612 / 869
第二十五章 新たな脅威?
七百三十八話 ツンツン頭の屋敷を捜索
しおりを挟む
パカパカパカ。
パカパカパカ。
軍の騎馬隊に馬車が、ツンツン頭の屋敷の前に大量に到着。
門兵も屋敷の者も、突然現れた軍に完全にワタワタしているぞ。
ガチャ。
「じゃあ、速やかに終わらせますか」
「そうですね。スラちゃん達は、門兵に捜索令状を見せたら屋敷に入っちゃってね」
僕とルーカスお兄様は、お互いに見合って頷きました。
僕も、早く終わらせて貴重な休日を堪能したいもんね。
みんな馬車から降りた所で、未だにワタワタしている門兵の所に向かいます。
そして、軍務卿が一枚の紙を門兵に突きつけました。
「軍務卿ケーヒル伯爵だ。闇組織処罰法違反で、これよりバレン子爵家へ家宅捜索を行う。速やかに開門せよ」
「「はっ、はぃぃ!」」
シュッ。
軍務卿の迫力に圧されて、門兵はあっさりと門を開けます。
大勢の兵が屋敷になだれ込むのと同時に、いわゆるスラちゃん部隊が屋敷の中に潜入しました。
これで捕縛した闇組織の構成員の部屋にスラちゃん達が向かったから、目的の九割は達成した事になりますね。
僕たちも、兵に続いて屋敷の中に入ります。
「なっ、何だ貴様らは! ここを、誰の屋敷だと思っているのか?」
「帰れ! 国家権力の犬よ帰れ!」
屋敷に入ると、激怒しているツンツン頭と全くそっくりの子どもが僕たちに悪態をついていました。
うん、あの子どもが僕と同い年の子だね。
今の内に接触していて良かった、どうやっても友達になれそうにもないぞ。
それはリズ達も同じだったみたいで、完全に嫌っているみたいだ。
そして、そんな悪態が止まらない二人に向けて、ルーカスお兄様が冷たい眼差しのまま話し始めた。
「では、二人とも闇組織との繋がりを認めるのか? この屋敷にいた者が、闇組織のアジトで拘束された。その者は、どうも二人に色々と話をしていた様だな」
「はっ、闇組織? あいつが?」
「えっ、えっ?」
やっぱりというか、二人は自分達に接触していた者が闇組織の構成員だと思わなかったみたいだ。
流石に二人とも闇組織の名前が出てきて、訳が分からない表情をしているぞ。
「家族を全員応接室に入れて、捜索が終わるまで監視をするように。家人も一箇所に集めて、家族と家人への聴取も行うように」
「「「はっ」」」
「がっ、くそ!」
「何をする!」
ルーカスお兄様の指示で、二人は兵によって応接室に連れて行かれました。
他の人も、空いている部屋に集められて聴取を受けます。
その間に、僕たちは手分けして主要な部屋の捜索に当たります。
「あっ、お金の入った袋を発見したよ」
「こちらは手紙です。脱税っぽいです」
「これは闇組織の指示書です。馬鹿をもっと煽れって書いてあります」
「薬もあった。興奮剤っぽい」
捕まった闇組織の構成員の部屋を調べると、次から次へと色々な物が出てきます。
全部スラちゃんのアイテムボックスに入れて、証拠隠滅を防ぎます。
そして、逐一王都郊外の軍駐屯地に証拠品を運んでいます。
「ジンさん、もしかしたらあのツンツン頭は興奮剤を定期的に飲まされていた可能性がありますね。なんせ、あの興奮具合ですから」
「いや、その可能性は低いな。興奮剤が使われた形跡がない」
「奴は元からあんな性格だ。ジンの言う通り、薬は使った可能性はないな」
えっと、僕としてはジンさんと軍務卿の意見の方がビックリです。
どう見ても、二人は薬を飲んでいるようにしか見えなかったよ。
「あっ、また何かあったよ。お金の袋だ」
「こっちにもお金の袋があったよ」
「また、お薬が出てきました」
「こっちも薬だ」
それにしても、一体どれだけの証拠品が出てくるんだろうか。
流石に僕もビックリです。
「でも、流石に家人の管理不行き届きでは処罰は出来ないですよね?」
「普通の犯罪なら難しいが、今回は闇組織だ。闇組織の構成員を雇用してはいけないと法律に明記しているから、今回は処罰対象になる」
流石に当主交代とかにはならないけど、軍務卿曰く多額の罰金は免れないそうです。
そんな事を思っていたら、急に宙が歪み始めました。
パカパカパカ。
軍の騎馬隊に馬車が、ツンツン頭の屋敷の前に大量に到着。
門兵も屋敷の者も、突然現れた軍に完全にワタワタしているぞ。
ガチャ。
「じゃあ、速やかに終わらせますか」
「そうですね。スラちゃん達は、門兵に捜索令状を見せたら屋敷に入っちゃってね」
僕とルーカスお兄様は、お互いに見合って頷きました。
僕も、早く終わらせて貴重な休日を堪能したいもんね。
みんな馬車から降りた所で、未だにワタワタしている門兵の所に向かいます。
そして、軍務卿が一枚の紙を門兵に突きつけました。
「軍務卿ケーヒル伯爵だ。闇組織処罰法違反で、これよりバレン子爵家へ家宅捜索を行う。速やかに開門せよ」
「「はっ、はぃぃ!」」
シュッ。
軍務卿の迫力に圧されて、門兵はあっさりと門を開けます。
大勢の兵が屋敷になだれ込むのと同時に、いわゆるスラちゃん部隊が屋敷の中に潜入しました。
これで捕縛した闇組織の構成員の部屋にスラちゃん達が向かったから、目的の九割は達成した事になりますね。
僕たちも、兵に続いて屋敷の中に入ります。
「なっ、何だ貴様らは! ここを、誰の屋敷だと思っているのか?」
「帰れ! 国家権力の犬よ帰れ!」
屋敷に入ると、激怒しているツンツン頭と全くそっくりの子どもが僕たちに悪態をついていました。
うん、あの子どもが僕と同い年の子だね。
今の内に接触していて良かった、どうやっても友達になれそうにもないぞ。
それはリズ達も同じだったみたいで、完全に嫌っているみたいだ。
