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第九章 王都生活編
第百九十六話 防壁の工事現場
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「何故、女装しないといけないんですか?」
「しょうがないじゃろう。事前に教会から要請があったのだから」
昼食を取って建設現場に向かうのだが、何故か俺は女装姿で作業を行う事になった。
今日は炊き出しの手伝いだったはず。
なので女装する必要はないはずだけど。
「おお、聖女様が来られた」
「ありがたや」
建築現場に着くと、何故か働いている人から拝まれた。
先ずは炊き出しの手伝いをしよう。
炊き出しといっても、今日は教会から手伝いがきている。
孤児や寡婦の仕事の一つとして、教会から紹介された。
メニューはオニギリや野菜スープ。
オニギリは具も色々試していて、
地域特産の物も混ぜたりしている。
働いている人にもお腹に溜まると好評で、オニギリは王都に少しずつ広まっている。
「こんにちは。順調ですか?」
「聖女様。木型のおかげで作るの物も簡単です」
「これなら私達でもうまくオニギリができますわ」
炊き出しを手伝っている人に聞いたけど、オニギリを作るのもなれたようだ。
実はドワーフ自治領の米問屋に、オニギリを作るための木型が売っていた。
これをいくつか購入していたのだが、早速役に立った。
料理になれていない人も、簡単にオニギリを作ることができる。
オニギリを作るのに慣れてきた人は、とんでもないスピードで握っている。
実は、この炊き出しはオニギリを握る訓練も兼ねている。
「孤児や寡婦が新しい仕事を得ますので、とても助かっています」
これは枢機卿の話。
皆でオニギリ屋を始めようとなったのだが、余り稼ぐつもりはない。
更に販売ライセンスを取るのも面倒くさいので、色んな所に話をきいたら教会で寡婦向けの事業があるという。
販売場所もあるというので、教会でオニギリ屋をやることになった。
ご飯を炊いてにぎればいいので、難しい事は何にもない。
木型もあるので、小さい子どももお手伝いができる。
そしてオニギリ知名度アップに、俺が借り出された訳か。
「工事の進捗も順調で、今の所問題もありません」
「そうか。だが、無理は禁物じゃ。焦ってはならぬ」
「はい」
工事担当が、ビアンカ殿下に進捗を報告している。
途中雨の日もあったけど、予定以上に進捗はいい。
勿論うちの魔法使い部隊の活躍もあるが、草刈機魔道具やチェーンソー魔道具がどんどん改良されているのも大きい。
ゴレス領で沢山使い改良が加えられているので、当初のものよりも性能がアップしている。
おかげで、城壁と防壁の間も整地が進んでいる。
「あ、お姉ちゃんだ」
「本当だ!」
「今日は救護所は、ララとリリが担当か」
炊き出しの所に併設してある救護所には、交代でうちの人が待機している。
小さな怪我はポーションで治して、救護所ではポーションで治らない怪我をみている。
「いてて」
「すみません、怪我人です」
おっと、怪我人が運ばれてきた。
運び込まれたのは、手を骨折した獣人の男性。
どうも木で腕を挟んだという。
患部を綺麗にして、直ぐに治療する。
「おお、流石は聖女様」
「聖女様に治して貰えるなんて、俺はラッキーだな」
「いやいや、怪我をしないようにしてくださいね」
「おう!」
治療をした人は軽く手を上げると、直ぐに仕事に戻っていった。
因みにうちのメンバーは、屈強な獣人とかにも全く関係なく接するので工事の人にも人気だ。
子どもの時は、お菓子をくれたりする事もあるという。
「問題とか起きていないか?」
「大丈夫だよ!」
「リリ達で十分対応できるよ!」
子ども達の成長はありがたいものだ。
こういう現場を任せられるのは大きいな。
「サトー、来ていたの?」
「会議が終わったからね。教会のリクエストでこの格好だけど」
「だからか。巡回していても、聖女様が来たって盛り上がっていたよ」
王都の巡回を行っていたエステルが俺に話しかけてきた。
どうも今日の巡回は終わりの様だ。
「あ、お姉ちゃんになっている」
「色々あってこの姿なんだよ」
「ふーん。もうお姉ちゃんでも問題ないね」
「それは勘弁」
ミケもやってきたし、夕方になったので今日の作業は終わり。
片付けをして帰り道へ。
「皆さん、お帰りなさい。って聖女様?」
「あ、着替えるの忘れていた」
出迎えてくれたシラユキさんが、俺の女装姿と玄関ホールに飾ってある聖女の描かれた絵を交互に指さしていた。
あ、そうか。この姿は初めてシラユキさんに見せたか。
「あのシラユキさん。サトーです」
「は? え? サトーさん?」
「はい、そうです」
「え? え?」
なおもパニックを起こしているシラユキさん。
俺の女装姿だと全く気が付いていない様だ。
「サトー、ウィッグ取って指輪を外せば?」
「あ、そうか。よいしょ」
エステルに言われたので、ウイッグとボイスチェンジの指輪を外した。
これで俺だと分かったはず。
「え? あれ? 聖女様がサトーさんに」
「シラユキ。聖女様はサトーの女装した姿なんだよ」
「聖女様がサトーさん! きゅー」
「あー、シラユキさん大丈夫ですか?」
エステルが聖女が俺の女装姿だとばらしたら、シラユキさんは処理能力の限界を超えたのか倒れてしまった。
