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第三章 コバルトブルーレイク直轄領
第百四十四話 次期宰相候補?
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すると、中年男性が話し始めました。
「守備隊を呼ぼう。あと、例の薬屋からポーションを何本か購入する様に。私達は応接室に移動しよう」
「畏まりました。直ぐに手配いたします」
涙目だった侍従さんも、直ぐに動いてくれました。
この場はこの部屋にいる侍従さんにお任せして、僕達は応接室に移動しました。
「レオ君、クリスの治療をしてくれてありがとう。過去の事例があったとはいえ、的確な治療だったよ」
応接室についてちょっと一息着くと、中年男性が僕にお礼を言ってきました。
僕も、女の子を無事に助けられて良かったと思っているよ。
「自己紹介がまだだったな。私は、マリアージュ侯爵家当主のチャーリーだ。あの子は、フランソワーズ公爵家のクリスティーヌだ。実は私の娘がフランソワーズ公爵家に嫁いでいてな、その縁で今回クリスと一緒に別荘に来たのだよ」
おお、まさか目の前にいた中年男性がマリアージュ侯爵家の当主だったとは。
でも、ちょっと白髪交じりの茶髪を綺麗に揃えているし、本当に人の良い感じだね。
「改めまして、僕はレオです。僕の頭に乗っているのが、シロちゃんです。あと、貴族で何かがあったら、このコインを見せてって言われました」
「ふむ、このコインはアマード子爵家の物だね。王城で、アマード子爵から君の事を聞いていたよ。小さいのに凄腕の魔法使いと言っていたが、確かに噂に違いない凄腕の魔法使いだ」
チャーリーさんはしげしげとコインを見つめた後、僕にコインを返してくれました。
チャーリーさんは少し面白そうに王城での話をしてくれたけど、ウィリアムさんは王城でどんな話をしたのだろうか。
「しかし、ここにギルドマスターが居てくれて助かった。間違いなく、大きな話になりそうだ」
「ご配慮恐れ入ります。私にできるのであれば、遠慮なく申して下さい」
チャーリーさんの言葉に、ギルドマスターが恭しく挨拶をしているよ。
チャーリーさんって、実はとっても凄い人じゃ……
すると、おかしな顔をしている僕に、ギルドマスターがニコリとして話しかけてくれました。
「レオ君、マリアージュ卿は次期宰相の有力候補って言われているのよ」
「ええー! 大変失礼しました。チャーリー様?」
「ははは、さん付けで良いよ。君みたいな小さな子どもに、様を付けられるはちょっとね」
ほっ、チャーリーさんがとても良い人で良かったよ。
僕が胸を撫で下ろしていると、部屋に入ってくる人がいました。
コンコン。
「失礼します。守備隊長様がお見えになりました。また、ポーションの購入も完了しております」
「そうか、入ってくれ」
「失礼します」
おお、金髪の短髪をビシッと決めたイケメンが、二人の部下を連れて部屋の中に入ってきたよ。
この人が、コバルトブルーレイク直轄領の守備隊長さんなんだね。
「コバルトブルーレイク直轄領の守備隊長マックスで御座います」
「うむ、マリアージュ侯爵家のチャーリーだ。忙しい所悪いが、大至急の件が起きた。座ってくれ」
「失礼します」
マックスさんが席に座ると、僕達の目の前に新たに購入したポーションが並べられました。
僕はササッと鑑定をして、チャーリーさんに頷きました。
チャーリーさんも僕に頷いてから、マックスさんに話を始めました。
「要件は、街の薬屋で売られていたポーションに毒が混入していた事だ。ここに先程購入したポーションがあるが、この中にも毒が入っている」
「なっ、何という事か……」
「フランソワーズ公爵家のクリスティーヌが薬屋で購入したポーションを飲んだ所体調が急変してな、そこにおる黒髪の魔術師のレオ君がたまたま冒険者ギルドにいたお陰で何とかなった」
「この度は、街の者の作ったポーションでこの様な事が起きてしまい、大変申し訳ありません」
守備隊長さんがチャーリーさんに謝っているけど、守備隊長さんも寝耳に水だったよね。
あっ、ついでにあの事も話をしようっと。
「守備隊長さん。村で会った冒険者から聞いたんだけど、この街の薬屋さんの作ったポーションはとっても効き目が悪いって言っていたよ」
「レオ君、ありがとう。その話を聞く限り、以前からおかしかったみたいだね。一人急ぎで戻って、直ぐに捜査を始めてくれ」
「はっ、私が戻ります」
若者の守備隊員が、敬礼してから急いで部屋を出ていったよ。
確かに、とっても大事だもんね。
「間違いなく、今回の件はバックに誰かがついている。恐らく、貴族主義の誰かだろう」
「もしかして、お金儲けの為に劣悪なポーションを作ったのですか?」
「そうだ。奴らは、平民なんぞ何とも思っていない。たが、たまたまだがクリスの件があったのだ」
