277 / 866
第十九章 懐古派の砦編
四百三話 アレクサさんも一緒にお鍋タイム
しおりを挟む
道中はトラブルもなく、順調に今日のポイントまで到着しました。
この後は安全の為に、僕達の屋敷に戻る事になっています。
「アレクサさんは宿とかはどうするつもりでいましたか?」
「えっと、宿を取るつもりでおりました」
「なら、今日は僕の屋敷に招待しますね」
「えっ?」
アレクサさんは街に泊まるつもりだけど、安全の為に僕の屋敷にご招待します。
という事で、ひと目につかない所に移動して、僕の屋敷の庭にゲートを繫ぎます。
「信じられません。これが伝説といわれる移動魔法ですか」
アレクサさんはゲートを初めてみたので、突然別の所に移動してびっくりしていた。
教皇国から王国にあっという間に移動したから、気持ちはわかるなあ。
「あら、皆帰ってきたのね」
「ただいまー!」
丁度いいタイミングで、お隣の辺境伯様の屋敷からイザベラ様が顔を見せた。
リズが挨拶をするけど、どうやらミカエル達は辺境伯様の屋敷の中にいるようだ。
「あら、初めての人もいるわね」
「あ、はい。私は教皇国のシスターをしております、アレクサと申します」
「ご丁寧にどうもありがとうね。私はイザベラ、辺境伯家の夫人ですわ」
「えっ?」
あ、今度はイザベラ様の返答を聞いて、アレクサさんが固まってしまった。
そういえば、僕の両隣の屋敷の事を話してなかった。
「アレクサさん。僕の屋敷のお隣が、この地を治める辺境伯様の屋敷で、反対がジンさんの屋敷です」
「そ、そうだったんですね。びっくりしました」
「いえいえ、僕も説明不足でした」
アレクサさんは、僕の説明を聞いて落ち着きを取り戻した。
その間に、馬車は辺境伯家の馬丁がやってきて馬も含めて辺境伯家の馬房に連れて行ってくれました。
今の所、馬も馬車も特に問題ないそうです。
「陛下には特に問題ないって連絡したから、王城には向かわなくて良いわ」
「ティナおばあさま、ありがとうございます」
ティナおばあさまの言う通り、確かに今日は少々オオカミとかが現れた程度で本当に何もなかったもんな。
僕達は、そのまま辺境伯様の屋敷に入ります。
「「おかーり!」」
「ただいま!」
辺境伯様の屋敷に入ると、直ぐにミカエルとブリッドが駆けつけてきました。
そのままリズが、ミカエルとブリッドを抱きしめます。
すると、ブリッドがアレクサさんに気がついた様です。
「あ、アレちゃ!」
「ミカもあった!」
「覚えてくれて嬉しいですわ」
どうもブリッドとアレクサさんは顔見知りの様で、ミカエルも新教皇の戴冠式で顔を合わせている。
というか、ミカエルもよく覚えていたなあ。
「にーに、ごはん!」
「おなべ!」
「皆でお鍋なんだね」
「「あい!」」
そして、ミカエルとブリッドは僕の手を繫いて食堂に案内し始めた。
皆でワイワイと食べるお鍋は、ミカエル達に限らず皆大好きだよね。
「おお、丁度いいタイミングだな。皆、席に着くがいい」
食堂に入ると、辺境伯様も孫であるステラちゃんとオリバーちゃんを膝に乗せて挨拶をしてくれた。
「へ、辺境伯様、初めまして。教皇国でシスターをしているアレクサと申します」
「おお、ご丁寧にどうも。私はホーエンハイム辺境伯のヘンリーだ。ここは公式の場ではない。気楽にしてくれ」
「は、はい」
アレクサさんは緊張しながら辺境伯様に挨拶をしていたけど、今の辺境伯様は孫を抱っこしてデレデレになっている。
そして、ジェイド様とソフィアさんが他の赤ちゃん達を連れていた。
侍従のお姉さんもいて、お姉さん達の子どもであるメイちゃんとリラちゃんも一緒です。
「父がステラとオリバーを離さないのでな。代わりに私がグランドとガリバーを、ソフィアがレイカとガイルの面倒を見ていたのだよ」
「流石は侍従の子どもなのか、メイちゃんとリラちゃんもお母さんの真似をして赤ちゃんの面倒を見ようとしていたわ」
まあ、メイちゃんとリラちゃんもまだ二歳になっていないし、お手伝いといいつつおままごとの延長線上だろうね。
