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第二十六章 ミカエルの五歳の祝い

七百八十二話 五歳の祝いのパーティー会場に到着です

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 そして、王都での五歳の祝いの当日になりました。
 ミカエルとブリットは、辺境伯様とイザベラ様と一緒に早めに王城に向かいます。

「今日のミカエルとブリットは、何だかやる気満々だな」
「うん! いっぱいお友達を作るの!」
「ブリットも! 一生懸命に作ったプリンを、みんなで食べるんだよ」
「ははは、それは良い事だ。美味しい物をみんなで分かち合うのが、仲良くなる秘訣だ」

 既に着替えも済ましてやる気満々のミカエルとブリットは、陛下にもご機嫌な表情で答えていました。
 ミカエルとブリットも一緒に作ったプリンで、他の子ども達と仲良くなりたいそうです。
 因みに、既に作ったプリンは必要な分を王城の料理人に渡してあります。
 なので、後は細かい飾り付けを待つばかりです。

「さて、パーティー会場に向かうとするか。どんな感じになっているか楽しみだな」
「そうですわね。まだあの三家は来ていないだろうし、ゆっくりできますわね」
「もう宰相の孫も来ているようですし、先に挨拶を済ませましょう」

 王族も着替えを済ませて準備万端なので、みんなでパーティー会場に向かいます。
 パーティー会場には既に数家の貴族家が来ていて、僕たちが顔を見せると臣下の礼をしました。

「まだ時間前なのだから、皆は楽にしておれ。今日は子どもが主役なのでな」

 陛下も時間前なので、特に集まっている貴族に楽にするように伝えて王家専用の席に向かいました。
 既にお付きの人の手に僕たちの作ったプリンがあるのは、きっと気のせいではないと思います。
 そんな陛下を尻目に、僕たちは宰相のところに向かいます。
 ジンさんの結婚式とかで何回か会った事のある嫡男さんと、今回主役の孫がミカエルとブリットとお話をしていました。

「初めまして、ミカエルです」
「ブリットです。あなたのお名前は?」
「えっと、え、エバンスです……」

 宰相の孫のエバンスくんはレイナさんに似ている赤髪なんだけど、緊張しちゃってもじもじとしていますね。
 それでも、ミカエルとブリットはエバンスくんに元気よく話しかけていました。

「甥っ子はちょっと人見知りなんですよね。ミカエルちゃんとブリットちゃんが引っ張ってくれるのがちょうど良いかもしれませんね」
「レイカちゃんも、どちらかというと活発な方よね。その点は母親に似ているわね」
「周りに沢山の子どもがいるのが、良い影響を与えているのかもしれませんわ」

 嫡男さんのお嫁さんとレイナさんが話をしているけど、確かにエバンスくんとレイカちゃんだとだいぶ性格が違うよね。
 レイカちゃんは元気はつらつで、ミカエルの性格にだいぶ似ている気がする。

「私としては、元気に孫が成長してくれればいう事はない。こうして、友達と仲良く話をするのもとても良いことだ」

 宰相はというと、孫のエバンスくんが元気に成長しているだけで感無量みたいですね。
 再来年のレイカちゃんの時にも、宰相は孫の成長に目を細めるでしょう。

「ねーねー、僕はミカエルだよ。名前はなあに?」
「私はブリットよ。お友達になってね」
「えーっと……」

 そして、ミカエルとブリットはいつの間にか同じ五歳の子どものところに突撃していっています。
 エバンスくんはミカエルとブリットにガッチリと手を繋がれちゃっているので、逃げ出すのは不可能ですね。
 そんなミカエルとブリットとエバンスくんの後を、イザベラ様がニコニとしながらついていっています。
 ミカエルとブリットは人見知りしないから、どんどんと話しかけていっていますね。

「初めて会う子どもも多いから、五歳の祝いでは子どもも様子見をする事が多い。その点ミカエルとブリットはパーティーにも慣れているし、人見知りしないから良い効果を生んでいるな。ぱくっ」
「僕の時も、スラちゃんとプリンを通じて他の人と話しました。ミカエルとブリットは、良い人であればどんどんと話しかけて行きますね」
「貴族の子どもは、少し控えめな子が多いからな。逆に元気を通り越して自信満々な子は、ちょっと要注意だがな。ぱくっ」

 そろそろ司会の準備をしないといけないので、僕は陛下の側にやってきました。
 既に四つめのプリンを食べながら、陛下も子ども同士が仲良くなっているのを見て目を細めていました。
 でも、陛下もそろそろプリンを食べるのをやめて頂けると助かります。
 僕は、たまにくる料理人に追加のプリンをアイテムボックスから取り出して渡していました。
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