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第二十七章 ちびっ子たちの冒険者デビュー
八百五十二話 和やかな職場ですよ
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ということで、改めて席について説明をして貰うことに。
リズたちやちびっ子軍団も、応接セットに座っています。
そんな中、イケメン男性が立ち上がりました。
「バイツ子爵家三男のナッシュと申します。皆さま、どうぞ宜しくお願いします」
パチパチパチ。
僕たちだけでなく、宰相もシーラさんも、もちろん職員の女性もみんなで拍手をしました。
一方で、ローリーさんはまだ顔が赤いですね。
でも、さっきのラブラブぶりはとってもかっこよかったです。
「私は貴族といえども三男なので、爵位継承も特に関係ありません。なので、これからは私の実力で頑張ってまいります」
「とても良い心がけだ。人格的にも、中々のものといえよう」
「ええ、素晴らしいわね。アレク君だけでなく、ルーカスの補助も任せられそうだわ」
ナッシュさんの決意に、宰相とティナおばあさまも満面の笑みです。
既にジンさんだけでなくルカちゃんとエドちゃんがナッシュさんを凄いと言っているのだから、ジンさんチェックも問題なさそうです。
「じゃあ、お前らは勉強に戻るぞ。勉強が終わったら昼寝な」
「「「はーい」」」
そして用事が済んだので、ちびっ子軍団はジンさんの先導でいつもの勉強部屋に向かいました。
エリちゃんはもうお眠みたいなので、ジンさんに抱っこされていますね。
リズたちは、そのまま宰相執務室に残ります。
「ナッシュさんの予定はどうなっていますか?」
「本日は、終業時まで配属される職場の見学となっております」
という事は、夕方までナッシュさんは宰相執務室にいる事になるんですね。
いつの間にかローリーさんの隣にナッシュさんの席が置かれているけど、ローリーさんは僕の秘書だし何も問題はありません。
すると、宰相が変な事を言ってきました。
「ナッシュよ、半日いればこの執務室の主が誰だか分かるぞ」
「はっ、はあ……」
ナッシュさんは何が何だか分からなそうだけど、宰相はきっと僕とシーラさんがこの宰相執務室の主だと言いたいんでしょう。
他の職員も、宰相の話を聞いて思わずくすくすしています。
そして、いきなりこの部屋の主が動きました。
「ほらほら、余計な事を言っていないで会議に行ってきな」
「はいはい、分かりましたよ」
シーラさんが宰相を会議に行くように促していたけど、どう見たってシーラさんの方が宰相みたいですね。
宰相も、苦笑しながら資料を持って会議室に向かいました。
「シーラさんは、宰相と学園の時の同級生なのよ。なので、宰相も頭が上がらないの」
「あいつには助けて貰っているけど、その分こっちもあいつを助けているからね」
ローリーさんの説明にシーラさんが補足しているけど、要は良いパートナーって理解して貰ったみたいです。
その間にローリーさんがナッシュさんに業務説明をしていて、他の職員も一緒に説明していました。
僕は、書類整理を進めてどんどんと宰相の机の上に置いていきます。
「この部屋の主その二が、アレク君ね。事務能力がかなり高いから、宰相もサボる暇がないよ」
「確かに、アレク様を見ていてとても手際が良いと思いました。最初はまだ入園前の子どもなのに副宰相って思いましたが、この処理スピードを見れば納得します」
シーラさんが少し笑いながら何かを言っていますが、ナッシュさんも僕の仕事を見て納得してくれたみたいです。
確かに、子どもなのに副宰相って誰しもが思う事だもんね。
よしっと、これでひとまず急ぎの書類は終わりです。
ドン!
