153 / 464
第四章 サンダーランド辺境伯領
第二百四十八話 新たな魔法を勉強します
しおりを挟む
今朝の訓練から、僕とシロちゃんは身体能力強化の練習も行います。
でも、その前にいつも行っている訓練を始めます。
カンカンカン。
「えい、やあ!」
「そうそう、良い感じよ。どんどんと打ち込んできてね」
「シロちゃんも中々だよ。失敗しても良いから、練習するのが大切よ」
今まで素振りしかやってこなかったけど、ミシャさんの商会に泊まってからは実際の打ち合いも始めました。
やっぱり素振りするのとは感覚が違うのでとても難しいけど、シロちゃんと一緒にフレアさんとミシャさんに木剣を打ち込んでいきます。
僕とシロちゃんが一生懸命に打ち込んでも、フレアさんとミシャさんは軽々と木剣を受け止めます。
実戦訓練になると、フレアさんとミシャさんの凄さがよく分かります。
ピピピピ、ピピピピ。
「はあはあはあ」
「はい、時間だね。体を冷やさない様に休んでね」
僕の懐中時計型魔導具のタイマーが鳴って、打ち合いは終わりです。
僕は思わずペタリと座り込みながら、荒い息をしていました。
「やっぱりフレアさんは凄いですね。全然当たらなかったです」
「そりゃ、レオ君よりも長く剣術をしているからね。流石にレオ君には負けないわよ」
汗一つかいていないフレアさんに対して、僕は汗まみれです。
素振りは結構やっていたけど、僕はまだまだだね。
でも、剣技を覚えれば、冒険者としてパワーアップできそうだよ。
「じゃあ、次は魔法剣を発動しながらの形ね。いつも通りでいいわよ」
次は、僕がダガーでシロちゃんがナイフを使って魔法剣を発動させます。
いつも通りに、ゆっくりと確実に剣を振るっていきます。
「そうそう、良い感じよ。魔法剣の発動ばかりに気を使うと動きが遅くなるし、動きばかりを気にすると今度は魔法剣の発動が甘くなるわ」
「確実に剣を振るのは、とても大切な事よ。早く振るって雑にならないようにね」
僕とシロちゃんは、フレアさんとミシャさんに見てもらいながら型を続けます。
やっぱり一人で黙々とやるよりも、誰かにチェックして貰いながらやる方がとっても勉強になるね。
「ふう、終わりました」
「うん、綺麗な形ね。もう少ししたら、少しだけ早くしてみましょうね」
「きっと今のレオ君なら、もう少し早く動いても大丈夫よ。無理のない程度に頑張ってみましょう」
フレアさんとミシャさんにも問題ないって言われたので、僕もシロちゃんもとっても嬉しくなりました。
今まではずっとシロちゃんと形をしていただけだから、剣士の人からの評価はなかったんだよね。
いつも、皆凄いって言っていたから、実はどう凄いのかいまいち分かってなかったんだよなあ。
そして、いよいよ身体能力での魔法を勉強します。
「身体能力強化は、体のある部分に魔力を集中させて肉体を強化する魔法です。魔力循環の様に魔力で体を覆う魔法なので、魔力を放出できない者でも扱う事が出来るのよ」
「最初は、体の各部分に魔力を集める練習ね。体を薄い魔力の膜で覆う練習にもチャレンジしましょう」
早速僕とシロちゃんは、フレアさんとミシャさんからの課題に挑戦します。
魔力循環の応用で、両足に魔力を留める。
うーん、これで良いのかな?
「フレアさん、このくらいで……」
「あっ、レオ君危ないわ」
バシュ!
