転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第二十九章 新しい町を作ろう!

九百七十三話 カノープス男爵領に到着

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 そして、遂に例の男爵領であるカノープス男爵領に向かう日が来ました。
 僕とジンさんにカーセント公爵、そして念の為にとサギー伯爵もついてくることになりました。
 ケイマン男爵領に一度ゲートで向かってから、軍勢とともにカノープス男爵領に向かいます。
 僕たちと同行する財務調査官の護衛も兼ねるので、軍も百人以上の大所帯となりました。
 更に、スラちゃんとプリンもやる気満々でついてきています。
 元々の戦力も高いから、ゴブリンが千匹いても楽勝ですね。

「この中で一番弱いのが僕なので、皆さんにご迷惑をおかけしちゃいます」
「そこは気にしなくていい。我々はやるべきことをやればいいだけだ」

 サギー伯爵は馬車の窓から見える軍勢に少し苦笑していたけど、僕としては胸を張って答えるカーセント公爵が一番強いと思っています。
 ちなみに、先々代夫人も孫の良い経験になると今回のカノープス男爵領行きを勧めてくれた。
 スラちゃんが一緒にいるから、何があっても大丈夫ですね。
 こうして、二時間もかからずにカノープス男爵領に到着しました。

「うん、なんというか、町よりというか村だね」
「少し人口の多い村程度だな。その中にある領主邸も、なんというか古臭い建物だ」

 ポツリとこぼした僕の感想に、ジンさんが苦笑しながら付け加えてくれた。
 間違いなく辺境伯領で作っている町の方が大きいし、立ち並んでいる建物も少し、いやだいぶ古臭い。
 村も活気がなく、周辺の畑も小さいのでこれでは財政も大変だろう。
 村人の視線を集めながら僕たちは道を進んでいき、カノープス男爵家の屋敷前に到着した。

「「あっ、あわわ……」」

 門番の兵も、村人か何かかな?
 突然現れた大軍に、目を見開いて口をパクパクとさせていた。
 驚かせてすみません。

「えーっと、僕は……」
「王国副宰相のカーセント公爵である。通告通りに財務監査に来た。ここを通すように」
「はっ、はぃぃぃー!」

 門兵の一人が急いで屋敷に入っていき、門が空いたので僕たちも屋敷の中に入っていった。
 村人が屋敷で働いているのか、服もバラバラだった。
 うーん、お隣の同じ男爵領で本当にるケイマン男爵領は専用の使用人がいるし、兵もきちんとしている。
 これって、結構良くないんじゃないかなって思ってしまった。
 応接室に来てくれと案内されたので、僕たちも屋敷の中に入った。

「なんというか、調度品は古いが普通だな」
「僕もそう思います。逆にキラキラしていないので、妙にこの屋敷にマッチしているというか……」

 今度は、ジンさんの呟きにサギー伯爵が苦笑しながら答えていた。
 確かに、この感じを見れば屋敷といえば屋敷だし、掃除もキチンとされている。
 最低限のことはやっているのだろう。
 あとは、当主であるカノープス男爵から話を聞くだけです。
 でも、応接室に入って三十分待っても来る気配がありません。
 これはどういうことかって思いながら、更に十分経過した時でした。

「はあはあ、み、皆さまお待たせして申し訳ありません」
「あうー」

 若い女性が、赤ちゃんを抱っこしながら応接室に入ってきました。
 茶髪のセミロングだけど、普通の人って感じです。
 この人が、カノープス男爵なのかな。
 すると、カーセント公爵が口を開いた。

「カノープス男爵夫人と嫡男だな、副宰相カーセント公爵だ。カノープス男爵はどこにいる?」
「そ、その、屋敷にはおりませんでして……」

 カノープス男爵夫人は、かなり困惑した表情でカーセント公爵に返事をした。
 これって、結構な大問題発生かな。
 でも、カーセント公爵は至って冷静でした。
 どうも、この場にカノープス男爵がいない理由を知っているみたいです。
 直ぐに、兵に命令を下しました。

「カノープス男爵の愛人のところにいって、二人を連れてこい!」
「「「はっ!」」」

 応接室に控えていた兵が外に出ると、カノープス男爵夫人は顔が真っ青になってガクガクと震え始めた。
 というか、ここにいない理由が酷すぎてため息しか出てこない。
 もしかしたら、カノープス男爵からどうにかしろと言われていたのかもしれない。

「も、申し訳ありません。わ、私に罰……」
「勘違いするな。罰を受けるのはカノープス男爵本人だ。何せ、今日の財務監査には、当主本人が立ち会わないとならない。それに、軍を使って色々と調べさせてもらった。そなたが言いにくいこともな」

 頭を下げるカノープス男爵夫人に、カーセント公爵は問題ないと言い切った。
 どういうことがあったかは、この後教えてもらうことにしよう。
 そして、スラちゃんがカノープス男爵夫人と赤ちゃんの近くにいって治療していた。
 落ち着かせる意味もあるのだろうけど、ひょっとして……
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