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第二十六章 ミカエルの五歳の祝い

七百七十六話 教会の準備も完了です

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 教会に近づくに連れて、オシャレをしてニコニコ顔の子どもとこれまたニコニコ顔の親が増えて来ました。
 既にミカエルとブリットと顔見知りの親が僕達に軽く手をふってきて、ミカエルとブリットは元気よく手を振り返していました。
 子どもの中には僕達と一緒に薬草採取をしていて、ミカエルとブリットと顔見知りの子もいます。
 ミカエルとブリットは、顔見知りになった子と並んで仲良く話をしていました。

「僕たちの時は、同じ年の子どもが誰だって表情で見ていましたよ」
「スラちゃんとプリンちゃんのお陰で、いろんな人とお話したよね」

 僕とリズは、自分たちの五歳の祝いの事を思い出していた。
 大人の方が顔見知りが多かったから、逆に同年代の子どもと関わりが薄かったもんなあ。
 そんな事を思いながら、教会に到着です。

「ほら、こっちの椅子はここだよ」
「子どもを待たせないうちにやっちまうぞ」

 教会内では、恒例の親たちによる会場設置が始まっていました。
 どちらかというと、父親よりも母親の方が張り切っているのは気のせいじゃないかなと思います。
 そんな教会の祭壇付近では、子どもが集まってワイワイと楽しそうに話をしています。
 そんな子どもの一団へ、ミカエルとブリットに保護者役のスラちゃんが向かって行きました。

「じゃあ、僕達は教会内の装飾のお手伝いをしよう」
「「「「やるぞー!」」」」

 リズ達も、気合十分で他の子の親と一緒に最後の装飾を開始します。
 大体の装飾は済んでいるけど、こうして最後の装飾だけは必ず親の手で行なわないとならない。
 それが、辺境伯領での五歳の祝いのルールです。
 僕達の時も、ティナおばあさまが近衛騎士と一緒に最後の準備をしていたっけ。
 今日のティナおばあさまは、司祭様と話をしながら祭壇の準備をしていました。

「わあ、ミカエルちゃんとブリットちゃん、とっても綺麗なお洋服ね」
「うん! おばあちゃんが選んでくれたの」
「ブリットも、おばあちゃんが選んでくれたんだよ。みんなもとっても綺麗だよ」

 子ども達は、お互い綺麗に着飾っている服を見せあっていました。
 ミカエルの頭の上に乗っているスラちゃんも、子ども達に拍手を送っています。
 そして、ミカエルは積極的に他の子とも話しています。
 そうこうしている内に、教会内の準備が完了しました。

「それでは、そろそろ式が始まるから席に座ってね」
「「「はーい」」」

 シスターさんがワイワイとしている子ども達に話しかけると、子ども達は元気よく返事をして席に座っていきます。
 子どもたちの移動に合わせて、僕達も保護者席に座っていきました。
 スラちゃんは、ミカエルに抱えられながら一緒に席に座っていきます。
 こうして保護者席からミカエルを見ていると、僕たちが五歳の祝いの際のティナおばあさまの気持ちが何となくわかるなあ。
 今のミカエルはとっても元気だけど、僕達が赤ちゃんだったミカエルを保護した時は病気の為に成長が遅かったもんね。
 ミカエルの保護者役としてずっと成長を見守ってきたけど、僕もとっても感慨深いです。
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