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第四章 サンダーランド辺境伯領
第二百五十四話 サンダーランド辺境伯家に新たな命が誕生です
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とたとたとた。
「えっと、よっと」
「うんうん、良い感じになってきたわよ」
「もう少し早く歩いてみましょう」
今朝も、僕とシロちゃんは身体能力強化の魔法の訓練をしています。
段々と慣れていって、今では身体能力強化を使っても、何とか転ばないで歩ける様になりました。
フレアさんとミシャさん曰く、かなり早い速度で身体能力強化の魔法を使えるようになっているそうです。
「じゃあ、次は身体能力強化をしたままジャンプしてみましょうね」
「最初は少しだけジャンプしてみましょう」
少しずつメニューも追加していき、身体能力強化を使った状態で体を動かす範囲を広げていきます。
僕もシロちゃんも、いきなり身体能力強化の魔法を全開にして動くのはちょっと怖いです。
フレアさんとミシャさん曰く、僕とシロちゃんは魔力が強いのでその分身体能力強化の魔法も効果絶大らしいです。
「はあはあはあ」
「はい、今朝の訓練はこれで終わりね」
「明日から、新メニューを追加するわよ」
今朝の訓練も終わって、僕とシロちゃんは地面に大の字になっちゃいました。
今でもとても大変な訓練なのに、明日から更に大変になるのか。
どんな訓練になるのかなと思っていた所で、僕とシロちゃんに急ぎの話が舞い込んできました。
「あっ、レオ君ここにいたのね。お館様の所のスーザン様が産気づいたのよ。初産だし予定よりも少し早いから、念の為にお屋敷に来てほしいんだって」
「えっ、遂に赤ちゃんが生まれるんですね。僕も直ぐに出かける準備をします」
「宜しくね。迎えの馬車が来ているわ」
ミシャさんのお母さんから、ビッグニュースが飛び込んできたよ。
ちょうど今日は一日何もしない予定だったし、タイミングが良かったね。
僕は急いで汗を拭いて、冒険者の服装から着替えて馬車に乗り込みました。
「おお、レオ君か。急に呼び出したりしてすまんな」
屋敷に着くと、ボーガン様が僕を出迎えてくれました。
屋敷の中を侍従の人が忙しなく動いていて、スーザンさんの出産が近い事を示していました。
「僕も、スーザンさんの赤ちゃんにとっても興味があったから全然大丈夫です」
「そうか、それは良かった。とはいえ、基本的に出産時は男性立入禁止となる。シロちゃんだけ出産用の部屋で待機して貰い、レオ君は万が一に備えて貰うぞ」
シロちゃんは了解と言わんばかりに元気良く触手を上げていて、そのまま侍従の人と共に屋敷の奥の方に向かいました。
後は、無事に赤ちゃんが生まれるのを待つだけだね。
ボーガン様は仕事があるので執務室に戻っていき、僕は応接室に向かいました。
うろうろうろ。
「ああ、心配だ、どうすれば良いのだろう……」
うろうろうろ。
応接室に入ると、いつもはきりりとしてとてもカッコいいマシューさんが、不安な表情をしてうろうろとしていました。
そんなマシューさんの事を、これまた仕方ないといった表情でチェルシーさんが見ていました。
「出産時の旦那なんて、どこもこんなもんよ。しかも初めての子どもなのだから。うちの旦那も、マシューの時はあたふたしていたわ」
「えっ、あのボーガン様があたふたしていたんですか?」
「そうよ。見た目は熊みたいなのにね」
どーんとソファーに座って構えているチェルシーさんが、とっても頼もしいです。
僕も、お茶を飲みながらゆっくりと待つことになりました。
「初産はとても時間がかかるわ。そうね、私の見立てだと夕方までかかると思うわ」
「ええ、出産ってそんなに時間がかかるんですね!」
「そうなのよ。レオ君も知っていた方が良いわよ」
赤ちゃんが生まれるのって、とっても大変なんですね。
という事は、マシューさんは夕方までうろうろとしているのかも。
うろうろ、うろうろ。
「うう、スーザンが心配だ……」
そして、夕方になっても本当にマシューさんはずっとうろうろしていました。
食事も殆ど手につかず、もうどうしようもないとチェルシーさんは苦笑していました。
そんな時でした。
「オギャー!」
「う、生まれた!」
スーザンさんのいる部屋から、元気な赤ちゃんの泣き声が聞こえてきました。
マシューさんは、赤ちゃんの泣き声を聞いて一瞬のうちに元気を取り戻していました。
でも、まだ赤ちゃんが生まれたばかりなので、先にチェルシーさんがスーザンさんのいる部屋に入って行きました。
マシューさんは、まだかなまだかなと今度は我慢できなくなっていました。
今日のマシューさんは、まるで子どもみたくなっていますね。
「マシュー、レオ君、入って良いわよ。でも、出産直後で疲れているから短時間でね」
「勿論です!」
チェルシーさんが僕とマシューさんを呼ぶと、マシューさんは元気良く返事をしていました。
長時間にわたる出産だから、スーザンさんもとても疲れちゃっているよね。
そして、部屋に入るとベッドに寝ているスーザンさんが生まれたばかりの赤ちゃんを抱いていました。
スーザンさんはやりきったという表情をしていて、シロちゃんも何故かやりきったといった表情をしていました。
「スーザン、頑張ったな。ありがとう」
「ふふ、ちょっと大袈裟よ。可愛い男の子よ、大事に育てていきましょうね」
「ああ、そうだな。大切に育てていかないと」
「あうあう」
涙が止まらないマシューさんを、出産で疲れているはずのスーザンが慰めていました。