「わあああ!」
ドシーン。
足に魔力を留めた状態で歩き出そうとしたら、足が地面に弾かれたみたいになって尻もちをついちゃいました。
シロちゃんも、派手に転んでしまっています。
「レオ君、大丈夫? でも、これは身体能力強化を勉強する初心者なら誰でも通る道よ」
「足に留めた魔力が強すぎたのよ。最初はほんの少しだけ魔力を留めるだけにした方が良いわ」
僕もシロちゃんも、いきなり大失敗しちゃいました。
でも溜めた魔力が多すぎるだけだから、調節すれば良いだけだね。
今度は、足にほんの少しだけ魔力を溜めてっと。
「よっと、わあ、今度は歩きにくいです」
「魔力の扱いとしては問題ないけど、体が慣れていないのよ」
「まずはゆっくりと、体を慣らしていきましょうね。庭をゆっくりと一周してみましょう」
僕とシロちゃんは、おっかなびっくりしながらゆっくりと庭を歩きます。
道中何回も転んじゃって、身体能力強化ってこんなにも大変なんだと改めて実感しました。
「はあはあ、な、何とか一周できました……」
「お疲れ様。最初のうちは大変だけど、段々と慣れてくるよ」
「暫くは、魔力操作に庭を歩く事を続けましょうね」
庭にペタリと座り込んだ僕とシロちゃんに、タオルを渡しながらフレアさんとミシャさんが話しかけてきました。
こんなに大変な訓練を経て、フレアさんとミシャさんは二つ名を得る冒険者になったんだね。
でも、新しい魔法を覚えるのは楽しいし、何よりも他の魔法の訓練にもなるね。
「じゃあ、汗を拭いて朝食にしましょう。フレアも食べていってね」
「じゃあ、お言葉に甘えちゃいますね」
こうして、朝の訓練は何とか終わりました。
今は大変だけど、頑張っていけば僕もシロちゃんも凄くパワーアップしそうな気がするよ。
でも、その前にいつも行っている訓練を始めます。
カンカンカン。
「えい、やあ!」
「そうそう、良い感じよ。どんどんと打ち込んできてね」
「シロちゃんも中々だよ。失敗しても良いから、練習するのが大切よ」
今まで素振りしかやってこなかったけど、ミシャさんの商会に泊まってからは実際の打ち合いも始めました。
やっぱり素振りするのとは感覚が違うのでとても難しいけど、シロちゃんと一緒にフレアさんとミシャさんに木剣を打ち込んでいきます。
僕とシロちゃんが一生懸命に打ち込んでも、フレアさんとミシャさんは軽々と木剣を受け止めます。
実戦訓練になると、フレアさんとミシャさんの凄さがよく分かります。
ピピピピ、ピピピピ。
「はあはあはあ」
「はい、時間だね。体を冷やさない様に休んでね」
僕の懐中時計型魔導具のタイマーが鳴って、打ち合いは終わりです。
僕は思わずペタリと座り込みながら、荒い息をしていました。
「やっぱりフレアさんは凄いですね。全然当たらなかったです」
「そりゃ、レオ君よりも長く剣術をしているからね。流石にレオ君には負けないわよ」
汗一つかいていないフレアさんに対して、僕は汗まみれです。
素振りは結構やっていたけど、僕はまだまだだね。
でも、剣技を覚えれば、冒険者としてパワーアップできそうだよ。
「じゃあ、次は魔法剣を発動しながらの形ね。いつも通りでいいわよ」
次は、僕がダガーでシロちゃんがナイフを使って魔法剣を発動させます。
いつも通りに、ゆっくりと確実に剣を振るっていきます。
「そうそう、良い感じよ。魔法剣の発動ばかりに気を使うと動きが遅くなるし、動きばかりを気にすると今度は魔法剣の発動が甘くなるわ」
「確実に剣を振るのは、とても大切な事よ。早く振るって雑にならないようにね」
僕とシロちゃんは、フレアさんとミシャさんに見てもらいながら型を続けます。
やっぱり一人で黙々とやるよりも、誰かにチェックして貰いながらやる方がとっても勉強になるね。
「ふう、終わりました」
「うん、綺麗な形ね。もう少ししたら、少しだけ早くしてみましょうね」
「きっと今のレオ君なら、もう少し早く動いても大丈夫よ。無理のない程度に頑張ってみましょう」
フレアさんとミシャさんにも問題ないって言われたので、僕もシロちゃんもとっても嬉しくなりました。
今まではずっとシロちゃんと形をしていただけだから、剣士の人からの評価はなかったんだよね。
いつも、皆凄いって言っていたから、実はどう凄いのかいまいち分かってなかったんだよなあ。
そして、いよいよ身体能力での魔法を勉強します。
「身体能力強化は、体のある部分に魔力を集中させて肉体を強化する魔法です。魔力循環の様に魔力で体を覆う魔法なので、魔力を放出できない者でも扱う事が出来るのよ」
「最初は、体の各部分に魔力を集める練習ね。体を薄い魔力の膜で覆う練習にもチャレンジしましょう」
早速僕とシロちゃんは、フレアさんとミシャさんからの課題に挑戦します。
魔力循環の応用で、両足に魔力を留める。
うーん、これで良いのかな?
「フレアさん、このくらいで……」
「あっ、レオ君危ないわ」
バシュ!
