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第四章 サンダーランド辺境伯領
第二百二十三話 サンダーランド辺境伯領の領都に到着です
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サンダーランド辺境伯領への道のりも、十一日目になりました。
既にサンダーランド辺境伯領に入っていてサンダーランド辺境伯領主でもあるボーガン様とも合流しています。
でも領都にはまだ着いていないので、僕とシロちゃんの旅は続きます。
「レオ君、昨夜はゆっくり休めたかな?」
「はい、ぐっすりと寝られました」
「それはいい事だ」
食堂でボーガン様と話をしたけど、ボーガン様も元気いっぱいですね。
「今日は早めに出発して、昼過ぎには領都に着く予定になっている。なので、昼食は我が屋敷で食べるぞ」
朝食を食べながらボーガン様が今日の予定を教えてくれたけど、僕が思ったよりも随分と早く領都に着きそうだね。
ちょっとワクワクしながら、僕とシロちゃんは朝食を食べました。
ガラガラガラ。
「あっ、大きな山が見えました!」
「あれが、我が国と帝国を分ける山脈だ。峠に、双方が国境警備隊と陣地を敷いている」
あの山の向こうに、帝国があるんだ。
何だか不思議な気持ちになりながら、大きな山を見つめていました。
そして段々と大きな防壁が見えてきて、領都にも近づいてきているのが分かります。
街道を歩く人の数も増えてきて、とっても賑やかになってきました。
「いよいよ、サンダーランド辺境伯領の領都に着くんですね」
「こうやってはしゃいでいる所を見ると、レオ君も年相応の子どもだな」
僕とシロちゃんがはしゃいでいるのを、ボーガン様がニコニコしながら見ていました。
新しい街に入ると、いつでもワクワクしちゃうね。
「お館様、おかえりなさいませ」
「うむ」
あっ、防壁の門で兵と対話するときのボーガン様は、とっても威厳たっぷりだったよ。
対応の使い分けが、とっても上手です。
街の中に入った馬車は、大通りをゆっくりと進んで行きます。
市場には沢山の品物が溢れていて、街を歩く人もとっても良い笑顔です。
「街の人が、とっても楽しそうに話をしていますね」
「良い所を見てくれたな。領民が幸せにならないと、統治は上手くいかない。こうやって、皆が笑顔でいるのが大切だ」
やっぱり、ボーガン様はとっても良い領主様ですね。
だからこそ、街の人も幸せそうに暮らしているんだね。
そして馬車はゆっくりと、大きな屋敷の中に入って行きました。
「お館様、お疲れ様ございます。そして、黒髪の魔術師様、ようこそサンダーランド辺境伯領へ」
直ぐに屋敷の執事さんが、馬車の扉を開けてくれました。
僕にも、直ぐにニコリと挨拶をしてくれました。
しかし、執事さんってやっぱりかっこいいなあ。
白髪交じりの髪をビシッと決めていて、背筋もピンとしているよ。
「何か変わったことはあったか?」
「今回の土砂崩れの件で、国境警備隊隊長様と冒険者ギルドマスター様に加えまして、ディフェンダーズ伯爵様がお見えになっております」
「直ぐに向かおう。悪いが、レオ君も同席してくれ」
ここは僕も一緒に説明した方がいいよね。
僕達は、屋敷の中に入りました。
「わあ、凄く大きいですね!とっても広いです」
「この屋敷は、いざという時は避難所にもなる。無駄な調度品は配置せずにしているのだ」
玄関ホールだけでも、沢山の人が集まれそうです。
大きくて広い屋敷に、僕とシロちゃんはとってもビックリしちゃいました。
そして、応接室の前に到着しました。
こんこん。
「失礼します。お館様と黒髪の魔術師様がお見えになりました」
「はい、どうぞ」
あわわわ、僕は様を付けられるほど凄い人じゃないですよ。
僕はワタワタしながら、ボーガン様の後を付いていきながら女性の声が聞こえた応接室の中に入っていきました。