「おっ、アレク君も終わったね。じゃあ、休憩にしようか」
「ふふ、良いお菓子が入ったのよ。楽しみましょうね」
「「「「わーい」」」」
シーラさんがみんなに声をかけると、リズたちと一緒に特別調査チームのお仕事をしていたティナおばあさまが、マジックバッグから美味しそうなお菓子を取り出しました。
リズたちも喜んでいて、ローリーさんとナッシュさんを連れてきました。
「あ、あの、こんな高級なお菓子を頂いて良いのですか?」
「良いのよ、どうせ貰い物だし。休む時はしっかりと休んで、次に動くための活力にしましょう」
流石はティナおばあさまです。
豪華なお菓子を前に少し戸惑ったナッシュさんを、上手く納得させました。
ジンさんも、休む時は休むのが冒険者の仕事って言うもんね。
こうして、みんなで美味しいお菓子を食べました。
ガチャ。
「ふう、戻った……」
そして、お菓子があと一個残ったタイミングで、宰相が会議から帰ってきました。
もちろん、視線は残ったお菓子をロックオンしています。
「ほらほら、そんな視線をするんじゃないの。紅茶を淹れるから、少し休みな」
「ホッ……」
流石にシーラさんも、最後の一個を食べる様な真似はしません。
宰相も会議で疲れていますからね。
こうして、ナッシュさんの職場見学は無事に終わりました。
一週間研修をして、それから改めて部署に配属されるそうです。
でも、ナッシュさんなら安心ですね。
リズたちやちびっ子軍団も、応接セットに座っています。
そんな中、イケメン男性が立ち上がりました。
「バイツ子爵家三男のナッシュと申します。皆さま、どうぞ宜しくお願いします」
パチパチパチ。
僕たちだけでなく、宰相もシーラさんも、もちろん職員の女性もみんなで拍手をしました。
一方で、ローリーさんはまだ顔が赤いですね。
でも、さっきのラブラブぶりはとってもかっこよかったです。
「私は貴族といえども三男なので、爵位継承も特に関係ありません。なので、これからは私の実力で頑張ってまいります」
「とても良い心がけだ。人格的にも、中々のものといえよう」
「ええ、素晴らしいわね。アレク君だけでなく、ルーカスの補助も任せられそうだわ」
ナッシュさんの決意に、宰相とティナおばあさまも満面の笑みです。
既にジンさんだけでなくルカちゃんとエドちゃんがナッシュさんを凄いと言っているのだから、ジンさんチェックも問題なさそうです。
「じゃあ、お前らは勉強に戻るぞ。勉強が終わったら昼寝な」
「「「はーい」」」
そして用事が済んだので、ちびっ子軍団はジンさんの先導でいつもの勉強部屋に向かいました。
エリちゃんはもうお眠みたいなので、ジンさんに抱っこされていますね。
リズたちは、そのまま宰相執務室に残ります。
「ナッシュさんの予定はどうなっていますか?」
「本日は、終業時まで配属される職場の見学となっております」
という事は、夕方までナッシュさんは宰相執務室にいる事になるんですね。
いつの間にかローリーさんの隣にナッシュさんの席が置かれているけど、ローリーさんは僕の秘書だし何も問題はありません。
すると、宰相が変な事を言ってきました。
「ナッシュよ、半日いればこの執務室の主が誰だか分かるぞ」
「はっ、はあ……」
ナッシュさんは何が何だか分からなそうだけど、宰相はきっと僕とシーラさんがこの宰相執務室の主だと言いたいんでしょう。
他の職員も、宰相の話を聞いて思わずくすくすしています。
そして、いきなりこの部屋の主が動きました。
「ほらほら、余計な事を言っていないで会議に行ってきな」
「はいはい、分かりましたよ」
シーラさんが宰相を会議に行くように促していたけど、どう見たってシーラさんの方が宰相みたいですね。
宰相も、苦笑しながら資料を持って会議室に向かいました。
「シーラさんは、宰相と学園の時の同級生なのよ。なので、宰相も頭が上がらないの」
「あいつには助けて貰っているけど、その分こっちもあいつを助けているからね」
ローリーさんの説明にシーラさんが補足しているけど、要は良いパートナーって理解して貰ったみたいです。
その間にローリーさんがナッシュさんに業務説明をしていて、他の職員も一緒に説明していました。
僕は、書類整理を進めてどんどんと宰相の机の上に置いていきます。
「この部屋の主その二が、アレク君ね。事務能力がかなり高いから、宰相もサボる暇がないよ」
「確かに、アレク様を見ていてとても手際が良いと思いました。最初はまだ入園前の子どもなのに副宰相って思いましたが、この処理スピードを見れば納得します」
シーラさんが少し笑いながら何かを言っていますが、ナッシュさんも僕の仕事を見て納得してくれたみたいです。
確かに、子どもなのに副宰相って誰しもが思う事だもんね。
よしっと、これでひとまず急ぎの書類は終わりです。
ドン!
「おっ、アレク君も終わったね。じゃあ、休憩にしようか」
「ふふ、良いお菓子が入ったのよ。楽しみましょうね」
「「「「わーい」」」」
シーラさんがみんなに声をかけると、リズたちと一緒に特別調査チームのお仕事をしていたティナおばあさまが、マジックバッグから美味しそうなお菓子を取り出しました。
リズたちも喜んでいて、ローリーさんとナッシュさんを連れてきました。
「あ、あの、こんな高級なお菓子を頂いて良いのですか?」
「良いのよ、どうせ貰い物だし。休む時はしっかりと休んで、次に動くための活力にしましょう」
流石はティナおばあさまです。
豪華なお菓子を前に少し戸惑ったナッシュさんを、上手く納得させました。
ジンさんも、休む時は休むのが冒険者の仕事って言うもんね。
こうして、みんなで美味しいお菓子を食べました。
ガチャ。
「ふう、戻った……」
そして、お菓子があと一個残ったタイミングで、宰相が会議から帰ってきました。
もちろん、視線は残ったお菓子をロックオンしています。
「ほらほら、そんな視線をするんじゃないの。紅茶を淹れるから、少し休みな」
「ホッ……」
流石にシーラさんも、最後の一個を食べる様な真似はしません。
宰相も会議で疲れていますからね。
こうして、ナッシュさんの職場見学は無事に終わりました。
一週間研修をして、それから改めて部署に配属されるそうです。
でも、ナッシュさんなら安心ですね。
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