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第十章 火山噴火
第二百十三話 被災者の移送
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「うわあ、これは凄いことになっている」
「これでは、ブレンド伯爵領は当分の間は人が住めぬのう」
大噴火から二週間が経過し、ようやく小康状態になったので、俺とビアンカ殿下はドラコの母親の背中に乗ってブレンドの街に向かっていた。
この二週間、俺達は王都とニール子爵領を行ったり来たりだった。
何せブレンド伯爵領からの避難民の数が多すぎて人手が足りず、うちのメンバーはフル稼働。
実習生もこき使ってしまい、大変申し訳無い。
勿論ニール子爵領や周辺の領地の被害もあり、そっちの復興もやらないといけない。
バルガス様が建築士だけでなく兵も派遣してくれたと聞いたときは、神が現れたかと思ったほどだ。
被害を受けた建物の解体も終わり、補修や建築が進んでいるタイミングで火山が小康状態になり、ドラコの母親に視察をお願いした訳だった。
「結論から言いますと、ブレンドの街には住めません。というか、ブレンドの街が消滅していました」
王城に向かい、関係者を集めての会議になった。
ニール子爵領からはニール子爵とエスメ、ブレンド伯爵領からはカロリーナが参加している。
皆、俺が街が消滅したと言ったことに絶句していた。
「溶岩流に飲み込まれていて、跡形もなく消えていました」
「そんな、ブレンドの街が……うぅ」
「カロリーナ……」
ある程度は覚悟をしていたとはいえ、生まれ育った街が消滅したショックにカロリーナは両手で顔を覆い号泣していた。
エスメでさえ、かける言葉がなかった。
ただ、背中をさすってあげるのみだった。
「問題はブレンドの街だけでなく、ブレンド伯爵領自体が大量の軽石と火山灰で覆われている事です」
「更に火山から火山ガスも出ているな。龍でさえキツイのに、人間が住める訳が無い。当面は火山活動は続くと思った方が良いだろう」
俺とドラコの母親の説明によって、ブレンド伯爵領は当分人が住める環境ではないと言うことがハッキリとした。
報告を受けて、陛下や閣僚の動きは早かった。
「直ぐに王都に被災者を移送する。幸い簡易住宅の建設が始まっているので、被災者に優先的に割り当てる」
「貴族主義の連中にも、今回の件を報告するように」
「当面は炊き出しは必要ですが、仕事はあります。生活環境は整えられるでしょう」
「生活に必要な物資を、各地から集めましょう。被災者は、着るものすら不便しています」
次々に対策が示されて、担当者が動き出した。
俺達も直ぐに動き出そう。
「カロリーナ。今は辛いかも知れないけれど、俺達が動かないと被災した人はもっと辛い目に合う」
「大丈夫。同級生の皆がいるから、きっと良い方向に進むよ」
「サトー様、エスメ。ありがとう。私も頑張る」
カロリーナは涙を拭いて立ち上がった。
今は辛いけど、俺達が頑張らないと。
ニール子爵領に戻った俺達は、被災者にブレンド伯爵領の状態を伝えた。
ある程度覚悟はしていたらしいが、それでもショックは大きかった。
そしてニール子爵領に残るか王都に向かうかの選択肢が、被災者に示された。
最終的にはニール子爵領で受け入れられる人数の問題もあり、三千人中五百人がニール子爵領に残る事になった。
残りの二千五百人が、王都に向かうことになる。
それぞれの名簿を、実習生が手分けして作成する。
中には孤児や寡婦になってしまった人もいるので、別枠で対応を協議する。
この振り分けで二日かかったが、その間に王都での受け入れ準備ができた。
準備の整った人から、俺とスラタロウとショコラが王都に移送する。
全員の移送が完了したのは、開始から三日後だった。
勿論ニール子爵領に残る人のサポートもあるが、家ができるまではテント暮らしで、その間は建築を手伝うという。
こうして被災者の生活環境がある程度安定したのは、実習生の実習が終わる一週間前だった。
「これでは、ブレンド伯爵領は当分の間は人が住めぬのう」
大噴火から二週間が経過し、ようやく小康状態になったので、俺とビアンカ殿下はドラコの母親の背中に乗ってブレンドの街に向かっていた。
この二週間、俺達は王都とニール子爵領を行ったり来たりだった。
何せブレンド伯爵領からの避難民の数が多すぎて人手が足りず、うちのメンバーはフル稼働。
実習生もこき使ってしまい、大変申し訳無い。
勿論ニール子爵領や周辺の領地の被害もあり、そっちの復興もやらないといけない。
バルガス様が建築士だけでなく兵も派遣してくれたと聞いたときは、神が現れたかと思ったほどだ。
被害を受けた建物の解体も終わり、補修や建築が進んでいるタイミングで火山が小康状態になり、ドラコの母親に視察をお願いした訳だった。
「結論から言いますと、ブレンドの街には住めません。というか、ブレンドの街が消滅していました」
王城に向かい、関係者を集めての会議になった。
ニール子爵領からはニール子爵とエスメ、ブレンド伯爵領からはカロリーナが参加している。
皆、俺が街が消滅したと言ったことに絶句していた。
「溶岩流に飲み込まれていて、跡形もなく消えていました」
「そんな、ブレンドの街が……うぅ」
「カロリーナ……」
ある程度は覚悟をしていたとはいえ、生まれ育った街が消滅したショックにカロリーナは両手で顔を覆い号泣していた。
エスメでさえ、かける言葉がなかった。
ただ、背中をさすってあげるのみだった。
「問題はブレンドの街だけでなく、ブレンド伯爵領自体が大量の軽石と火山灰で覆われている事です」
「更に火山から火山ガスも出ているな。龍でさえキツイのに、人間が住める訳が無い。当面は火山活動は続くと思った方が良いだろう」
俺とドラコの母親の説明によって、ブレンド伯爵領は当分人が住める環境ではないと言うことがハッキリとした。
報告を受けて、陛下や閣僚の動きは早かった。
「直ぐに王都に被災者を移送する。幸い簡易住宅の建設が始まっているので、被災者に優先的に割り当てる」
「貴族主義の連中にも、今回の件を報告するように」
「当面は炊き出しは必要ですが、仕事はあります。生活環境は整えられるでしょう」
「生活に必要な物資を、各地から集めましょう。被災者は、着るものすら不便しています」
次々に対策が示されて、担当者が動き出した。
俺達も直ぐに動き出そう。
「カロリーナ。今は辛いかも知れないけれど、俺達が動かないと被災した人はもっと辛い目に合う」
「大丈夫。同級生の皆がいるから、きっと良い方向に進むよ」
「サトー様、エスメ。ありがとう。私も頑張る」
カロリーナは涙を拭いて立ち上がった。
今は辛いけど、俺達が頑張らないと。
ニール子爵領に戻った俺達は、被災者にブレンド伯爵領の状態を伝えた。
ある程度覚悟はしていたらしいが、それでもショックは大きかった。
そしてニール子爵領に残るか王都に向かうかの選択肢が、被災者に示された。
最終的にはニール子爵領で受け入れられる人数の問題もあり、三千人中五百人がニール子爵領に残る事になった。
残りの二千五百人が、王都に向かうことになる。
それぞれの名簿を、実習生が手分けして作成する。
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準備の整った人から、俺とスラタロウとショコラが王都に移送する。
全員の移送が完了したのは、開始から三日後だった。
勿論ニール子爵領に残る人のサポートもあるが、家ができるまではテント暮らしで、その間は建築を手伝うという。
こうして被災者の生活環境がある程度安定したのは、実習生の実習が終わる一週間前だった。
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