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第二十七章 ちびっ子たちの冒険者デビュー

八百二十七話 みんな薬草採取が待ちきれない

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 そして、みんなが楽しみにしている薬草採取の日になりました。
 ミカエルとブリットもいつもより早起きして、一人で冒険者服に着替えていました。
 やる気満々のミカエルとブリットに苦笑しつつ、僕も冒険者服に着替えます。
 そして朝食を食べようと食堂に行ったら、メイちゃんとリラちゃんも着替え済みでスラちゃんがリズと一緒に長距離転移で王城にいるメンバーを迎えに行きました。

 ドタバタドタバタ。

「「「いくよー!」」」
「まてこら! 勝手に走っていくな!」
「アレク君はまだ食事中よ」
「ステラちゃんとオリバーちゃんも、走らないのよ」

 食堂で朝食を食べていたら、今度はジンさんのところのレイカちゃん達が準備万端で食堂に駆け込んできた。
 更に辺境伯家の双子ちゃんも食堂に雪崩れ込んできて、保護者はもう大変です。
 そして、スラちゃんとリズが王城組も長距離転移で連れて来たので、食堂はもうお祭り状態です。
 因みに、王城組はルカちゃんエドちゃんはもちろんとして、エレノアとルーシーお姉様もついてきました。
 ルーカスお兄様とアイビー様は用事があって、ティナおばあさま達大人組は静養するそうです。
 何はともあれ、みんなで冒険者ギルドに出発です。
 庭に出ると、ポニさん達もまだかって待っていました。

「あらあ、今日はみんなでお出かけなのかい?」
「「「そうだよ!」」」
「良いわね、みんなで一緒にいてね」

 商店街のおばちゃんにも、大勢で歩くちびっ子軍団に声をかけていました。
 元気いっぱいに返事を返すちびっ子軍団に、みんな目を細めています。
 そして、何事もなく冒険者ギルドに到着。
 みんなで受付を済ませて、いざ森に出発です。

「いやあ、みんな仲良く手を繋いでいて、見ているだけで癒されるわね」
「本当だよね。元気いっぱいで楽しそうね」
「それだけ薬草採取を楽しみにしていたのね」

 安息日なのでおばちゃんは家族サービスをするらしいけど、その代わりに冒険者のお姉さんたちが付き添ってくれます。
 冒険者のお姉さん達とは久々に会ったけど、もうCランクに上がっているそうです。
 リズが負けないと闘志を燃やしていたっけ。
 何はともあれ、無事に森に到着。
 すると、目の前に大きな影が待っていました。

「「「クマちゃん!」」」
「ガウッ!」

 いつものクマが、森の入り口で待っていました。
 直ぐにちびっ子軍団が駆け寄って行きました。
 クマもサギー男爵領にいた時に、今日薬草採取をするって聞いていたから準備万端みたいです。
 因みに、無謀にもクマに立ち向かったウルフがいたみたいで、街道の端で死体になって転がっていた。
 うん、自ら死に行ったものだろう。
 周囲を探索しても特に異常はなさそうだし、安全ですね。
 因みに、クマの人気にポニさん達は少しすねていた。

 パカパカパカ。

「おお、またあのクマがいるのか。ははは、今日は大勢だな」
「「「ばいばいーい!」」」
「ガウッ」
「「「ヒヒーン」」」

 街道を通過する馬車にみんなで手を振るけど、どうもこのクマは馬車の御者にも有名になっているみたいです。
 辺境伯領の守備隊にもクマは知られているし、そもそもとても強いから相手にするのは無理だという。
 でも、たまに訓練の相手をして貰っているみたいです。
 では、周囲の安全も確認できたのでさっそく薬草採取を始めましょう。

「いっぱいとるぞー!」
「「「おー!」」」

 ちびっ子軍団は、ミカエルの掛け声に答えてそれぞれの場所に散っていきました。
 僕も周囲の警戒をしつつ、薬草を採りましょう。
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