259 / 866
第十八章 少し平和な日々
三百八十五話 急遽炊き出しに参加する事に
しおりを挟む
教皇国での話し合いはこれで終了なのですが、ここで教皇様から僕達にある提案が。
「もしお時間が宜しければ、炊き出しにご参加頂けませんか?」
「そうですね。せっかくのご提案ですからお受け致しますわ」
「ただ、赤ん坊は城に戻してきますね」
「ありがとうございます。お子様は、安全の為にもお戻りされた方が宜しいですね」
という事で、僕達も炊き出しに参加します。
王城へルカちゃんとエドちゃんを戻し、皇城へアンドリューちゃんを戻します。
そしてアンドリューちゃんの代わり、リルムが新たに参戦。
子ども達は聖騎士の護衛を受けながら、張り切りながら広場に向かいます。
「あ! 導く者様だ」
「双翼の天使様もいるぞ」
「新年早々、縁起が良いわね」
炊き出しが行われている広場に向かうと、街の人が僕達の来訪に気がついた様だ。
僕達の方に向かって、声を上げたり手を振ったりしていた。
そんな街の人の様子に気がついて、カレン様が僕達の方にやってきた。
「皆様、新年おめでとう御座います。話し合いに参加できずに申し訳ありません」
「おめでとう御座います。カレン様は大切なお仕事をされているのですから、お気になさらないで下さい」
僕達の代表としてアリア様が応対してくれたけど、広場には沢山の人が集まっているし炊き出しを行う手も足らなそうだ。
という事で、早速僕達も炊き出しのお手伝いを行います。
「ブリちゃ!」
「ミカちゃ!」
炊き出しには孤児院の子どもも参加していて、ミカエルとブリットは思わぬ再会を喜んでいた。
そんな二人の様子を見た街の人は、相変わらず仲が良いねって微笑ましく見ています。
さてさて、僕達もスタンバイして作った物を配り始めます。
どうも年始に教会が配るお菓子の様な物で、多くの街の人が炊き出し現場に集まっています。
蒸しパンの様な形状で、蒸し器を使ってどんどん蒸されていきます。
「はい、どうぞ!」
「ありがとうね」
出来上がったお菓子を、リズやエレノアにリルムが街の人に配っていきます。
前に皇都でも炊き出しをした事があるので、特にトラブルなく対応しています。
「わあ、スライムがお菓子を配っているよ」
「しかも三匹もいるよ!」
街の子ども達に大人気なのが、カレン様と一緒にお菓子を配っているスラちゃん達だ。
元々カレン様と共にヒカリが一匹でお菓子を配っていたのだが、そこにスラちゃんとプリンが合流したのだ。
スライムが触手を伸ばしてお菓子を配っているので、子ども達にとってはとても面白い光景の様だ。
勿論、アリア様やティナおばあさまにケイリさんもお菓子を配っています。
でも、大人の中ではジンさんが一番人気です。
「おお、再び導くもの様に会えるなんて」
「ありがたやー、ありがたやー」
「あの、俺は拝まれる様な存在ではないので」
ジンさんは特に年配の方に人気で、中にはジンさんの事を拝んでいる人もいる。
聖剣を持っているのもあって、教皇国内のジンさんの人気はかなりのものだ。
気がついたら、ジンさんがお菓子を配っている列が一番長くなっていた。
夕方になり、無事に炊き出しも終了。
「つ、疲れた……」
流石のジンさんも、長時間に渡ってお菓子を配ったので疲れてしまった様だ。
まあ、何事もなく終了したので良しとしておきましょう。
「皆様、お手伝い頂きありがとうございます。ささやかですが、本日配布しましたお菓子の残りをお持ち帰り下さい」
「「「ありがとー」」」
レリーフ枢機卿が僕達へのお土産として、余ったお菓子を渡してくれた。
少し多めに用意してくれたのだが、ここでジンさんが一言。
「レリーフ枢機卿、申し訳ないですがもう少し多めにお菓子を頂けますか?」
「ええ、それは問題ございません。ダメにしてしまうよりもずっと良いので」
「すみません。我が家に食いしん坊がいるもので」
「「「あー、そういう事か」」」
「ミカ、わかた!」
「ブリも!」
