転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十一章 五歳の祝い

千四十五話 マロード男爵領の森に向かいます

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 準備ができたところで、さっそくマロード男爵領の冒険者ギルドに行くことになった。

「行ってくるね!」
「「「いってらっしゃーい!」」」

 僕が冒険者ギルドへゲートを繋ぎ、ちびっ子軍団の元気な声で見送られた。
 そして、無事に手続きを済ませてからまたまたゲートを森の前に繋いで現地に向かいます。

「凄い、あっという間に着いてしまった……」
「普通は、もっと時間がかかるはずだよなあ……」
「これが、アレク様の空間魔法の力なのか。超えることのできない壁とはこういうことだよなあ……」

 剣技特待生の三人が呆然と呟き、思わずサキさんがうんうんと激しく同意していた。
 あの、単純にゲートでショートカットしただけですよ。
 そんなに難しいことはしていないですよ。
 とりあえず、獲物の場所を探さないと。
 僕は、広範囲探索魔法を発動した。

 シュイン、もわーん。

「えーっと、鹿の群れが五百メートル先にいますね。あと、イノシシの群れは割と近くにいます。その他の群れは、ちょっと遠いところにいますね」
「じゃあ、先にイノシシから倒すか。群れなら、食料を求めて畑を荒らす可能性もあるな」
「「「……」」」

 僕がササッと目標の位置を言い当て、ジンさんも普通にこの後の作戦を決めていた。
 そんな僕たちの様子を見て、特待生の面々はもう黙り込むしかなかった。

「アレク君のことは、もう気にしちゃ駄目よ」
「そうそう、探索魔法も私よりも広範囲に調べられるし」

 レイナさんとカミラさんが、特待生の肩をぽんぽんと軽く叩きながら何気に酷いことを言っていた。
 ちなみに、リズたちは僕のことに慣れているので何かおかしいものがあったのかなという表情をしていた。
 何はともあれ、さっそく害獣駆除の開始です。
 最初に、イノシシの反応のあるところに向かいます。

 ガサゴソ、ガサゴソ。

「「「ブヒッ」」」

 程なくして、イノシシが夢中で木の実を食べているところに遭遇した。
 もちろん臭いで気づかれないように、風下に回り込んでいます。
 十頭の群れだけど、体型は標準サイズですね。
 さて、どうやって気づかれずに倒そうかなと思ったら、スラちゃんが張り切って触手をふりふりとしていた。
 そして、イノシシにある魔法を放った。

 シュイン、もわーん。

「「「ブッ、ブヒ……」」」

 バタン。

「そっか、眠っちゃえば直ぐに倒せるね!」

 リズはスラちゃんが何をしたのか直ぐに気がついたけど、スラちゃんは闇魔法の一種の睡眠魔法を使ったみたいです。
 これなら、たとえ凶暴なイノシシだとしても簡単にトドメをさせます。

「これは覚えておいた方がいいわね。華麗な剣術も必要かもしれないけど、如何に相手に確実にトドメを刺しつつ自分も生き延びる方法を考えるのはとても大切なことよ。特に、魔物相手では何が起こるか分からないから、安全で確実な方法を取るのが一番ね」
「「「はっ、はい!」」」

 レイナさんが特待生の面々に色々と教えていたけど、冒険者と言えども確実に獲物を倒して尚且つ生き延びないと駄目です。
 それは、どんな仕事にも通じます。
 華麗な技で魔物を倒すのも一つの醍醐味だけど、僕は確実な方法を選ぶだろうね。
 そして、トドメの刺し方と血抜き方法を勉強しつつ、今度は鹿の群れを倒しにいきます。

「風下にいるからなのかもしれないけど、鹿の群れが僕たちのところに近づいていますね」
「じゃあ、今のうちに魔力を溜めておいて遭遇したら速攻で退治だな」

 ジンさんとも話をしたけど、今度は僕とプリンが魔力を溜めておきます。
 すると、程なくして鹿の群れと遭遇しました。
 割と大きな群れで、二十頭を超えています。
 ではでは、さっそく僕とプリンの魔法を放ちましょう。

 シュイン、バシッ!

「「「ピィ!」」」

 僕とプリンは、複数の拘束魔法を発動させて鹿の動きを完全に制限した。
 これで、後は確実にトドメを刺すだけですね。

「これも覚えていた方が良いわ。魔法使いは総じて派手な魔法を使いがちだけど、それでは素材が駄目になってしまうことが多いわ。もちろん、取引金額も下がるでしょう。精密な魔力制御を覚えてこそ、本物の魔法使いよ。身体能力強化も同じね」
「「「はい!」」」

 今度はカミラさんが特待生組に色々と教えていたけど、派手な魔法が必要なのって余程の強敵が現れた時くらいだもんね。
 安全に確実にというのが僕の基本スタイルだし、それはジンさんたちも同じです。
 特待生組も、かなり勉強になったみたいですね。
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