そして、沢山の赤ちゃんや子どもを見て、アレクサさんは目を輝かせます。
「わあ、とっても可愛いですね」
「レイナさんとカミラさんとルリアンさんとナンシーさんの赤ちゃんです。ソフィアさんの赤ちゃんや侍従のお姉さんの子どももいるので、僕達が教皇国に行っている間は纏めて面倒を見てもらっています」
「そうなんですね」
アレクサさんは赤ちゃんが好きなのか、ステラちゃんを抱いてとても上機嫌だ。
ステラちゃんも、嫌がらずにアレクサさんに抱っこされています。
「それじゃ、食事としますか」
「「「「あい!」」」」
辺境伯様の合図に、ミカエルとブリッドとメイちゃんとリラちゃんが元気よく答えます。
お鍋の時は、皆でワイワイと食べるのが基本です。
アレクサさんも、子ども達を食べさせる名目で一緒に食べます。
「とても感じの良い人ですね」
「そうですわね。それに頑張り屋さんなんですよ」
「あらあら、それはそれは素晴らしいですわ」
イザベラ様とティナおばあさまが、アレクサさんに聞こえない音量で何か話をしています。
二人ともニヤニヤとしているのが気にかかりますが、僕は怖くて聞くことができません。
「お兄ちゃん、お鍋美味しいね」
「アレク様、こっちも美味しいですよ」
現実にはリズとサンディの相手をしているので、それどころではありません。
まあ悪い事ではなさそうなので、ここはスルーしておきます。
こうして、皆で楽しく夕食を食べました。
明日はどんな旅になるのか、とても楽しみです。
この後は安全の為に、僕達の屋敷に戻る事になっています。
「アレクサさんは宿とかはどうするつもりでいましたか?」
「えっと、宿を取るつもりでおりました」
「なら、今日は僕の屋敷に招待しますね」
「えっ?」
アレクサさんは街に泊まるつもりだけど、安全の為に僕の屋敷にご招待します。
という事で、ひと目につかない所に移動して、僕の屋敷の庭にゲートを繫ぎます。
「信じられません。これが伝説といわれる移動魔法ですか」
アレクサさんはゲートを初めてみたので、突然別の所に移動してびっくりしていた。
教皇国から王国にあっという間に移動したから、気持ちはわかるなあ。
「あら、皆帰ってきたのね」
「ただいまー!」
丁度いいタイミングで、お隣の辺境伯様の屋敷からイザベラ様が顔を見せた。
リズが挨拶をするけど、どうやらミカエル達は辺境伯様の屋敷の中にいるようだ。
「あら、初めての人もいるわね」
「あ、はい。私は教皇国のシスターをしております、アレクサと申します」
「ご丁寧にどうもありがとうね。私はイザベラ、辺境伯家の夫人ですわ」
「えっ?」
あ、今度はイザベラ様の返答を聞いて、アレクサさんが固まってしまった。
そういえば、僕の両隣の屋敷の事を話してなかった。
「アレクサさん。僕の屋敷のお隣が、この地を治める辺境伯様の屋敷で、反対がジンさんの屋敷です」
「そ、そうだったんですね。びっくりしました」
「いえいえ、僕も説明不足でした」
アレクサさんは、僕の説明を聞いて落ち着きを取り戻した。
その間に、馬車は辺境伯家の馬丁がやってきて馬も含めて辺境伯家の馬房に連れて行ってくれました。
今の所、馬も馬車も特に問題ないそうです。
「陛下には特に問題ないって連絡したから、王城には向かわなくて良いわ」
「ティナおばあさま、ありがとうございます」
ティナおばあさまの言う通り、確かに今日は少々オオカミとかが現れた程度で本当に何もなかったもんな。
僕達は、そのまま辺境伯様の屋敷に入ります。
「「おかーり!」」
「ただいま!」
辺境伯様の屋敷に入ると、直ぐにミカエルとブリッドが駆けつけてきました。
そのままリズが、ミカエルとブリッドを抱きしめます。
すると、ブリッドがアレクサさんに気がついた様です。
「あ、アレちゃ!」
「ミカもあった!」
「覚えてくれて嬉しいですわ」
どうもブリッドとアレクサさんは顔見知りの様で、ミカエルも新教皇の戴冠式で顔を合わせている。
というか、ミカエルもよく覚えていたなあ。
「にーに、ごはん!」
「おなべ!」
