄いよね」
「教会で噂になっていたけど、そんな人って本当にいるのかなって思っていたのよ」
「実際に会ってみると、とっても可愛い男の子なのよね」
昨晩僕が改めて自己紹介したら、ダリアさん達はとても驚いていた。
でも、直ぐに僕とシロちゃんの事を受け入れてくれました。
「ふわあ。っと、待たせたな」
「あっ、ザンギエフさんおはようございます」
「「「「おはようございます」」」」
「おう、おはよう」
「はあ、調子が良いんだから……」
着替えの終わったザンギエフさんたちも食堂にやってきたので、みんなで朝食を食べて造船所に向かいます。
いつもよりもちょっとやる気が出ているザンギエフさん達を見て、ナディアさんが思わず苦笑していました。
「おっ、いいタイミングだ。所長、新人を連れてきたぞ」
「ザンギエフにレオが。ははは、両手に華だな」
「「「「おはようございます」」」」
「ちょっと待ってな。おーい、助っ人が来たぞ!」
たまたま所長さんが食堂の前にいたので、みんなで声をかけました。
すると、所長さんは食堂の中に声をかけました。
直ぐに、食堂のおばちゃんが僕たちのところにやってきました。
「はいはい。おやまあ、綺麗な子じゃないか。本来は倉庫内で作業してもらうんだけど、今日は食堂を手伝って貰えるかい? 他の調理員が、急用でこれなくなったんだよ」
急用が出来ちゃったなら、誰かを助っ人に頼むしかないよね。
ザンギエフさん達は料理バッチリだけど、倉庫内での作業があります。
「分かりました、お手伝いします。基本的な事でしたら、実家で料理の手伝いをしていたので」
「良い子で助かるわ。職人が多いから、この後直ぐに仕込みをするからね」
「「「「はい!」」」」
という事で、ダリアさん達の初仕事は食堂のお手伝いです。
僕とザンギエフさん達とは、食堂前で分かれて食堂のおばちゃんの後をついて行きました。
「レオ、今朝は随分綺麗な女性と来ていたが、ありゃ一体誰だ?」
「昨日から宿に泊まりに来ているダリアさん達です。新人冒険者さんで、軍の造船所の依頼を受けたそうです」
「ほうほう、そうかそうか。だから、今日はザンギエフ達が偉く張り切っているんだな」
作業の途中でも、職人さんからダリアさん達の事を聞かれました。
そして、ザンギエフさん達もとても頑張ってお仕事をしています。
そんなザンギエフさん達を見て、職人さん達はニヤリとしていました。
昼食の時間になると、今度は職人さんも興奮する事態に。
「お仕事お疲れ様です。はい、どうぞ」
ダリアさん達がニコリと微笑みながら、食事に来た人に日替わり定食を配っています。
うーん、何だか職人さんがデレデレな表情をしているね。
「ザンギエフ、あんた良い子を連れてきたね。手際は良いし気がつくし、こんな良い子は中々いないよ!」
更に、食堂のおばちゃんも太鼓判を押す成果だったみたいですね。
実際に日替わり定食もとっても美味しいし、中にはおかわりをしている人もいます。
たった半日で、ダリアさん達の評価がうなぎのぼりです。
そして、午後も無事にお仕事が終わり、みんなで宿に帰ります。
「オリガさん、ただいまです」
「みんな、お帰り。今日はどうだった?」
「みんなダリアさん達がとっても良い仕事をしたって、凄く褒めていましたよ」
僕たちを出迎えてくれたオリガさんも、ニコニコしながら頷いていました。
ダリアさん達のお仕事が上手くいったのが、オリガさんもとっても嬉しいんだ。
「うんうん、それは良い事だね。さあ、疲れているだろうからお風呂に入っちゃいな」
「じゃあレオ君、一緒にお風呂に入りましょうね」
「「「「なっ!」」」」
今日は、ナディアさんに加えてダリアさん達とも一緒にお風呂に入る事になりました。
何故かザンギエフさん達がビックリというか悔しいというか、良くわからない声を出していました。
「ダリアさん、お兄ちゃんが何かしませんでしたか?」
「全然大丈夫でしたわ。それに今日はずっと食堂でお仕事をしていましたし、明日も食堂のお手伝いをする事になりました」
「そう、ですか。それは良かったです」
ナディアさんは、兄であるザンギエフさんがダリアさんに何かしたのではと心配していたんですね。
湯船に浸かりながら、ナディアさんはホッとしていました。
「ザンギエフさん達は、確かに見た目は厳ついですけどとても良い人ですよ。私、こう見えても人を見る目がありますので」
「あんな兄ですけど、確かに人は良いんですよね。小さい頃から、私の面倒を良く見てくれましたし」
「ふふふ、私も兄弟が多かったので何となく想像がつきますわ」
その後も、ナディアさんとダリアさん達は仲良くお喋りしていました。
みんな仲良しって、何だか良いですね。
だけど、ちょっと変化のあった人達が。
「おにーちゃん、あさ……って、えー! おにーちゃんが起きている!」
何と、ザンギエフさん達がナディアさんにフライパンで叩かれずに起きていたのだ。
ザンギエフさん達の部屋から、ナディアさんの絶叫が響いてきた。
「うふふ、ザンちゃん達に春が来たわね」
「そうだな。感じの良い子だったし、宿の仕事も頼んでみるか」
「それは良い考えだわ。ちょっと様子を見て、依頼しちゃいましょう」
オリガさんとユリスさんも、何だかひそひそとお話している。