ジンさんがレリーフ枢機卿にお願いした理由は、ミカエルとブリットにも分かる簡単な物だった。
確かに食いしん坊が二人もいるからなあ。
という事で、新年の各地の訪問はこれで終了です。
王城と皇城にゲートを繋いでティナおばあさま達やケイリさん達を送り、僕達も屋敷に戻ります。
「もぐもぐ。うん、あっさりしていて何個でも食べられるね」
「そうだね、もぐもぐ、食後のおやつに丁度いいね」
「おい、お前ら。他の人の分も残しておけ」
そして、ジンさんが持ち帰ったお菓子は早速夕食に出されて、食いしん坊二人によってあっという間に消えていったそうです。
「もしお時間が宜しければ、炊き出しにご参加頂けませんか?」
「そうですね。せっかくのご提案ですからお受け致しますわ」
「ただ、赤ん坊は城に戻してきますね」
「ありがとうございます。お子様は、安全の為にもお戻りされた方が宜しいですね」
という事で、僕達も炊き出しに参加します。
王城へルカちゃんとエドちゃんを戻し、皇城へアンドリューちゃんを戻します。
そしてアンドリューちゃんの代わり、リルムが新たに参戦。
子ども達は聖騎士の護衛を受けながら、張り切りながら広場に向かいます。
「あ! 導く者様だ」
「双翼の天使様もいるぞ」
「新年早々、縁起が良いわね」
炊き出しが行われている広場に向かうと、街の人が僕達の来訪に気がついた様だ。
僕達の方に向かって、声を上げたり手を振ったりしていた。
そんな街の人の様子に気がついて、カレン様が僕達の方にやってきた。
「皆様、新年おめでとう御座います。話し合いに参加できずに申し訳ありません」
「おめでとう御座います。カレン様は大切なお仕事をされているのですから、お気になさらないで下さい」
僕達の代表としてアリア様が応対してくれたけど、広場には沢山の人が集まっているし炊き出しを行う手も足らなそうだ。
という事で、早速僕達も炊き出しのお手伝いを行います。
「ブリちゃ!」
「ミカちゃ!」
炊き出しには孤児院の子どもも参加していて、ミカエルとブリットは思わぬ再会を喜んでいた。
そんな二人の様子を見た街の人は、相変わらず仲が良いねって微笑ましく見ています。
さてさて、僕達もスタンバイして作った物を配り始めます。
どうも年始に教会が配るお菓子の様な物で、多くの街の人が炊き出し現場に集まっています。
蒸しパンの様な形状で、蒸し器を使ってどんどん蒸されていきます。
「はい、どうぞ!」
「ありがとうね」
出来上がったお菓子を、リズやエレノアにリルムが街の人に配っていきます。
前に皇都でも炊き出しをした事があるので、特にトラブルなく対応しています。
「わあ、スライムがお菓子を配っているよ」
「しかも三匹もいるよ!」
街の子ども達に大人気なのが、カレン様と一緒にお菓子を配っているスラちゃん達だ。
元々カレン様と共にヒカリが一匹でお菓子を配っていたのだが、そこにスラちゃんとプリンが合流したのだ。
スライムが触手を伸ばしてお菓子を配っているので、子ども達にとってはとても面白い光景の様だ。
勿論、アリア様やティナおばあさまにケイリさんもお菓子を配っています。
でも、大人の中ではジンさんが一番人気です。
「おお、再び導くもの様に会えるなんて」
「ありがたやー、ありがたやー」
「あの、俺は拝まれる様な存在ではないので」
ジンさんは特に年配の方に人気で、中にはジンさんの事を拝んでいる人もいる。
聖剣を持っているのもあって、教皇国内のジンさんの人気はかなりのものだ。
気がついたら、ジンさんがお菓子を配っている列が一番長くなっていた。
夕方になり、無事に炊き出しも終了。
「つ、疲れた……」
流石のジンさんも、長時間に渡ってお菓子を配ったので疲れてしまった様だ。
まあ、何事もなく終了したので良しとしておきましょう。
「皆様、お手伝い頂きありがとうございます。ささやかですが、本日配布しましたお菓子の残りをお持ち帰り下さい」
「「「ありがとー」」」
レリーフ枢機卿が僕達へのお土産として、余ったお菓子を渡してくれた。
少し多めに用意してくれたのだが、ここでジンさんが一言。
