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第二十章 マロード男爵領とジンさんの結婚式

四百三十五話 アレク君はまだ六歳

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 無事に話し合いも終わったので、リズ達を迎えに行きその足で温泉宿に向かいます。

「おー、これが温泉街」

 温泉街は温泉の湯気が立ち込めているので、まるで雲の中に入る様です。
 温泉街の不思議な光景に、イヨも興味深く辺りを見ています。

「にーに、くも!」
「くもだ!」
「ミカエル、ブリッド、これは湯気って言うんだよ」
「「ゆげ!」」

 ミカエルとブリッドはさっき僕が思った事を言っているけど、それでもミカエルとブリッドの目はキラキラしています。
 とっても不思議な光景だもんね。
 という事で、いつもの温泉宿に到着です。

「あらあら、可愛らしい子がいるわね」
「イヨちゃんだよ」
「そうかいそうかい、ゆっくりと温泉に入りなね」
「はい」

 すっかりと顔馴染みになった温泉宿のおかみさんに、リズがイヨの事を紹介していた。
 おかみさんもイヨの頭を撫でて、温泉に向かう僕達を見送っていきます。

 さてさて、もうそろそろ僕は七歳です。
 という事で、女子更衣室ではなく男子更衣室で着替えをします。

 ガシ。

「お兄ちゃん、どこに行くの?」
「アレク様はまだ六歳です」
「だから、こっち」
「えー!」

 折角男子更衣室に行こうとしたのに、またもやリズ達によって阻止されてしまった。
 そして、僕がリズ達に捕まっている間に、辺境伯様はいつの間にか男子更衣室に消えてしまっていた。
 うう、またもや他の男の人に逃げられてしまったぞ。
 まあ、今回はいつもお風呂に入っているメンバーなので気にしない事にしよう。
 僕はリズとサンディとイヨの着替えを手伝いながら、そんな事を思っていました。

「じゃあ、今日は私がアレク殿下のお着替えをしますね」
「はい……」

 僕はというと、喜々としているチセさんの手によって服を脱がされてしまった。
 しかし、なんで毎回僕を着替えさせる人は全裸なんだろうか?
 せめて水着を着てから、僕の事を脱がせて欲しいです。

「「「ふいー」」」

 以前にも温泉に入った事のあるミカエルは勿論の事、ブリッドとイヨも温泉に浸かって気持ち良さそうにしています。
 温泉はとっても気持ちいいよね。

「マイクとセシルの結婚式の後にも、閣僚は温泉街の温泉に入ると言っていたなあ。確か公衆浴場の方に入ると言っていたぞ」
「閣僚なのに、豪華な宿よりも庶民的な所の方が好きらしいですからね」
「料理も堪能する気らしいし、良い身分ですなあ」

 辺境伯様が愚痴をこぼすけど、今回辺境伯様は新郎の父親なのでとても忙しい。
 因みに、例の服が着れる様に鍛錬と節制をしているという。
 既に辺境伯様の体は仕上がっている様です。

「あなたは油断をすると直ぐに太るのだから、当面は節制して貰いますよ」
「分かっているよ。私だって来賓の前で無様な姿を晒したくないからな」

 イザベラ様が辺境伯様に注意をするけど、前回の事があるから辺境伯様も分かっている様です。
 そんなこんなで、温泉タイムは終了です。
 また皆で温泉に来たいなあ。
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