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第五章 シークレア子爵領
第二百九十九話 男爵様は苦労人
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倒したゴブリンの処理も終わり、ゴブリンキングもシロちゃんのアイテムボックスに入れました。
怪我をした人の治療も、バッチリ終わりました。
まずは、これで一安心だね。
ぴょーん。
「シロちゃん、凄かったよ。カッコ良かったよ!」
僕の頭の上に乗ったシロちゃんを、いっぱい褒めました。
何と言っても、単独でゴブリンキングを倒しちゃったもんね。
「いやあ、黒髪の魔術師が連れているスライムは、ゴブリンキングよりも強いのかよ」
「スライムが武器を使うのもすげーけど、それでゴブリンキングを倒すんだもんな」
僕の周りに冒険者が集まってきて、口々にシロちゃんが凄かったって褒めていたよ。
シロちゃんは、ちょっと照れたみたいで軽くふよふよと揺れていました。
さてさて、いつまでも森の中にいるわけにもいかないので、僕達は森を抜けて街に戻ります。
「ふう、流石に今回は死ぬかと思ったぜ」
「そうだな。まさかゴブリンの襲撃があるとは思わなかったぞ」
森の中から街道まで出てくると、冒険者も守備隊の人もようやく張り詰めていたものがとけたみたいです。
ゴブリンの襲撃は、完全に予想外だったみたいですね。
「集まった皆に感謝する。こうして、何とか街の脅威を排除する事ができた。まだまだ作戦は続けるが、今日はゆっくりと休んでくれ」
男爵様が兜を取って、作戦に参加してくれた人に感謝していた。
兜を取った男爵様は、青色の短髪でとってもダンディーな人だったよ。
「守備隊長とギルドマスターは、屋敷に来てくれ。今後の事を話し合おう」
「「畏まりました」」
激しい戦闘があった後なのに、まだまだお仕事があるんだね。
皆さん、本当にお疲れ様です。
「レオ君にも危ない所を助けてもらい感謝する。冒険者ギルドに討伐したものを出した後で良いので、屋敷に寄ってくれないか?」
「あっ、はい。分かりました」
「では、守備隊がレオ君を屋敷まで送ります」
急に僕も討伐に参加しちゃったから、色々と話があるんだね。
僕とシロちゃんは、守備隊の人と一緒に冒険者ギルドに向かいました。
どーん。
「な、なんじゃこりゃー! ゴブリンキングじゃないか! しかも、このゴブリンの討伐証の数はなんだよ!」
シロちゃんが討伐した数々のものを出したら、卸担当の職員がビックリしちゃったよ。
森の中でこんな事になっていたなんて、全然思わないもんね。
「では、後の対応は我々で行います。レオ君は、他の隊員と共に屋敷に向かって下さい」
ありがたい事に、説明は守備隊の人がしてくれるんだって。
僕とシロちゃんは、他の守備隊の人と共に冒険者ギルドを後にして屋敷に向かいました。
「あっ、見えてきました。冒険者ギルドから直ぐなんですね」
「この男爵領自体、それほど大きくありません。とはいえ、領民は中々の数がおりますよ」
守備隊の人が色々と説明してくれたけど、沢山のお家が建っているね。
そんな事を思いながら、僕は屋敷に入りました。
屋敷に入ると、直ぐに応接室に案内してくれました。
守備隊の人とはここまでですね。
「失礼します」
「おお、来たか。座ってくれ」
男爵様に促されて、僕は席に座りました。
直ぐにお茶とお菓子が出されました。
「レオ君には、本当に助けて貰った。今日参加した者と領民を代表して感謝する」
「僕も、皆さんを助ける事ができて、本当に良かったです。でも、馬車便でも沢山のオオカミを倒しだしたけど、何かあったんですか?」
「身内の恥を晒す事になるが、これは先日亡くなった父の悪政が原因だ」
男爵様のお父さんの悪政って、何かあったのかな?
「父は貴族らしい贅沢な暮らしを好んで、街の防衛費にあまりお金を出さなかったんだよ。少ない予算で何とかやりくりをしていたのだけど、どうしても対応するのが限界だったんだ」
「そんな事があったんですね。街道を巡回する守備隊の人の人数も限られます」
「まさにその通りだ。しかし、父が亡くなったので、何とかしようと対策をしていたんだよ」
男爵様が溜息をついているけど、今までも本当に苦労していたんだね。
守備隊長さんもギルドマスターも、男爵様の言葉を聞いてうんうんと頷いています。
「まさかゴブリンの襲撃があるとは思わなかったが、逆にゴブリンキングの流通によりある程度資金が出来る。これからは、討伐依頼を増やす予定だ」
「そこそこ腕がある冒険者なら、この森は宝の山ですもんね」
「そういう事だ。幸いにして、我が領内にいる冒険者は腕が立つ者が多い」
となると、これからは街道も安全に通行できる様になるんだね。
馬車便を使う人も、一安心だね。
「レオ君に支払う報酬は、纏めて冒険者ギルド経由で支払おう。後払いになって悪いな」
「僕は急ぎでお金を必要としていないので、全然大丈夫ですよ」
「ご厚意に感謝する。その代わりといってはなんだが、今夜は我が家に泊まってくれ。領を救った恩人として、歓迎しよう」
えー、僕は屋敷に泊まるために討伐を手伝った訳じゃないんだけど。
でも、折角なのでご厚意に甘える事になりました。
「レオ君の武勇伝は数多く聞いているが、実際に目にすると現実はもっと凄いと感じたよ。夕食の際にでも、話を聞かせてくれ」