確かに、こんなにリスクのある事は普通はしないよね。
薬屋さんでお手伝いした事のある僕としては、今回の事は許せないよ。
「守備隊を呼ぼう。あと、例の薬屋からポーションを何本か購入する様に。私達は応接室に移動しよう」
「畏まりました。直ぐに手配いたします」
涙目だった侍従さんも、直ぐに動いてくれました。
この場はこの部屋にいる侍従さんにお任せして、僕達は応接室に移動しました。
「レオ君、クリスの治療をしてくれてありがとう。過去の事例があったとはいえ、的確な治療だったよ」
応接室についてちょっと一息着くと、中年男性が僕にお礼を言ってきました。
僕も、女の子を無事に助けられて良かったと思っているよ。
「自己紹介がまだだったな。私は、マリアージュ侯爵家当主のチャーリーだ。あの子は、フランソワーズ公爵家のクリスティーヌだ。実は私の娘がフランソワーズ公爵家に嫁いでいてな、その縁で今回クリスと一緒に別荘に来たのだよ」
おお、まさか目の前にいた中年男性がマリアージュ侯爵家の当主だったとは。
でも、ちょっと白髪交じりの茶髪を綺麗に揃えているし、本当に人の良い感じだね。
「改めまして、僕はレオです。僕の頭に乗っているのが、シロちゃんです。あと、貴族で何かがあったら、このコインを見せてって言われました」
「ふむ、このコインはアマード子爵家の物だね。王城で、アマード子爵から君の事を聞いていたよ。小さいのに凄腕の魔法使いと言っていたが、確かに噂に違いない凄腕の魔法使いだ」
チャーリーさんはしげしげとコインを見つめた後、僕にコインを返してくれました。
チャーリーさんは少し面白そうに王城での話をしてくれたけど、ウィリアムさんは王城でどんな話をしたのだろうか。
「しかし、ここにギルドマスターが居てくれて助かった。間違いなく、大きな話になりそうだ」
「ご配慮恐れ入ります。私にできるのであれば、遠慮なく申して下さい」
チャーリーさんの言葉に、ギルドマスターが恭しく挨拶をしているよ。
チャーリーさんって、実はとっても凄い人じゃ……
すると、おかしな顔をしている僕に、ギルドマスターがニコリとして話しかけてくれました。
「レオ君、マリアージュ卿は次期宰相の有力候補って言われているのよ」
「ええー! 大変失礼しました。チャーリー様?」
「ははは、さん付けで良いよ。君みたいな小さな子どもに、様を付けられるはちょっとね」
ほっ、チャーリーさんがとても良い人で良かったよ。
僕が胸を撫で下ろしていると、部屋に入ってくる人がいました。
コンコン。
「失礼します。守備隊長様がお見えになりました。また、ポーションの購入も完了しております」
「そうか、入ってくれ」
「失礼します」
おお、金髪の短髪をビシッと決めたイケメンが、二人の部下を連れて部屋の中に入ってきたよ。
この人が、コバルトブルーレイク直轄領の守備隊長さんなんだね。
「コバルトブルーレイク直轄領の守備隊長マックスで御座います」
「うむ、マリアージュ侯爵家のチャーリーだ。忙しい所悪いが、大至急の件が起きた。座ってくれ」
「失礼します」
マックスさんが席に座ると、僕達の目の前に新たに購入したポーションが並べられました。
僕はササッと鑑定をして、チャーリーさんに頷きました。
チャーリーさんも僕に頷いてから、マックスさんに話を始めました。
「要件は、街の薬屋で売られていたポーションに毒が混入していた事だ。ここに先程購入したポーションがあるが、この中にも毒が入っている」
「なっ、何という事か……」
「フランソワーズ公爵家のクリスティーヌが薬屋で購入したポーションを飲んだ所体調が急変してな、そこにおる黒髪の魔術師のレオ君がたまたま冒険者ギルドにいたお陰で何とかなった」
「この度は、街の者の作ったポーションでこの様な事が起きてしまい、大変申し訳ありません」
守備隊長さんがチャーリーさんに謝っているけど、守備隊長さんも寝耳に水だったよね。
あっ、ついでにあの事も話をしようっと。
「守備隊長さん。村で会った冒険者から聞いたんだけど、この街の薬屋さんの作ったポーションはとっても効き目が悪いって言っていたよ」
「レオ君、ありがとう。その話を聞く限り、以前からおかしかったみたいだね。一人急ぎで戻って、直ぐに捜査を始めてくれ」
「はっ、私が戻ります」
若者の守備隊員が、敬礼してから急いで部屋を出ていったよ。
確かに、とっても大事だもんね。
「間違いなく、今回の件はバックに誰かがついている。恐らく、貴族主義の誰かだろう」
「もしかして、お金儲けの為に劣悪なポーションを作ったのですか?」
「そうだ。奴らは、平民なんぞ何とも思っていない。たが、たまたまだがクリスの件があったのだ」
確かに、こんなにリスクのある事は普通はしないよね。
薬屋さんでお手伝いした事のある僕としては、今回の事は許せないよ。
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