「あなた、お帰りなさいませ。そして、黒髪の魔術師ことレオ君、ようこそサンダーランド辺境伯領へ」
応接室の中にはキチンとした身なりの男性三人と、とても品の良い女性がいました。
明るい紫色のウェーブのかかったロングヘアでスタイルの良い女性は、間違いなくボーガン様の奥さんだね。
席についたら、改めて挨拶をします。
「えっと、初めまして。僕はレオです。このスライムは、シロちゃんです」
「あら、とっても礼儀正しいのね。土砂崩れ現場の復旧に尽力してくれて、どうもありがとうね」
女性が僕にペコリと頭を下げてきたので、僕とシロちゃんもペコペコと頭を下げました。
「君が、かの有名なレオ君か。私は国境警備隊隊長のマイスターだ、宜しく頼む」
「サンダーランド辺境伯領の冒険者ギルドマスター、ホークスターだ。冒険者ギルドも、レオの事を歓迎しよう」
「儂は、隣のディフェンダーズ伯爵領のマンデラだ。まさか、ここで黒髪の魔術師に会えるとはな」
応接室の中にいた他の人も、僕に挨拶をしてくれました。
国境警備隊隊長のマイスターさんは、ガッチリとした長身で緑色の髪の毛を短く切り揃えていました。
冒険者ギルドマスターのホークスターさんは、赤い短髪の長身で剣士って感じの人です。
ディフェンダーズ伯爵家のマンデラ様は、白髪混じりの茶髪の髪をオールバックにしていてちょっとぽっちゃりです。
皆さん、とっても良い人って感じですね。
「しかし、私が土砂崩れ現場に着いた時には、片側交互通行だったが既に往来が再開していた。レオ君の魔法を見ると、今まで見てきた魔法は子どもだましと思えたぞ」
「まあ、そんなに凄かったのですね」
「うむ、私の背丈程ある大きな岩を一瞬で砕いたり、大量の土砂を一度に念動で運んでいたぞ」
ボーガン様が僕の魔法を説明する度に、応接室にいる人がおおーって声を上げていました。
あの、あまり大げさに説明しないでくれると助かります……
「街道はもう大丈夫だろう。それよりも、今後の事を話そう」
ボーガン様が、改めて仕切り直して話を始めました。
既にサンダーランド辺境伯領に入っていてサンダーランド辺境伯領主でもあるボーガン様とも合流しています。
でも領都にはまだ着いていないので、僕とシロちゃんの旅は続きます。
「レオ君、昨夜はゆっくり休めたかな?」
「はい、ぐっすりと寝られました」
「それはいい事だ」
食堂でボーガン様と話をしたけど、ボーガン様も元気いっぱいですね。
「今日は早めに出発して、昼過ぎには領都に着く予定になっている。なので、昼食は我が屋敷で食べるぞ」
朝食を食べながらボーガン様が今日の予定を教えてくれたけど、僕が思ったよりも随分と早く領都に着きそうだね。
ちょっとワクワクしながら、僕とシロちゃんは朝食を食べました。
ガラガラガラ。
「あっ、大きな山が見えました!」
「あれが、我が国と帝国を分ける山脈だ。峠に、双方が国境警備隊と陣地を敷いている」
あの山の向こうに、帝国があるんだ。
何だか不思議な気持ちになりながら、大きな山を見つめていました。
そして段々と大きな防壁が見えてきて、領都にも近づいてきているのが分かります。
街道を歩く人の数も増えてきて、とっても賑やかになってきました。
「いよいよ、サンダーランド辺境伯領の領都に着くんですね」
「こうやってはしゃいでいる所を見ると、レオ君も年相応の子どもだな」
僕とシロちゃんがはしゃいでいるのを、ボーガン様がニコニコしながら見ていました。
新しい街に入ると、いつでもワクワクしちゃうね。
「お館様、おかえりなさいませ」
「うむ」
あっ、防壁の門で兵と対話するときのボーガン様は、とっても威厳たっぷりだったよ。
対応の使い分けが、とっても上手です。
街の中に入った馬車は、大通りをゆっくりと進んで行きます。
市場には沢山の品物が溢れていて、街を歩く人もとっても良い笑顔です。