そして、そんな悪態が止まらない二人に向けて、ルーカスお兄様が冷たい眼差しのまま話し始めた。
「では、二人とも闇組織との繋がりを認めるのか? この屋敷にいた者が、闇組織のアジトで拘束された。その者は、どうも二人に色々と話をしていた様だな」
「はっ、闇組織? あいつが?」
「えっ、えっ?」
やっぱりというか、二人は自分達に接触していた者が闇組織の構成員だと思わなかったみたいだ。
流石に二人とも闇組織の名前が出てきて、訳が分からない表情をしているぞ。
「家族を全員応接室に入れて、捜索が終わるまで監視をするように。家人も一箇所に集めて、家族と家人への聴取も行うように」
「「「はっ」」」
「がっ、くそ!」
「何をする!」
ルーカスお兄様の指示で、二人は兵によって応接室に連れて行かれました。
他の人も、空いている部屋に集められて聴取を受けます。
その間に、僕たちは手分けして主要な部屋の捜索に当たります。
「あっ、お金の入った袋を発見したよ」
「こちらは手紙です。脱税っぽいです」
「これは闇組織の指示書です。馬鹿をもっと煽れって書いてあります」
「薬もあった。興奮剤っぽい」
捕まった闇組織の構成員の部屋を調べると、次から次へと色々な物が出てきます。
全部スラちゃんのアイテムボックスに入れて、証拠隠滅を防ぎます。
そして、逐一王都郊外の軍駐屯地に証拠品を運んでいます。
「ジンさん、もしかしたらあのツンツン頭は興奮剤を定期的に飲まされていた可能性がありますね。なんせ、あの興奮具合ですから」
「いや、その可能性は低いな。興奮剤が使われた形跡がない」
「奴は元からあんな性格だ。ジンの言う通り、薬は使った可能性はないな」
えっと、僕としてはジンさんと軍務卿の意見の方がビックリです。
どう見ても、二人は薬を飲んでいるようにしか見えなかったよ。
「あっ、また何かあったよ。お金の袋だ」
「こっちにもお金の袋があったよ」
「また、お薬が出てきました」
「こっちも薬だ」
それにしても、一体どれだけの証拠品が出てくるんだろうか。
流石に僕もビックリです。
「でも、流石に家人の管理不行き届きでは処罰は出来ないですよね?」
「普通の犯罪なら難しいが、今回は闇組織だ。闇組織の構成員を雇用してはいけないと法律に明記しているから、今回は処罰対象になる」
流石に当主交代とかにはならないけど、軍務卿曰く多額の罰金は免れないそうです。
そんな事を思っていたら、急に宙が歪み始めました。
320
お気に入りに追加
8,637
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
放置された公爵令嬢が幸せになるまで
こうじ
ファンタジー
アイネス・カンラダは物心ついた時から家族に放置されていた。両親の顔も知らないし兄や妹がいる事は知っているが顔も話した事もない。ずっと離れで暮らし自分の事は自分でやっている。そんな日々を過ごしていた彼女が幸せになる話。
【完結】捨てられ令嬢は王子のお気に入り
怜來
ファンタジー
「魔力が使えないお前なんてここには必要ない」
そう言われ家を追い出されたリリーアネ。しかし、リリーアネは実は魔力が使えた。それは、強力な魔力だったため誰にも言わなかった。そんなある日王国の危機を救って…
リリーアネの正体とは
過去に何があったのか
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
【完結】婚約破棄されて修道院へ送られたので、今後は自分のために頑張ります!
猫石
ファンタジー
「ミズリーシャ・ザナスリー。 公爵の家門を盾に他者を蹂躙し、悪逆非道を尽くしたお前の所業! 決して許してはおけない! よって我がの名の元にお前にはここで婚約破棄を言い渡す! 今後は修道女としてその身を神を捧げ、生涯後悔しながら生きていくがいい!」
無実の罪を着せられた私は、その瞬間に前世の記憶を取り戻した。
色々と足りない王太子殿下と婚約破棄でき、その後の自由も確約されると踏んだ私は、意気揚々と王都のはずれにある小さな修道院へ向かったのだった。
注意⚠️このお話には、妊娠出産、新生児育児のお話がバリバリ出てきます。(訳ありもあります)お嫌いな方は自衛をお願いします!
2023/10/12 作者の気持ち的に、断罪部分を最後の番外にしました。
2023/10/31第16回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。応援・投票ありがとうございました!
☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。
☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!)
☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。
★小説家になろう様でも公開しています。
頭が花畑の女と言われたので、その通り花畑に住むことにしました。
音爽(ネソウ)
ファンタジー
見た目だけはユルフワ女子のハウラナ・ゼベール王女。
その容姿のせいで誤解され、男達には尻軽の都合の良い女と見られ、婦女子たちに嫌われていた。
16歳になったハウラナは大帝国ダネスゲート皇帝の末席側室として娶られた、体の良い人質だった。
後宮内で弱小国の王女は冷遇を受けるが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。