きっと赤ちゃんは、良い子に育つだろうね。
こうして、サンダーランド辺境伯家に新しい命が誕生しました。
「えっと、よっと」
「うんうん、良い感じになってきたわよ」
「もう少し早く歩いてみましょう」
今朝も、僕とシロちゃんは身体能力強化の魔法の訓練をしています。
段々と慣れていって、今では身体能力強化を使っても、何とか転ばないで歩ける様になりました。
フレアさんとミシャさん曰く、かなり早い速度で身体能力強化の魔法を使えるようになっているそうです。
「じゃあ、次は身体能力強化をしたままジャンプしてみましょうね」
「最初は少しだけジャンプしてみましょう」
少しずつメニューも追加していき、身体能力強化を使った状態で体を動かす範囲を広げていきます。
僕もシロちゃんも、いきなり身体能力強化の魔法を全開にして動くのはちょっと怖いです。
フレアさんとミシャさん曰く、僕とシロちゃんは魔力が強いのでその分身体能力強化の魔法も効果絶大らしいです。
「はあはあはあ」
「はい、今朝の訓練はこれで終わりね」
「明日から、新メニューを追加するわよ」
今朝の訓練も終わって、僕とシロちゃんは地面に大の字になっちゃいました。
今でもとても大変な訓練なのに、明日から更に大変になるのか。
どんな訓練になるのかなと思っていた所で、僕とシロちゃんに急ぎの話が舞い込んできました。
「あっ、レオ君ここにいたのね。お館様の所のスーザン様が産気づいたのよ。初産だし予定よりも少し早いから、念の為にお屋敷に来てほしいんだって」
「えっ、遂に赤ちゃんが生まれるんですね。僕も直ぐに出かける準備をします」
「宜しくね。迎えの馬車が来ているわ」
ミシャさんのお母さんから、ビッグニュースが飛び込んできたよ。
ちょうど今日は一日何もしない予定だったし、タイミングが良かったね。
僕は急いで汗を拭いて、冒険者の服装から着替えて馬車に乗り込みました。
「おお、レオ君か。急に呼び出したりしてすまんな」
屋敷に着くと、ボーガン様が僕を出迎えてくれました。
屋敷の中を侍従の人が忙しなく動いていて、スーザンさんの出産が近い事を示していました。
「僕も、スーザンさんの赤ちゃんにとっても興味があったから全然大丈夫です」
「そうか、それは良かった。とはいえ、基本的に出産時は男性立入禁止となる。シロちゃんだけ出産用の部屋で待機して貰い、レオ君は万が一に備えて貰うぞ」
シロちゃんは了解と言わんばかりに元気良く触手を上げていて、そのまま侍従の人と共に屋敷の奥の方に向かいました。
後は、無事に赤ちゃんが生まれるのを待つだけだね。
ボーガン様は仕事があるので執務室に戻っていき、僕は応接室に向かいました。
うろうろうろ。
「ああ、心配だ、どうすれば良いのだろう……」
うろうろうろ。
応接室に入ると、いつもはきりりとしてとてもカッコいいマシューさんが、不安な表情をしてうろうろとしていました。
そんなマシューさんの事を、これまた仕方ないといった表情でチェルシーさんが見ていました。
「出産時の旦那なんて、どこもこんなもんよ。しかも初めての子どもなのだから。うちの旦那も、マシューの時はあたふたしていたわ」
「えっ、あのボーガン様があたふたしていたんですか?」
「そうよ。見た目は熊みたいなのにね」
どーんとソファーに座って構えているチェルシーさんが、とっても頼もしいです。
僕も、お茶を飲みながらゆっくりと待つことになりました。
「初産はとても時間がかかるわ。そうね、私の見立てだと夕方までかかると思うわ」
「ええ、出産ってそんなに時間がかかるんですね!」
「そうなのよ。レオ君も知っていた方が良いわよ」
赤ちゃんが生まれるのって、とっても大変なんですね。
という事は、マシューさんは夕方までうろうろとしているのかも。
うろうろ、うろうろ。
「うう、スーザンが心配だ……」
そして、夕方になっても本当にマシューさんはずっとうろうろしていました。
食事も殆ど手につかず、もうどうしようもないとチェルシーさんは苦笑していました。
そんな時でした。
「オギャー!」
「う、生まれた!」
スーザンさんのいる部屋から、元気な赤ちゃんの泣き声が聞こえてきました。
マシューさんは、赤ちゃんの泣き声を聞いて一瞬のうちに元気を取り戻していました。
でも、まだ赤ちゃんが生まれたばかりなので、先にチェルシーさんがスーザンさんのいる部屋に入って行きました。
マシューさんは、まだかなまだかなと今度は我慢できなくなっていました。
今日のマシューさんは、まるで子どもみたくなっていますね。
「マシュー、レオ君、入って良いわよ。でも、出産直後で疲れているから短時間でね」
「勿論です!」
チェルシーさんが僕とマシューさんを呼ぶと、マシューさんは元気良く返事をしていました。
長時間にわたる出産だから、スーザンさんもとても疲れちゃっているよね。
そして、部屋に入るとベッドに寝ているスーザンさんが生まれたばかりの赤ちゃんを抱いていました。
スーザンさんはやりきったという表情をしていて、シロちゃんも何故かやりきったといった表情をしていました。
「スーザン、頑張ったな。ありがとう」
「ふふ、ちょっと大袈裟よ。可愛い男の子よ、大事に育てていきましょうね」
「ああ、そうだな。大切に育てていかないと」
「あうあう」
涙が止まらないマシューさんを、出産で疲れているはずのスーザンが慰めていました。
きっと赤ちゃんは、良い子に育つだろうね。
こうして、サンダーランド辺境伯家に新しい命が誕生しました。
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