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第二十一章 ちょっと平和な日々

五百三話 入園式当日の朝

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 いよいよ入園式当日です。
 僕達は一度王城に行き、身支度を整えてから学園に向かいます。
 王城から入園式に参加するのは、僕とティナおばあさまと王妃様。
 ルーカスお兄様とアイビー様は勿論なんですが、リズも一緒に行く事になりました。
 絶対に、万が一の戦力として選ばれたのでしょう。
 護衛の近衛騎士とジンさん達以外は、皆お留守番です。

「ど、どうでしょうか?」
「「「アイビーお姉ちゃん、可愛い!」」」
「ちょっと、なんですの!」

 うん、制服に着替えたアイビー様にリズ達が抱きつくのは久々ですね。
 アイビー様は年齢にしてはスタイルが良いので、制服がとっても似合っています。

「るーにーにもかっこいー!」
「「かこいー!」」
「ありがとうね」

 ミカエルとルカちゃんとエドちゃんは、ルーカスお兄様の制服を褒めていました。
 ルーカスお兄様もキリリとして、とっても格好いいよね。

「さあ、私達も学園に行くわよ」
「「はい」」

 という事で、王妃様の合図で僕は学園の体育館にゲートを繋ぎます。
 一応豪華な馬車も王城から出発させるけど、僕達は念の為に直接学園に行きます。

「待っていたわよ」
「今、お茶を出しますわ」

 学園の体育館の控室に着くと既にエマさんとオリビアさんが待っていて、直ぐにオリビアさんが全員分のお茶を出してくれました。

「エマお姉ちゃん、オリビアお姉ちゃん、スラちゃんとアマリリスちゃんが、体育館の中と周囲を見てまわりたいんだって。いーい?」
「いいわよ。どんどんとやっちゃってね」
「プリンちゃんは、ここに残って皆の護衛ね」

 という事で、早速スラちゃんとアマリリスが体育館の中に飛び出して行きました。
 プリンも、王妃様の膝の上にスタンバイしています。

「じゃあ、俺達も周囲を見回るか」
「久々の学園に来た感動に浸ってられないわね」
「この状況では仕方ないわよ。後でゆっくりと回りましょう」

 紅茶を飲み終えたジンさん達も、早速学園内に不審物が無いか動き始めました。
 そういえば、ジンさん達は学園の卒園生なんだっけな。

「ドタバタして、ごめんなさいね」
「いえ、こちらも何もおもてなしできなくてすみません」
「今は闇ギルドの動向が読めないから、どうしようもないわね。ルーシーが入園する時には、色々な事が落ち着いて欲しいわ」

 紅茶を飲みながらエマさんと王妃様が話をしているけど、エマさんとオリビアさんの入園式の時はここまで緊張する事はなかったよね。
 心なしか、リズも大人しくしています。

「やる事が少なくて助かるけどね。新入生代表挨拶に生徒会長の挨拶、学園長の挨拶に来賓挨拶位ですから」
「あの、僕は何もやる事が変わらないんですけど」
「アレク君は頑張らないとね。演説のプロなんだから。アレク君の演説を楽しみにしている人もいるのよ」

 エマさん、僕は演説のプロじゃないですよ。
 それに、こんな子どもの演説を聞いても何にもなりませんよ。

「アレクは良いけど、僕は演説に慣れていないから心配ですよ」
「ルーカスお兄様なら、素晴らしい新入生の挨拶をすると思いますよ」
「ハードルを上げてくれるね」

 今回の新入生代表挨拶は、ルーカスお兄様が行います。
 因みに生徒会長挨拶は、勿論エマさんです。
 うーん、僕の知り合いが挨拶を行うんだね。

 こそこそ。

「あ、スラちゃんとアマリリスちゃんが帰ってきたよ。今の所大丈夫だって」
「そう。じゃあ、席に移動しましょうか」

 スラちゃんとアマリリスの体育館のチェックが終わったので、僕達は席に移動します。
 何も無ければ良いなあ。
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