「街の人が、とっても楽しそうに話をしていますね」
「良い所を見てくれたな。領民が幸せにならないと、統治は上手くいかない。こうやって、皆が笑顔でいるのが大切だ」
やっぱり、ボーガン様はとっても良い領主様ですね。
だからこそ、街の人も幸せそうに暮らしているんだね。
そして馬車はゆっくりと、大きな屋敷の中に入って行きました。
「お館様、お疲れ様ございます。そして、黒髪の魔術師様、ようこそサンダーランド辺境伯領へ」
直ぐに屋敷の執事さんが、馬車の扉を開けてくれました。
僕にも、直ぐにニコリと挨拶をしてくれました。
しかし、執事さんってやっぱりかっこいいなあ。
白髪交じりの髪をビシッと決めていて、背筋もピンとしているよ。
「何か変わったことはあったか?」
「今回の土砂崩れの件で、国境警備隊隊長様と冒険者ギルドマスター様に加えまして、ディフェンダーズ伯爵様がお見えになっております」
「直ぐに向かおう。悪いが、レオ君も同席してくれ」
ここは僕も一緒に説明した方がいいよね。
僕達は、屋敷の中に入りました。
「わあ、凄く大きいですね!とっても広いです」
「この屋敷は、いざという時は避難所にもなる。無駄な調度品は配置せずにしているのだ」
玄関ホールだけでも、沢山の人が集まれそうです。
大きくて広い屋敷に、僕とシロちゃんはとってもビックリしちゃいました。
そして、応接室の前に到着しました。
こんこん。
「失礼します。お館様と黒髪の魔術師様がお見えになりました」
「はい、どうぞ」
あわわわ、僕は様を付けられるほど凄い人じゃないですよ。
僕はワタワタしながら、ボーガン様の後を付いていきながら女性の声が聞こえた応接室の中に入っていきました。
「あなた、お帰りなさいませ。そして、黒髪の魔術師ことレオ君、ようこそサンダーランド辺境伯領へ」
応接室の中にはキチンとした身なりの男性三人と、とても品の良い女性がいました。
明るい紫色のウェーブのかかったロングヘアでスタイルの良い女性は、間違いなくボーガン様の奥さんだね。
席についたら、改めて挨拶をします。
「えっと、初めまして。僕はレオです。このスライムは、シロちゃんです」
「あら、とっても礼儀正しいのね。土砂崩れ現場の復旧に尽力してくれて、どうもありがとうね」
女性が僕にペコリと頭を下げてきたので、僕とシロちゃんもペコペコと頭を下げました。
「君が、かの有名なレオ君か。私は国境警備隊隊長のマイスターだ、宜しく頼む」
「サンダーランド辺境伯領の冒険者ギルドマスター、ホークスターだ。冒険者ギルドも、レオの事を歓迎しよう」
「儂は、隣のディフェンダーズ伯爵領のマンデラだ。まさか、ここで黒髪の魔術師に会えるとはな」
応接室の中にいた他の人も、僕に挨拶をしてくれました。
国境警備隊隊長のマイスターさんは、ガッチリとした長身で緑色の髪の毛を短く切り揃えていました。
冒険者ギルドマスターのホークスターさんは、赤い短髪の長身で剣士って感じの人です。
ディフェンダーズ伯爵家のマンデラ様は、白髪混じりの茶髪の髪をオールバックにしていてちょっとぽっちゃりです。
皆さん、とっても良い人って感じですね。
「しかし、私が土砂崩れ現場に着いた時には、片側交互通行だったが既に往来が再開していた。レオ君の魔法を見ると、今まで見てきた魔法は子どもだましと思えたぞ」
「まあ、そんなに凄かったのですね」
「うむ、私の背丈程ある大きな岩を一瞬で砕いたり、大量の土砂を一度に念動で運んでいたぞ」
ボーガン様が僕の魔法を説明する度に、応接室にいる人がおおーって声を上げていました。
あの、あまり大げさに説明しないでくれると助かります……
「街道はもう大丈夫だろう。それよりも、今後の事を話そう」
ボーガン様が、改めて仕切り直して話を始めました。
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