「レリーフ枢機卿、申し訳ないですがもう少し多めにお菓子を頂けますか?」
「ええ、それは問題ございません。ダメにしてしまうよりもずっと良いので」
「すみません。我が家に食いしん坊がいるもので」
「「「あー、そういう事か」」」
「ミカ、わかた!」
「ブリも!」
ジンさんがレリーフ枢機卿にお願いした理由は、ミカエルとブリットにも分かる簡単な物だった。
確かに食いしん坊が二人もいるからなあ。
という事で、新年の各地の訪問はこれで終了です。
王城と皇城にゲートを繋いでティナおばあさま達やケイリさん達を送り、僕達も屋敷に戻ります。
「もぐもぐ。うん、あっさりしていて何個でも食べられるね」
「そうだね、もぐもぐ、食後のおやつに丁度いいね」
「おい、お前ら。他の人の分も残しておけ」
そして、ジンさんが持ち帰ったお菓子は早速夕食に出されて、食いしん坊二人によってあっという間に消えていったそうです。
338
お気に入りに追加
8,644
あなたにおすすめの小説
【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
王太子さま、側室さまがご懐妊です
家紋武範
恋愛
王太子の第二夫人が子どもを宿した。
愛する彼女を妃としたい王太子。
本妻である第一夫人は政略結婚の醜女。
そして国を奪い女王として君臨するとの噂もある。
あやしき第一夫人をどうにかして廃したいのであった。
【完結】聖女ディアの処刑
大盛★無料
ファンタジー
平民のディアは、聖女の力を持っていた。
枯れた草木を蘇らせ、結界を張って魔獣を防ぎ、人々の病や傷を癒し、教会で朝から晩まで働いていた。
「怪我をしても、鍛錬しなくても、きちんと作物を育てなくても大丈夫。あの平民の聖女がなんとかしてくれる」
聖女に助けてもらうのが当たり前になり、みんな感謝を忘れていく。「ありがとう」の一言さえもらえないのに、無垢で心優しいディアは奇跡を起こし続ける。
そんななか、イルミテラという公爵令嬢に、聖女の印が現れた。
ディアは偽物と糾弾され、国民の前で処刑されることになるのだが――
※ざまあちょっぴり!←ちょっぴりじゃなくなってきました(;´・ω・)
※サクッとかる~くお楽しみくださいませ!(*´ω`*)←ちょっと重くなってきました(;´・ω・)
★追記
※残酷なシーンがちょっぴりありますが、週刊少年ジャンプレベルなので特に年齢制限は設けておりません。
※乳児が地面に落っこちる、運河の氾濫など災害の描写が数行あります。ご留意くださいませ。
※ちょこちょこ書き直しています。セリフをカッコ良くしたり、状況を補足したりする程度なので、本筋には大きく影響なくお楽しみ頂けると思います。
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
魔眼の守護者 ~用なし令嬢は踊らない~
灯乃
ファンタジー
幼い頃から、スウィングラー辺境伯家の後継者として厳しい教育を受けてきたアレクシア。だがある日、両親の離縁と再婚により、後継者の地位を腹違いの兄に奪われる。彼女は、たったひとりの従者とともに、追い出されるように家を出た。
「……っ、自由だーーーーーーっっ!!」
「そうですね、アレクシアさま。とりあえずあなたは、世間の一般常識を身につけるところからはじめましょうか」
最高の淑女教育と最強の兵士教育を施されたアレクシアと、そんな彼女の従者兼護衛として育てられたウィルフレッド。ふたりにとって、『学校』というのは思いもよらない刺激に満ちた場所のようで……?
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福論。〜飯作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
西園寺若葉
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。