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第二十四章 お兄ちゃんの官僚としての忙しい日々

七百二話 色々作業が進んでいきます

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 各国の外遊もおわり、特別調査チームも残りは軍だけになりました。
 とはいっても、軍はガンコ侯爵の暴走の際に上層部が気合を入れて改革を進めたので、横領関係は殆ど見つかりません。
 物品管理も、徹底して行っています。

「でも、パワハラやセクハラはどこの部署にいっても見つかるよな」
「たいした能力もないのに、自分は偉いと思っている馬鹿が結構いるのよ」
「後は、完全なる女性蔑視ね。そんな事をして、一体何になるのやら」

 休憩時間になって宰相執務室にやってきたジンさん達が、お菓子をこれでもかと食べながら愚痴を言い合ってました。
 因みに、パワハラセクハラを繰り返した人は、ブラックリスト行きの上に特別講習を受けないといけないそうです。
 まあ職場復帰しても、周囲の目は厳しいだろうね。

「あっ、お父様。この後の準備は済んでいるのですか?」
「キチンとやっているぞ。後任も決まっているし、引き継ぎもやっている。それに、アレク君がいるからこちらも大丈夫だろう」

 そして、同じく宰相執務室に来てお菓子を食べまくっている商務卿が、娘のレイナさんに答えていました。
 まだ確定じゃないから誤魔化してるけど、次期宰相はほぼ決定だもんね。
 次期商務卿も決まっているらしく、こちらも問題ないそうです。
 今の所閣僚が動くのが、宰相と商務卿と軍務卿です。
 他の閣僚も次期閣僚候補の選定を行っていて、数年後には全部の閣僚が変わるそうです。
 といっても、暫くは閣僚を辞めても顧問として各部署に残るそうです。
 あと、僕に丸投げはやめてください。

「いやあ、今後は気兼ねなく孫と触れ合えるぞ。老後の楽しみも増えたのう」
「おじいちゃんは、あと三十年は生きると思うよ。それに、これからも元老みたいな地位で残るわけだし」
「ほほほ、アレク君がいれば大丈夫だ」

 宰相は、引退しても当面は王城に来るそうです。
 そろそろカミラさんのお父さんに当主を譲るそうですが、カミラさんのいう通り長生きしそうな感じですね。
 あと、宰相も僕に丸投げはやめてください。

「うーん、アレク君は宰相だけでなくルーカス殿下の補佐としても色々と動くだろうが、流石にジンを閣僚にする訳にはいかないな。ジンは、常に自由に動ける様にした方が良いだろう」
「あの、一応官僚試験は受かってますけど、そもそも俺は数年前まで庶民だったはずですよ……」
「庶民だったからこそ、その視点を政策に反映させるのだよ。ジンの事は、各国首脳も厚遇しているからな」

 僕も宰相と同意見で、ジンさんは自由に動ける方が良いと思うよ。
 それに、もうジンさんは王国を代表する貴族だと誰もが認めているよ。
 ジンさんの事を認めていない貴族は、逆に王国の偉い人達に認められていない貴族だもんね。

「さて、そろそろ再開しましょうか。リズ達が待っているぞ」
「リズちゃんは、直ぐに誰とでも仲良くなれるわね。女性兵とお菓子タイムをするなんて」
「そこが、リズちゃんの良いところよ。お兄ちゃんが、しっかりとリズちゃんの面倒をみた結果ね」

 実は、リズ達は前に軍を捜索した際に仲良くなった経理部隊の人達を中心として、駐屯地の女性兵とお茶会をしていた。
 リズは、悪意がなければ直ぐに仲良くなるもんな。
 ティナおばあさまもついているし、特に問題はないかなと思っている。
 僕はゲートを駐屯地に繋いで、ジンさん達を見送りました。

「さて、煩いのもいなくなったし、仕事を始めるとするか」
「そうですな。私も自部署に戻ります」

 カミラさんとレイナさんは、身内である宰相と商務卿の事を思って色々と言っているのだけどね。
 それだけ、偉い人はとても大変って事です。
 さあ、僕も書類整理を再開しますか。
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