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第二十章 マロード男爵領とジンさんの結婚式

四百八十話 午後は皆で薬草採取

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「「「すー、すー」」」

 皆でわいわいと紅葉鍋を食べたら、お腹いっぱいになったミカエル達はお昼寝タイムです。
 庭でも元気よく遊んでいたから、疲れたんだろうね。

「赤ん坊の寝ている時は天使っていうけど、これを見ると確かにそうだな」
「本当よね。産まれてくる子どももこんな感じで寝るのかな?」

 ミカエル達の寝姿を見て、マイク様とセシルさんが微笑んでいます。
 来年の夏ごろには、マロード男爵家もこんな感じになるのかな?

「じゃあ、僕達は森に行ってきますね」
「気をつけてな」

 午後は午前中狩りに参加しなかった人と害獣駆除で何もできなかった人とで、薬草採取をする事になりました。
 王妃様とアリア様は、屋敷に残ってゆっくりするそうです。
 王族はルーカスお兄様達とティナおばあさまがついてきて、近衛騎士や兵も残って周囲の警戒をしてくれます。
 因みに軍務卿と内務卿は仕事があるそうなので、王城に送っていきました。
 とってもすっきりとした顔だったので、仕事もバリバリやってくれるでしょう。

「あ、さっそくあったよ」
「こっちにも沢山あった」

 マロード男爵領の森は場所によって採れる薬草が違うので、ちょこちょこと場所を変更しながら薬草採取を行います。
 スラちゃんとプリンとアマリリスがいるので、薬草を発見するのはお手の物です。
 僕も、鑑定を使いながらごそごそと薬草を探します。

「前にも言ったが、丁度キノコとかも採れるから集めておけよ」
「「「はーい」」」

 マロード男爵領でどんな薬草が採れるか試した時に、ジンさんが生薬にする為のキノコも採れるって言っていたっけ。
 薬草と別の籠に入れながら、キノコも採っていきます。

「はっ」
「せい!」
「「ブヒー!」」

 時々襲ってくるイノシシとかは、護衛の人たちやレイナさん達が倒していきます。
 午前中はデストロイヤー達によって一匹も害獣を狩る事ができなかったので、皆張り切って対応しています。
 勿論デストロイヤー達の様に、メイスでいのししの頭をぶったたいたりガントレットでぶん殴る様なマネはしていませんよ。
 と、ここである薬草を発見。

「あれ? これってDランクに上がる為に必要な薬草じゃないかな?」
「こっちにも生えていたよ」

 前に採った薬草とはまた違った薬草です。
 Dランクに上がるための基準は、一定数の依頼をこなす事と指定されたものを二つ採る事。
 
「ジンさん、薬草を二種類集めてもDランクに上がりますか?」
「うーん、こればっかりはわからないねえ。ギルドの職員に確認してもらわないといけないな」

 ジンさんも全く分からないという事なので、専門の人に確認して貰おう。
 薬草も沢山採れたので、そろそろ切り上げようとした時だった。

「どっせーい」
「ブヒヒィー!」

 ひゅーん、ドカン。
 べきべき、みしみし。

 森の少し先で、午前中に聞いたことのある声と共に大きなイノシシが豪快な放物線を描いて木に激突していた。
 凄いなあ、木がみしみしっていっているよ。
 皆もたぶんあの人だろうと思ったので、少し待つことにした。

「よっと、今日はこの位にするか。おお、アレク君達もここにいたのね」
「おばちゃんは午前中の続きですか?」
「そうだよ。もう少し害獣駆除をしようと思ったのよ」

 やっぱりというか、姿を表したのは午前中も一緒だったおばちゃんだった。
 スラちゃんがおばちゃんの所に行ってイノシシの血抜きをしている間に、僕達も帰りの支度をします。

「ありがとうね。よいっしょっと」
「おばちゃん、どれだけの成果があったの?」
「うーんとね、いのししが十頭に鹿が二十匹ってところかな?」
「おお、凄いね!」
「まあ、この位はやらないとね」

 リズはおばちゃんの狩りの成果を聞いて喜んでいるけど、いくらおばちゃんが強いとはいえ半日でその数は凄いよ。
 おばちゃんはいのししをマジックバッグにしまい終わったので、僕達と一緒に冒険者ギルドに向かいます。
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