あっ、サンダーランド辺境伯領に向かう最中でも伯爵様と色々とお話をしていたっけ。
ニコニコとする男爵様を見ると、あの時と同じ様になる気がしたよ。
怪我をした人の治療も、バッチリ終わりました。
まずは、これで一安心だね。
ぴょーん。
「シロちゃん、凄かったよ。カッコ良かったよ!」
僕の頭の上に乗ったシロちゃんを、いっぱい褒めました。
何と言っても、単独でゴブリンキングを倒しちゃったもんね。
「いやあ、黒髪の魔術師が連れているスライムは、ゴブリンキングよりも強いのかよ」
「スライムが武器を使うのもすげーけど、それでゴブリンキングを倒すんだもんな」
僕の周りに冒険者が集まってきて、口々にシロちゃんが凄かったって褒めていたよ。
シロちゃんは、ちょっと照れたみたいで軽くふよふよと揺れていました。
さてさて、いつまでも森の中にいるわけにもいかないので、僕達は森を抜けて街に戻ります。
「ふう、流石に今回は死ぬかと思ったぜ」
「そうだな。まさかゴブリンの襲撃があるとは思わなかったぞ」
森の中から街道まで出てくると、冒険者も守備隊の人もようやく張り詰めていたものがとけたみたいです。
ゴブリンの襲撃は、完全に予想外だったみたいですね。
「集まった皆に感謝する。こうして、何とか街の脅威を排除する事ができた。まだまだ作戦は続けるが、今日はゆっくりと休んでくれ」
男爵様が兜を取って、作戦に参加してくれた人に感謝していた。
兜を取った男爵様は、青色の短髪でとってもダンディーな人だったよ。
「守備隊長とギルドマスターは、屋敷に来てくれ。今後の事を話し合おう」
「「畏まりました」」
激しい戦闘があった後なのに、まだまだお仕事があるんだね。
皆さん、本当にお疲れ様です。
「レオ君にも危ない所を助けてもらい感謝する。冒険者ギルドに討伐したものを出した後で良いので、屋敷に寄ってくれないか?」
「あっ、はい。分かりました」
「では、守備隊がレオ君を屋敷まで送ります」
急に僕も討伐に参加しちゃったから、色々と話があるんだね。
僕とシロちゃんは、守備隊の人と一緒に冒険者ギルドに向かいました。
どーん。
「な、なんじゃこりゃー! ゴブリンキングじゃないか! しかも、このゴブリンの討伐証の数はなんだよ!」
シロちゃんが討伐した数々のものを出したら、卸担当の職員がビックリしちゃったよ。
森の中でこんな事になっていたなんて、全然思わないもんね。
「では、後の対応は我々で行います。レオ君は、他の隊員と共に屋敷に向かって下さい」
ありがたい事に、説明は守備隊の人がしてくれるんだって。
僕とシロちゃんは、他の守備隊の人と共に冒険者ギルドを後にして屋敷に向かいました。
「あっ、見えてきました。冒険者ギルドから直ぐなんですね」
「この男爵領自体、それほど大きくありません。とはいえ、領民は中々の数がおりますよ」
守備隊の人が色々と説明してくれたけど、沢山のお家が建っているね。
そんな事を思いながら、僕は屋敷に入りました。
屋敷に入ると、直ぐに応接室に案内してくれました。
守備隊の人とはここまでですね。
「失礼します」
「おお、来たか。座ってくれ」
男爵様に促されて、僕は席に座りました。
直ぐにお茶とお菓子が出されました。
「レオ君には、本当に助けて貰った。今日参加した者と領民を代表して感謝する」
「僕も、皆さんを助ける事ができて、本当に良かったです。でも、馬車便でも沢山のオオカミを倒しだしたけど、何かあったんですか?」
「身内の恥を晒す事になるが、これは先日亡くなった父の悪政が原因だ」
男爵様のお父さんの悪政って、何かあったのかな?
「父は貴族らしい贅沢な暮らしを好んで、街の防衛費にあまりお金を出さなかったんだよ。少ない予算で何とかやりくりをしていたのだけど、どうしても対応するのが限界だったんだ」
「そんな事があったんですね。街道を巡回する守備隊の人の人数も限られます」
「まさにその通りだ。しかし、父が亡くなったので、何とかしようと対策をしていたんだよ」
男爵様が溜息をついているけど、今までも本当に苦労していたんだね。
守備隊長さんもギルドマスターも、男爵様の言葉を聞いてうんうんと頷いています。
「まさかゴブリンの襲撃があるとは思わなかったが、逆にゴブリンキングの流通によりある程度資金が出来る。これからは、討伐依頼を増やす予定だ」
「そこそこ腕がある冒険者なら、この森は宝の山ですもんね」
「そういう事だ。幸いにして、我が領内にいる冒険者は腕が立つ者が多い」
となると、これからは街道も安全に通行できる様になるんだね。
馬車便を使う人も、一安心だね。
「レオ君に支払う報酬は、纏めて冒険者ギルド経由で支払おう。後払いになって悪いな」
「僕は急ぎでお金を必要としていないので、全然大丈夫ですよ」
「ご厚意に感謝する。その代わりといってはなんだが、今夜は我が家に泊まってくれ。領を救った恩人として、歓迎しよう」
えー、僕は屋敷に泊まるために討伐を手伝った訳じゃないんだけど。
でも、折角なのでご厚意に甘える事になりました。
「レオ君の武勇伝は数多く聞いているが、実際に目にすると現実はもっと凄いと感じたよ。夕食の際にでも、話を聞かせてくれ」
あっ、サンダーランド辺境伯領に向かう最中でも伯爵様と色々とお話をしていたっけ。
ニコニコとする男爵様を見ると、あの時と同じ様になる気がしたよ。
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