急いでシラユキさんを、使っているベットに運び込んだ。
うう、明日顔を合わせにくいよ。
「しょうがないじゃろう。事前に教会から要請があったのだから」
昼食を取って建設現場に向かうのだが、何故か俺は女装姿で作業を行う事になった。
今日は炊き出しの手伝いだったはず。
なので女装する必要はないはずだけど。
「おお、聖女様が来られた」
「ありがたや」
建築現場に着くと、何故か働いている人から拝まれた。
先ずは炊き出しの手伝いをしよう。
炊き出しといっても、今日は教会から手伝いがきている。
孤児や寡婦の仕事の一つとして、教会から紹介された。
メニューはオニギリや野菜スープ。
オニギリは具も色々試していて、
地域特産の物も混ぜたりしている。
働いている人にもお腹に溜まると好評で、オニギリは王都に少しずつ広まっている。
「こんにちは。順調ですか?」
「聖女様。木型のおかげで作るの物も簡単です」
「これなら私達でもうまくオニギリができますわ」
炊き出しを手伝っている人に聞いたけど、オニギリを作るのもなれたようだ。
実はドワーフ自治領の米問屋に、オニギリを作るための木型が売っていた。
これをいくつか購入していたのだが、早速役に立った。
料理になれていない人も、簡単にオニギリを作ることができる。
オニギリを作るのに慣れてきた人は、とんでもないスピードで握っている。
実は、この炊き出しはオニギリを握る訓練も兼ねている。
「孤児や寡婦が新しい仕事を得ますので、とても助かっています」
これは枢機卿の話。
皆でオニギリ屋を始めようとなったのだが、余り稼ぐつもりはない。
更に販売ライセンスを取るのも面倒くさいので、色んな所に話をきいたら教会で寡婦向けの事業があるという。
販売場所もあるというので、教会でオニギリ屋をやることになった。
ご飯を炊いてにぎればいいので、難しい事は何にもない。
木型もあるので、小さい子どももお手伝いができる。
そしてオニギリ知名度アップに、俺が借り出された訳か。
「工事の進捗も順調で、今の所問題もありません」
「そうか。だが、無理は禁物じゃ。焦ってはならぬ」
「はい」
工事担当が、ビアンカ殿下に進捗を報告している。
途中雨の日もあったけど、予定以上に進捗はいい。
勿論うちの魔法使い部隊の活躍もあるが、草刈機魔道具やチェーンソー魔道具がどんどん改良されているのも大きい。
ゴレス領で沢山使い改良が加えられているので、当初のものよりも性能がアップしている。
おかげで、城壁と防壁の間も整地が進んでいる。
「あ、お姉ちゃんだ」
「本当だ!」
「今日は救護所は、ララとリリが担当か」
炊き出しの所に併設してある救護所には、交代でうちの人が待機している。
小さな怪我はポーションで治して、救護所ではポーションで治らない怪我をみている。
「いてて」
「すみません、怪我人です」
おっと、怪我人が運ばれてきた。
運び込まれたのは、手を骨折した獣人の男性。
どうも木で腕を挟んだという。
患部を綺麗にして、直ぐに治療する。
「おお、流石は聖女様」
「聖女様に治して貰えるなんて、俺はラッキーだな」
「いやいや、怪我をしないようにしてくださいね」
「おう!」
治療をした人は軽く手を上げると、直ぐに仕事に戻っていった。
因みにうちのメンバーは、屈強な獣人とかにも全く関係なく接するので工事の人にも人気だ。
子どもの時は、お菓子をくれたりする事もあるという。
「問題とか起きていないか?」
「大丈夫だよ!」
「リリ達で十分対応できるよ!」
子ども達の成長はありがたいものだ。
こういう現場を任せられるのは大きいな。
「サトー、来ていたの?」
「会議が終わったからね。教会のリクエストでこの格好だけど」
「だからか。巡回していても、聖女様が来たって盛り上がっていたよ」
王都の巡回を行っていたエステルが俺に話しかけてきた。
どうも今日の巡回は終わりの様だ。
「あ、お姉ちゃんになっている」
「色々あってこの姿なんだよ」
「ふーん。もうお姉ちゃんでも問題ないね」
「それは勘弁」
ミケもやってきたし、夕方になったので今日の作業は終わり。
片付けをして帰り道へ。
「皆さん、お帰りなさい。って聖女様?」
「あ、着替えるの忘れていた」
出迎えてくれたシラユキさんが、俺の女装姿と玄関ホールに飾ってある聖女の描かれた絵を交互に指さしていた。
あ、そうか。この姿は初めてシラユキさんに見せたか。
「あのシラユキさん。サトーです」
「は? え? サトーさん?」
「はい、そうです」
「え? え?」
なおもパニックを起こしているシラユキさん。
俺の女装姿だと全く気が付いていない様だ。
「サトー、ウィッグ取って指輪を外せば?」
「あ、そうか。よいしょ」
エステルに言われたので、ウイッグとボイスチェンジの指輪を外した。
これで俺だと分かったはず。
「え? あれ? 聖女様がサトーさんに」
「シラユキ。聖女様はサトーの女装した姿なんだよ」
「聖女様がサトーさん! きゅー」
「あー、シラユキさん大丈夫ですか?」
エステルが聖女が俺の女装姿だとばらしたら、シラユキさんは処理能力の限界を超えたのか倒れてしまった。
急いでシラユキさんを、使っているベットに運び込んだ。
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