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第二十章 マロード男爵領とジンさんの結婚式

四百五十七話 各地の戦闘の様子

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 辺境伯領では、想像以上に多くの魔物が押し寄せてきていた。

「くそ、弱いくせして数が多いぞ」
「本当に面倒くさいなあ」

 オオカミやゴブリンレベルがメインなので、今の冒険者や兵で余裕で倒せる相手だ。
 数が多いのが難点で、疲労も濃くなり怪我人も多くなってきた。
 そして、さらなる強敵が姿を現したのだ。

「グオオオ!」
「ちっ、このタイミングでゴブリンキングかよ」
「こればかりは、ちょっとヤバイな」

 なんと、ゴブリンキングが冒険者や兵の前に姿を現したのだ。
 多くのオオカミやゴブリンと対峙して疲弊している冒険者や兵には、ちょっとキツイ相手だ。

「くそ、増援を呼んでこい」
「俺達は、ここを死守するぞ」

 兵や冒険者は、街にゴブリンを入れないためにも決死の覚悟でここを守ろうとしていた。
 その時だった。

 ヒューン、ヒューン。
 ズドーン、ズドーン、ズドーン。

「グオー!」
「なっ、何だ何だ?」
「取り敢えず、少し引くぞ!」

 突然ゴブリンキングを中心に強力な魔法が連発で撃ち込まれたのだ。
 兵と冒険者は戸惑いながらも、ゴブリンの動きが止まったのを見てゴブリンから素早く距離をとった。

「お、何とか間に合った様だな」
「ゴブリンが沢山来たって、屋敷に急ぎの連絡があったのよ」
「ジン、それにレイナとアレクサか!」
「魔法を撃ち込んだのは私達よ」
「カミラとルリアンとナンシーか、助かったぞ」

 颯爽と現れたのは、ジンとレイナとアレクサとカミラとルリアンとナンシーだ。
 助っ人の登場で、兵と冒険者は助かったと実感した。

「先ずは怪我の治療だな、そら!」
「うーん、その聖剣は相変わらずぶっ壊れ性能だなあ」

 ジンの聖剣から光が広がり、怪我人の傷が治っていった。
 エリアヒールの効果が発動したのだ。

「流石に重傷者は治せねえ。アレクサ、頼むぞ」
「治療はお任せください」
「さてと、倍返しと行きますか」
「「「おー!」」」

 重傷者の治療はアレクサに任せて、兵と冒険者はジンを先頭にして体制を立て直した。

「もう一発いくわよ」
「くらいなさい!」
「吹き飛びなさい!」
「「「グオオオ!」」」

 再度、カミラとルリアンとナンシーによる強烈な魔法攻撃が再開された。
 ある程度魔法耐性のあるゴブリンキングはともかくとして、その他のゴブリンは一斉に駆逐されて行きます。

「ガォォォ!」
「甘いよ!」

 辛うじてゴブリンジェネラルは魔法を防いだのだが、直ぐ様レイナによって頸をはねられた。
 撃ち漏らしたゴブリンも、兵と冒険者によって倒されていく。

「ジン、さっさとデカブツをやっちまえ!」
「おうよ!」

 もうここまでくれば、一気に押し返すだけです。
 ジンは聖剣に魔力を溜め始めました。

「くたばれ、デカブツ!」
「グアアア!」

 そしてジンの跳躍からの強力な一閃により、ゴブリンキングの体は真っ二つに裂かれた。

「ふう、こんなもんかな?」
「ジン、助かったぞ。この後はどうするんだ?」
「女性陣がストレス発散で暴れたいらしいから、最後まで付き合うぞ」
「ははは、お前も大変だな」
「言うなよ」

 こうして助っ人の活躍もあって、辺境伯領は次第に平穏を取り戻しました。

 一方のバイザー子爵領では、この二匹が活躍していました。

「ブランターク男爵領と辺境伯領の戦闘は、何とか終了に向かっているそうです」
「本当ですか? 一時は危ないと聞きましたが、それは良かったわ」
「まあ、うちはあの二匹が活躍しているからなあ」
「お陰様で、兵も冒険者も怪我人がいなくて良いではないでしょうか」

 ルーカスとアイビーがバイザー子爵領でのんびりできているのは、スラちゃんとアマリリスが森の中で大活躍しているからです。

 シュッ。

「すらちゃ、あまちゃ。おかーりー」
「おかーり!」

 ドササ。

「おおー、すごーい!」
「すごーい!」

 スラちゃんとアマリリスは時々屋敷の庭に帰ってきては、戦利品を見せてくれた。
 ミカエルとブリッドは、山積みになった魔物を見て大はしゃぎです。

「スラちゃん、アマリリス、頑張ってくれるのは良いけど、兵と冒険者の活躍の場をうばわないでね」
「分かっているって。じゃあ宜しくね」

 シュッ。

 ルーカスの苦言を聞いたスラちゃんとアマリリスは、敬礼みたいたポーズをしてまた森の方へ動き始めた。
 またスラちゃんとアマリリスは、沢山の魔物を倒すのかな?
 ルーカスは苦笑するしかなかったのだった。
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