「皆でお鍋なんだね」
「「あい!」」
そして、ミカエルとブリッドは僕の手を繫いて食堂に案内し始めた。
皆でワイワイと食べるお鍋は、ミカエル達に限らず皆大好きだよね。
「おお、丁度いいタイミングだな。皆、席に着くがいい」
食堂に入ると、辺境伯様も孫であるステラちゃんとオリバーちゃんを膝に乗せて挨拶をしてくれた。
「へ、辺境伯様、初めまして。教皇国でシスターをしているアレクサと申します」
「おお、ご丁寧にどうも。私はホーエンハイム辺境伯のヘンリーだ。ここは公式の場ではない。気楽にしてくれ」
「は、はい」
アレクサさんは緊張しながら辺境伯様に挨拶をしていたけど、今の辺境伯様は孫を抱っこしてデレデレになっている。
そして、ジェイド様とソフィアさんが他の赤ちゃん達を連れていた。
侍従のお姉さんもいて、お姉さん達の子どもであるメイちゃんとリラちゃんも一緒です。
「父がステラとオリバーを離さないのでな。代わりに私がグランドとガリバーを、ソフィアがレイカとガイルの面倒を見ていたのだよ」
「流石は侍従の子どもなのか、メイちゃんとリラちゃんもお母さんの真似をして赤ちゃんの面倒を見ようとしていたわ」
まあ、メイちゃんとリラちゃんもまだ二歳になっていないし、お手伝いといいつつおままごとの延長線上だろうね。
そして、沢山の赤ちゃんや子どもを見て、アレクサさんは目を輝かせます。
「わあ、とっても可愛いですね」
「レイナさんとカミラさんとルリアンさんとナンシーさんの赤ちゃんです。ソフィアさんの赤ちゃんや侍従のお姉さんの子どももいるので、僕達が教皇国に行っている間は纏めて面倒を見てもらっています」
「そうなんですね」
アレクサさんは赤ちゃんが好きなのか、ステラちゃんを抱いてとても上機嫌だ。
ステラちゃんも、嫌がらずにアレクサさんに抱っこされています。
「それじゃ、食事としますか」
「「「「あい!」」」」
辺境伯様の合図に、ミカエルとブリッドとメイちゃんとリラちゃんが元気よく答えます。
お鍋の時は、皆でワイワイと食べるのが基本です。
アレクサさんも、子ども達を食べさせる名目で一緒に食べます。
「とても感じの良い人ですね」
「そうですわね。それに頑張り屋さんなんですよ」
「あらあら、それはそれは素晴らしいですわ」
イザベラ様とティナおばあさまが、アレクサさんに聞こえない音量で何か話をしています。
二人ともニヤニヤとしているのが気にかかりますが、僕は怖くて聞くことができません。
「お兄ちゃん、お鍋美味しいね」
「アレク様、こっちも美味しいですよ」
現実にはリズとサンディの相手をしているので、それどころではありません。
まあ悪い事ではなさそうなので、ここはスルーしておきます。
こうして、皆で楽しく夕食を食べました。
明日はどんな旅になるのか、とても楽しみです。
338
お気に入りに追加
8,644
あなたにおすすめの小説
とある婚約破棄の顛末
瀬織董李
ファンタジー
男爵令嬢に入れあげ生徒会の仕事を疎かにした挙げ句、婚約者の公爵令嬢に婚約破棄を告げた王太子。
あっさりと受け入れられて拍子抜けするが、それには理由があった。
まあ、なおざりにされたら心は離れるよね。
【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
王太子さま、側室さまがご懐妊です
家紋武範
恋愛
王太子の第二夫人が子どもを宿した。
愛する彼女を妃としたい王太子。
本妻である第一夫人は政略結婚の醜女。
そして国を奪い女王として君臨するとの噂もある。
あやしき第一夫人をどうにかして廃したいのであった。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福論。〜飯作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
西園寺若葉
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。