悪い事じゃなさそうだから、きっと大丈夫だね。
「「「「おはようございます」」」」
と、ここでダリアさん達が部屋からやってきました。
ダリアさん達は、一部屋に二段ベッドが二つある部屋に泊まっているそうです。
「おはようございます。今日から宜しくお願いします」
「お世話になるのはこちらよ。レオ君は、お仕事の先輩さんだね」
「しかし、レオ君があの黒髪の天使様だったとは。魔法も見せて貰ったけど、本当に凄いよね」
「教会で噂になっていたけど、そんな人って本当にいるのかなって思っていたのよ」
「実際に会ってみると、とっても可愛い男の子なのよね」
昨晩僕が改めて自己紹介したら、ダリアさん達はとても驚いていた。
でも、直ぐに僕とシロちゃんの事を受け入れてくれました。
「ふわあ。っと、待たせたな」
「あっ、ザンギエフさんおはようございます」
「「「「おはようございます」」」」
「おう、おはよう」
「はあ、調子が良いんだから……」
着替えの終わったザンギエフさんたちも食堂にやってきたので、みんなで朝食を食べて造船所に向かいます。
いつもよりもちょっとやる気が出ているザンギエフさん達を見て、ナディアさんが思わず苦笑していました。
「おっ、いいタイミングだ。所長、新人を連れてきたぞ」
「ザンギエフにレオが。ははは、両手に華だな」
「「「「おはようございます」」」」
「ちょっと待ってな。おーい、助っ人が来たぞ!」
たまたま所長さんが食堂の前にいたので、みんなで声をかけました。
すると、所長さんは食堂の中に声をかけました。
直ぐに、食堂のおばちゃんが僕たちのところにやってきました。
「はいはい。おやまあ、綺麗な子じゃないか。本来は倉庫内で作業してもらうんだけど、今日は食堂を手伝って貰えるかい? 他の調理員が、急用でこれなくなったんだよ」
急用が出来ちゃったなら、誰かを助っ人に頼むしかないよね。
ザンギエフさん達は料理バッチリだけど、倉庫内での作業があります。
「分かりました、お手伝いします。基本的な事でしたら、実家で料理の手伝いをしていたので」
「良い子で助かるわ。職人が多いから、この後直ぐに仕込みをするからね」
「「「「はい!」」」」
という事で、ダリアさん達の初仕事は食堂のお手伝いです。
僕とザンギエフさん達とは、食堂前で分かれて食堂のおばちゃんの後をついて行きました。
「レオ、今朝は随分綺麗な女性と来ていたが、ありゃ一体誰だ?」
「昨日から宿に泊まりに来ているダリアさん達です。新人冒険者さんで、軍の造船所の依頼を受けたそうです」
「ほうほう、そうかそうか。だから、今日はザンギエフ達が偉く張り切っているんだな」
作業の途中でも、職人さんからダリアさん達の事を聞かれました。
そして、ザンギエフさん達もとても頑張ってお仕事をしています。
そんなザンギエフさん達を見て、職人さん達はニヤリとしていました。
昼食の時間になると、今度は職人さんも興奮する事態に。
「お仕事お疲れ様です。はい、どうぞ」
ダリアさん達がニコリと微笑みながら、食事に来た人に日替わり定食を配っています。
うーん、何だか職人さんがデレデレな表情をしているね。
「ザンギエフ、あんた良い子を連れてきたね。手際は良いし気がつくし、こんな良い子は中々いないよ!」
更に、食堂のおばちゃんも太鼓判を押す成果だったみたいですね。
実際に日替わり定食もとっても美味しいし、中にはおかわりをしている人もいます。
たった半日で、ダリアさん達の評価がうなぎのぼりです。
そして、午後も無事にお仕事が終わり、みんなで宿に帰ります。
「オリガさん、ただいまです」
「みんな、お帰り。今日はどうだった?」
「みんなダリアさん達がとっても良い仕事をしたって、凄く褒めていましたよ」
僕たちを出迎えてくれたオリガさんも、ニコニコしながら頷いていました。
ダリアさん達のお仕事が上手くいったのが、オリガさんもとっても嬉しいんだ。
「うんうん、それは良い事だね。さあ、疲れているだろうからお風呂に入っちゃいな」
「じゃあレオ君、一緒にお風呂に入りましょうね」
「「「「なっ!」」」」
今日は、ナディアさんに加えてダリアさん達とも一緒にお風呂に入る事になりました。
何故かザンギエフさん達がビックリというか悔しいというか、良くわからない声を出していました。
「ダリアさん、お兄ちゃんが何かしませんでしたか?」
「全然大丈夫でしたわ。それに今日はずっと食堂でお仕事をしていましたし、明日も食堂のお手伝いをする事になりました」
「そう、ですか。それは良かったです」
ナディアさんは、兄であるザンギエフさんがダリアさんに何かしたのではと心配していたんですね。
湯船に浸かりながら、ナディアさんはホッとしていました。
「ザンギエフさん達は、確かに見た目は厳ついですけどとても良い人ですよ。私、こう見えても人を見る目がありますので」
「あんな兄ですけど、確かに人は良いんですよね。小さい頃から、私の面倒を良く見てくれましたし」
「ふふふ、私も兄弟が多かったので何となく想像がつきますわ」
その後も、ナディアさんとダリアさん達は仲良くお喋りしていました。
みんな仲良しって、何だか良いですね。
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