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第三章 コバルトブルーレイク直轄領

第百六十話 クリスちゃんにポーションの作り方を見せてあげます

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 翌朝には、ナナさんも元気を取り戻していました。
 そして、朝の魔法訓練も順調に行っています。

「うん、もう魔力の扱いに慣れてきましたね。一日早いけど、明日から魔力制御の訓練を始めましょうね」

 ナナさんは予想以上に魔力の扱いに慣れていたので、僕も思わずびっくりです。

「ふふ、良かったですわ。落第なんて言われたらどうしようかと思いましたわ」
「そんな事は絶対にないですよ。ナナさんは、本当に凄い魔法使いに慣れますよ!」
「レオ君、ありがとうね」

 ナナさんはニコリとしながら僕の頭を撫でてくれたけど、ナナさんが凄い魔法使いになれる様に僕も頑張らないとね。

 ひゅん、ひゅん、ひゅん。

「いやあ、相変わらず凄いわね」
「レオ君はナナの事を凄い魔法使いになると言っているけど、レオ君は間違いなくこの国でも有数の魔法使いになるわ」

 そして今日も僕が魔法剣を使いながら型をしていると、呆れた表情のユリアさんとイリアさんがいました。
 皆が僕の事を凄いって言ってくれるけど、僕はまだまだ下手っぴな魔法使いですよ。

「じゃあ、私達は別荘案件に行ってくるけど、レオ君は貴族の別荘に行くんだよね?」
「はい、クリスちゃんの状態を見に行きます。その後は、一日ポーション作りに専念する予定です」
「そう、それなら今日は安心できるわね。気をつけて貴族の別荘に行くのよ」

 皆は昨日に引き続き別荘関連の案件をするそうなので、僕はシロちゃんと一緒に宿の前で皆と別れてチャーリーさんの別荘に向かいました。

 てくてくてく。

「シロちゃん、今日は曇っていてちょっと肌寒いね」

 空は一面の曇り空で、かなりどんよりとしています。
 もしかしたら、今日か明日には雨が降るかもしれないね。
 街の人も、ちょっと厚着をしながら歩いているよ。
 
「おはようございます」
「おはよう、レオ君」

 チャーリーさんの別荘についたけど、門兵さんはいつも同じ鎧を着ているね。
 夏場もこの鎧を着ていると暑いんじゃないかなと思いつつ、僕は別荘の中に入りました。

「おにーさま!」
「クリスちゃん、おはようございます」
「おはよーございます!」

 直ぐに僕とシロちゃんは応接室に案内されて、元気いっぱいのクリスちゃんに出迎えられました。
 直ぐにクリスちゃんの体調を確認するけど、体調もバッチリだね。

「クリスちゃん、チャーリーさんは?」
「おじいさま、おしごとなの……」

 あらら、クリスちゃんはだいぶ残念そうにしているけど、チャーリーさんは次期宰相って言われているくらい偉い貴族だもんね。
 休暇中なのに、とっても大変そうです。

「クリスちゃんは、この後予定あるの?」
「なんにもないの。おにーさまといっしょにいてって、おじいちゃんがいってたの」

 クリスちゃんはつまんないって感じで僕に話しかけてきたけど、うーん何をすれば良いのかな?
 外で遊ぶのはまだ早いし、今日は曇り空で肌寒いもんね。
 あっ、これならどうだろう?

「侍従のお姉さん、どこか使える部屋はありますか? クリスちゃんにポーション作りを見せてあげたいです」
「では、厨房の一角をご利用くださいませ」

 クリスちゃん付きの侍従のお姉さんの許可を貰ったので、僕達は厨房に移動しました。

「じゃあ、道具を出しますね」
「わあ、ふくろからいっぱいでてきた!」

 僕が薬草作りに必要な道具を魔法袋から出すと、クリスちゃんはとっても喜んでいました。

「私もお手伝いいたします」
「ありがとうございます」
「クリスも!」

 薬草を洗い始めると、クリスちゃん付きの侍従が手伝ってくれました。
 クリスちゃんはたらいに入った薬草をちゃぷちゃぷしているだけだけど、これはこれで良いよね。
 後は、薬草を魔導コンロで煮込んで魔石を入れて完成です。

「既にレオ様は、ポーション作りの達人になられておられるのですね」
「おにーさま、すごーい!」
「ポーション作りは、薬草の効能が上手く溶けたタイミングを見極めるのが大変なんです。僕は鑑定魔法を使って確認していますけど、ポーション作りを教えてくれたおじさん達は感覚で出来ていました」

 僕は出来上がったポーションを瓶に詰めながら侍従のお姉さんとクリスちゃんと話をするけど、魔法も使わずにポーションを作るおじさん達は本当に凄いよね。
 シロちゃんも魔法の感覚でポーションの最適なタイミングを把握しているし、僕がおじさん達のレベルに達するにはまだまだ先なんだよね。
 こうして昼食までの間に、沢山のポーションを作る事ができました。
 元々ポーションを作る予定だったから、とっても助かりました。
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