「わあああ!」
ドシーン。
足に魔力を留めた状態で歩き出そうとしたら、足が地面に弾かれたみたいになって尻もちをついちゃいました。
シロちゃんも、派手に転んでしまっています。
「レオ君、大丈夫? でも、これは身体能力強化を勉強する初心者なら誰でも通る道よ」
「足に留めた魔力が強すぎたのよ。最初はほんの少しだけ魔力を留めるだけにした方が良いわ」
僕もシロちゃんも、いきなり大失敗しちゃいました。
でも溜めた魔力が多すぎるだけだから、調節すれば良いだけだね。
今度は、足にほんの少しだけ魔力を溜めてっと。
「よっと、わあ、今度は歩きにくいです」
「魔力の扱いとしては問題ないけど、体が慣れていないのよ」
「まずはゆっくりと、体を慣らしていきましょうね。庭をゆっくりと一周してみましょう」
僕とシロちゃんは、おっかなびっくりしながらゆっくりと庭を歩きます。
道中何回も転んじゃって、身体能力強化ってこんなにも大変なんだと改めて実感しました。
「はあはあ、な、何とか一周できました……」
「お疲れ様。最初のうちは大変だけど、段々と慣れてくるよ」
「暫くは、魔力操作に庭を歩く事を続けましょうね」
庭にペタリと座り込んだ僕とシロちゃんに、タオルを渡しながらフレアさんとミシャさんが話しかけてきました。
こんなに大変な訓練を経て、フレアさんとミシャさんは二つ名を得る冒険者になったんだね。
でも、新しい魔法を覚えるのは楽しいし、何よりも他の魔法の訓練にもなるね。
「じゃあ、汗を拭いて朝食にしましょう。フレアも食べていってね」
「じゃあ、お言葉に甘えちゃいますね」
こうして、朝の訓練は何とか終わりました。
今は大変だけど、頑張っていけば僕もシロちゃんも凄くパワーアップしそうな気がするよ。
737
お気に入りに追加
5,471
あなたにおすすめの小説
【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
【完結】妃が毒を盛っている。
佳
ファンタジー
2年前から病床に臥しているハイディルベルクの王には、息子が2人いる。
王妃フリーデの息子で第一王子のジークムント。
側妃ガブリエレの息子で第二王子のハルトヴィヒ。
いま王が崩御するようなことがあれば、第一王子が玉座につくことになるのは間違いないだろう。
貴族が集まって出る一番の話題は、王の後継者を推測することだった――
見舞いに来たエルメンヒルデ・シュティルナー侯爵令嬢。
「エルメンヒルデか……。」
「はい。お側に寄っても?」
「ああ、おいで。」
彼女の行動が、出会いが、全てを解決に導く――。
この優しい王の、原因不明の病気とはいったい……?
※オリジナルファンタジー第1作目カムバックイェイ!!
※妖精王チートですので細かいことは気にしない。
※隣国の王子はテンプレですよね。
※イチオシは護衛たちとの気安いやり取り
※最後のほうにざまぁがあるようなないような
※敬語尊敬語滅茶苦茶御免!(なさい)
※他サイトでは佳(ケイ)+苗字で掲載中
※完結保証……保障と保証がわからない!
2022.11.26 18:30 完結しました。
お付き合いいただきありがとうございました!
とある婚約破棄の顛末
瀬織董李
ファンタジー
男爵令嬢に入れあげ生徒会の仕事を疎かにした挙げ句、婚約者の公爵令嬢に婚約破棄を告げた王太子。
あっさりと受け入れられて拍子抜けするが、それには理由があった。
まあ、なおざりにされたら心は離れるよね。
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
自重知らずの転生貴族は、現在知識チートでどんどん商品を開発していきます!!
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
無限の時空間の中、いきなり意識が覚醒した。
女神の話によれば、異世界に転生できるという。
ディルメス侯爵家の次男、シオン・ディルメスに転生してから九年が経ったある日、邸の執務室へ行くと、対立国の情報が飛び込んできた。
父であるディルメス侯爵は敵軍を迎撃するため、国境にあるロンメル砦へと出発していく。
その間に執務長が領地の資金繰りに困っていたため、シオンは女神様から授かったスキル『創造魔法陣』を用いて、骨から作った『ボーン食器』を発明する。
食器は大ヒットとなり、侯爵領全域へと広がっていった。
そして噂は王国内の貴族達から王宮にまで届き、シオンは父と一緒に王城へ向かうことに……『ボーン食器』は、シオンの予想を遥かに超えて、大事へと発展していくのだった……
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。
異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~
樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。
無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。
そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。
そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。
色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。
※この作品はカクヨム様でも掲載しています。
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。