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第二十三章 ルルーさんの結婚式と新たな命の誕生

五百七十九話 ジンさんのスピーチと披露宴

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 披露宴会場となっている屋敷の中のダンスホールには、沢山の人が集まっていました。
 その中を、馬車から降りてきた新郎新婦に僕達が入ってきました。

「おお、新郎新婦のお出ましだぜ」
「早く座らないと」

 主にランディさんの同級生と思わしき男性陣から冷やかしの声がかけられる中、ランディさんとルルーさんとクラヴィーアさんが席に座りました。
 そして、乾杯の音頭をジンさんが務める事に。

「「「うう、うぅ……」」」

 商務卿一家の男性陣は、相変わらず使い物にならないもんね。
 というか、泣きすぎで水分がカラカラにならないのかな?

「えー、まさかこうして妹と妹が仕えていた令嬢の結婚式のスピーチをするとは思っていませんでした。三人とも結婚おめでとう。幸せになってくれ」
「お兄ちゃん……」

 ストレートなジンさんの祝福の言葉に、ルルーさんも思わず泪目です。
 そんなルルーさんに、ランディさんがそっとハンカチを差し出してくれました。

「ランディに一言、妻の言う事に苦言を呈すのは良いが逆らうなよ。特に子どもができたら、家の中は妻が実権を握る事になるぞ」

 ジンさんが半ば実体験の様な忠告をすると、会場がどっとわきました。
 まあ、僕も妻が実権を握っているのは良く見たよね。

「それでは、ブランダーク男爵家の益々の発展を祝って、乾杯!」
「「「乾杯!」」」

 ジンさんらしい挨拶で、乾杯がされました。
 後は各々自由な時間です。
 早速ランディさんの同級生の男性陣がひな壇に向かって行ったけど、そこに割り込んでいった集団が。

「「「おめでとー!」」」
「ありがとうね」
「皆も頑張ったね」
「偉かったわ。後でお小遣いを上げるわ」
「「「えへへ」」」

 結婚式でフラワーボーイやフラワーガールを頑張った、ミカエル達がおめでとうと言いに行きました。
 もう、ほんわかとした雰囲気で、ランディさんは何故かルカちゃんとエドちゃんに抱っこをせがまれていました。
 そして、クラヴィーアさんがお酒を両手に集まってきた男性陣をギロリと睨みつけました。

「あんた達、ルカリオ王子殿下とエドガー王子殿下の前で、私達にお酒を無理に飲ませようとしないわよね?」
「「「ひぇぇぇ……」」」

 おお、クラヴィーアさんは先輩モードですね。
 流石に男性陣も、ランディさんにお酒を飲ませるのは諦めたみたいです。

「「「うぅ、ううう……」」」
「ほらほら、言ったじゃないか。娘さんを送り出す時にも泣くんじゃないかって」
「「「うわーん!」」」
「駄目だこりゃ……」

 商務卿の所には、レイナさんの結婚式で隣に座った冒険者がいました。
 あの時と、全く同じ光景ですね。

「よし、今度こそ」
「行くぞ!」

 あっ、またランディさんの同級生がひな壇に向かったよ。
 でも残念なことに、既にひな壇には別の人がいました。

「ふふ、とても和やかな結婚式ですわね」

 ひな壇にいたのは、ニコニコとしたカレン様でした。
 うん、流石に聖女様だというのは直ぐに分かったらしく、ランディさんの同級生はすごすごと逃げ帰ってきました。
 そして、ランディさんの同級生は、三回目のひな壇への突撃は叶いませんでした。

「おっ、若い子が沢山いるねー」
「お姉さん達と飲んでいかない?」
「「「ひえー」」」

 そう、独身女性軍団とクレイモアさんに絡まれてしまったのです。
 ランディさんの同級生は独身女性軍団にかっちりと肩を組まされて、そのままどこかに連れて行かれました。
 うん、見なかった事にしておこう。
 全般的にはとても和やかな披露宴で、よく見ると男女二人で和やかに話をしている人もいます。
 リズ達とミカエル達もとても楽しそうにしているし、良い披露宴ですね。

「あー!」
「助けてー!」
「ふふふ、逃さないわよ」

 何処かで独身女性の餌食になっている人がいるけど、気にしないことにしよう。
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