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第二十一章 ちょっと平和な日々

四百九十四話 クラヴィーアさんの後輩

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 僕達は薬草採取に行く前に、騒ぎを起こした張本人から事情聴取をする事になりました。
 という事で、皆でギルドの食堂のテーブルをお借りしています。
 ギルド内で騒ぎを起こしたというので、ギルドマスターとマリーさんも同席しています。
 心なしか、マリーさんの笑顔が引きつっている様な気が。
 しかもマリーさんから黒いオーラが出ているので、リズもミカエルも大人しくしています。

「皆さん、私の後輩がご迷惑をおかけし大変申し訳ございません」
「「申し訳ございません」」

 クラヴィーアさんとぺこぺこと謝っていた人は勿論の事、クラヴィーアさんにげんこつを落とされた女性もマリーさんの黒いオーラを浴びてがくがくブルブルしながら謝っていました。

「ギルド内で騒ぎを起こさない様にと、確か登録時にお伝えしたはずですよね」
「はい、すみません……」
「今回は注意としますが、次回何か問題を起こしたらライセンス停止などの処分対象となりますよ」
「はい……」

 うん、マリーさん激おこモードなので、騒ぎを起こしていた張本人も素直に謝罪していた。
 しかも、マリーさんが登録対応を取ったんだ。
 とりあえず処分は伝えたので、今度は二人の事を紹介してもらおう。

「この趣味の悪いドレスアーマーを着ているのがゾーテック男爵家のルシアで、魔法使いがファイザー伯爵家のククリですわ」
「クラヴィーア先輩、その紹介はあんまりですよ」
「ククリと申します、よろしくお願いいたします」

 クラヴィーアさんの自己紹介も適当だったけど、それでも魔法使いのククリさんは真面目に挨拶してくれた。

「で、たぶんククリは分かっていると思うけど、こちらにいるのがこの国で喧嘩を売ってはいけない方々です。ルシア、粗相の無い様に」
「はい、存じております。王家の方々に、双翼の天使様に、救国の英雄様に、勇敢なる天使様ですね」
「えっ? マジですか?」
「大マジよ」

 ククリさんはどうも僕達の事を知っていた様だけど、ルシアさんは僕達の事を知らなかった様です。
 僕達の事を知ったルシアさんは、僕達の方を見て固まってしまいました。

「クラヴィーア、ちょっとこいつらをしごいてやれ。いきなりゴブリン討伐をすると言い出したんだわ。おばちゃんがバザール領に行っていないんだよ」
「分かりましたわ。ククリはともかくとして、ルシアはたっぷり指導しないと駄目ですわね」
「えー!」

 あ、ギルドマスターの要請を受けたクラヴィーアさんが、ルシアさんの事を獲物を狩る様な目で見ていた。
 でも、ルシアさんには悪いけど、冒険者として失敗しない為にもここは厳しい指導を受けて貰いましょう。
 という事で、僕達はルシアさん達と共に冒険者ギルドを出発して森に向かいます。
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