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第二十三章 ルルーさんの結婚式と新たな命の誕生

五百七十八話 パレード開始です

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 結婚式が終わったら屋敷で披露宴なんですけど、屋敷までは予定通りにオープン型の馬車で向かいます。
 街の人に、領主がキチンと結婚しましたよとアピールする意味もあります。
 教会から屋敷までは百メートルしか離れていませんが、それでも街道には多くの人が集まっていました。

「「ブルルッ」」

 既に辺境伯領から持ってきたオープンタイプの馬車には馬が繋がれていて、いつでも出発可能となっています。

「わーい、こっちのるー」
「わたしもー」

 そして、何故かポニさん達がよく引いているこども用馬車もあって、こちらもポニさん達がスタンバイしています。
 ミカエル達に加えて、ブーケを手にしたレイカちゃん達も子ども用馬車に乗り込みました。
 しかも子ども用馬車は二台あって、そっちにはリズ達やリルムが乗り込んでいます。
 僕は、要人を屋敷に送る役割があって良かった。

「お兄ちゃんも一緒に乗ろう!」

 要人を送るのは、馬車が行ってからだもんね。
 僕は、物理的に馬車に乗らなくて済むのだ。

「アレクお兄ちゃんも、エレノアと一緒なの」

 リズとエレノアが何かを言っているけど、ここは鉄の意志で断らないと。

 ひょいと。

「えっ?」
「ほらほら、アレク君も馬車に乗らないと。私達は、スラちゃんが何回かに分けて屋敷まで送ってくれるって」
「ええっ!」

 突然ひょいと脇を抱えられたので、振り返ったら笑顔のティナおばあさまがいました。
 そして、触手をフリフリしているスラちゃんの姿も。
 や、やられた……
 僕はガクリとしながら、ティナおばあさまに持ち上げられたまま、リズ達のいる子ども用馬車に乗せられました。
 因みに、ルーカスお兄様とアイビー様とカレン様、それにルーシーお姉様はちゃっかりと馬車に乗るのを回避していました。

「では、出発!」
「「「わあー!」」」

 そして、兵の掛け声でパレードは始まりました。
 街の人も、大きな歓声を上げていました。

「領主様、ご結婚おめでとうございます!」
「あの、救国の勇者様の実の妹君を嫁に貰ったそうだぞ」
「しかも、もう一人も公爵家の御令嬢だ。ブランターク男爵家も安泰だな」

 街の人も、ランディさんが結婚した事を祝福しています。
 ルルーさんとクラヴィーアさんは、なんだかんだ言って凄い人だもんね。

「わあ、とっても可愛いわ」
「王子様と王女様も一緒に乗っているそうよ」
「ブランターク男爵家は、王家との繋がりもあるのね」

 街の人も、一生懸命に手を振っているルカちゃんとエドちゃんの事も知っているみたいですね。
 二人はルルーさんとクラヴィーアさんが大好きだから、そのうちにブランターク男爵領に遊びに行くのは間違いないですね。

「双翼の天使様と勇敢な天使様もいらっしゃるそうよ」
「俺は魔物溢れの際に、双翼の天使様に治療して貰ったぞ」

 うん、やはりというか、僕達の事も広く知れ渡っています。
 このブランターク男爵領には、何回も来ているからね。
 こうしてパレードはゆっくりと時間をかけて進み、無事に屋敷に到着しました。
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