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第十四章 五歳の祝いとマロード温泉
二百五十一話 ムノー子爵邸を制圧
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「まずいな、ムノー子爵の屋敷は学園と目と鼻の先だぞ。警備は厳重にしているが、何が起こるか分からんな」
「直ぐに向かいます。学園ならゲートを繋げられます」
軍務卿の焦った声に、僕は直ぐに反応した。
学園前にゲートを繋いで、僕とティナおばあさまとジンさんとレイナさんとカミラさん、それに軍務卿とルーカスお兄様とアイビー様に会議室にいた近衛騎士も護衛の為についてきた。
ドカーン、ドカーン。
学園前に着くと、目の前の屋敷から物が壊れる音が聞こえてくる。
とんでもない事が起きているのが、ここからでも直ぐに分かったぞ。
そして、野次馬をしている学生が沢山いる。
あまり良くない事態だ。
と、ここで良く知っている声が聞こえてきた。
「あ、アレク君だ。これはどうしたの?」
「何だか変な音が聞こえるよ」
僕に声をかけたのはエマさんとオリビアさんだった。
確か、マイク様と一緒に生徒会に入ったんだっけ。
騒ぎを聞きつけて、学園の外まで様子を見にきた様だ。
「エマさん、オリビアさん。目の前の屋敷で、捜索に反抗して戦いが起きてます。生徒を学園に避難させて下さい」
「ええ、それは大変! 避難誘導は任せて!」
「僕はティナおばあさまと軍務卿と共に、屋敷に向かいます」
「アレク君、気をつけてね。怪我しちゃったら、お姉さん泣いちゃうよ」
早速エマさんとオリビアさんが、野次馬の学生を学園に戻る様に誘導をしている。
兵も一緒に誘導しているから、ここは大丈夫だろう。
僕達は軍務卿を先頭にして、門を通って屋敷の中に入っていく。
すると、屋敷の廊下では魔物化し腕が複数生えた次男が手当たり次第に屋敷の備品を投げまくっていて、複数の魔法兵が魔法障壁で何とか防いでいた。
大きな物音の正体は、魔法障壁に物があたって壊れる音なのか。
しかも、魔獣化した次男の側には怪我した侍従の姿もある。
これは急がないといけないぞ。
「農務卿、これは中々難儀だな」
「おお、軍務卿来てくれたか。ティナ様もアレク君も済まぬな」
部隊の臨時指揮をとっていた農務卿の所に、僕達も合流する。
早速軍務卿とルーカスお兄様が、農務卿から部隊の指揮を引き継いだ。
辺りは次男が投げた備品がバラバラに散らばっていて、壁に突き刺さったり窓ガラスを壊したりと、とにかく滅茶苦茶な状況だ。
あれ?
魔獣化した次男を鑑定すると、状態異常って出ているぞ。
もしかして、状態異常回復で元に戻るかもしれない。
試してみようかな?
「ジンさん、レイナさん、カミラさん。あの魔獣化した次男を鑑定したら、状態異常って出ています。もしかしたら、状態異常回復が魔獣化した次男に効果あるかもしれません」
「もし状態異常回復が効くのなら、対策もし易くなるわね」
「試して見る価値はありそうね」
「よし、ならアレクとプリンは魔力を溜めていろ。俺らが足を止めてくる」
「私も行くわ。アレク君、ダメだったら直ぐに雷撃に切り替えてね」
「はい」
早速僕とプリンは魔力を溜め始める。
ジンさんとレイナさんとカミラさん、それにティナおばあさまが魔獣化した次男に突っ込んでいく。
おお、四人とも凄いなあ。
魔法障壁を展開することなく次男がぶん投げる備品の嵐をすり抜けて、一気に魔獣化した次男に接近したぞ。
「凍りなさい!」
「ウゴー」
カミラさんが氷魔法を利用した吹雪を放ち、次男の足を止める。
魔獣化しても寒さは感じるんだ。
次男の動きが明らかに鈍くなった。
その隙を逃すまいと、更に攻撃を重ねていく。
「うおおお、食らいやがれ!」
「えやー!」
「せい!」
「グオオオオオオオオオ!」
「「「おお、物凄い」」」
動きが鈍くなった次男に対して、ジンさんとレイナさんとティナおばあさまの連撃が炸裂する。
流石にムノー子爵よりも皮膚は硬い様だけど、それでも腕を二本切り落とす事に成功した。
次男は武術の素養も魔法の素養もないのか、行動を制限すればあっという間に無力化できた。
周りで防御に専念している魔法兵も、思わず感嘆の声を漏らしている。
その間に、僕達も魔力が溜まった様だ。
「こっちはオッケーです!」
「よっしゃ。アレク、思いっきりやってしまえ!」
「はい!」
ジンさん達が素早く退避するのを確認してから、僕とプリンは合体魔法を放つ。
状態異常回復だから、ジンさん達に当たっても問題はないと思うけどね。
「えーい!」
「グォー!」
「お、良い感じに効いているな」
ジンさんが感想を漏らしているけど、良い感じに魔法が効いている。
段々と次男の大きくなった体が縮んでいき、何故か複数あった腕も一つになっていく。
「ふう、何とかうまくいった様です」
「はは、髪の毛は爺さんの様に真っ白になったがな」
次男はうつ伏せに倒れていたが、人間に戻っている様だ。
そして、次男の側には魔石の様な物も落ちているぞ。
次男は元に戻った様だけど、髪の毛は白髪だらけになってしまった。
鑑定したら問題ないと出ていたけど、やっぱり薬の影響はあるのかも知れないなあ。
「ほらジン、ぼーとしていないで怪我人の救出をするよ」
「へーい」
レイナさんがジンさんに声をかけているけど、思ったよりも怪我人が多い。
まあ、次男が屋敷の中がボロボロになるほど大暴れしたからどうしようもないよな。
「次男は厳重に拘束しろ。怪我人は庭に運び出すぞ」
軍務卿の号令で、兵が次々に動いていく。
次男は息はあるけどボロボロになっているから、素直に拘束されて担架で運ばれていく。
ジンさん達も手伝って、怪我人も運び出されていくぞ。
農務卿もやれやれって表情をしているぞ。
そういえば、何で農務卿がここにいるんだろうか?
「農務卿、何でここにいるんですか?」
「たまたま学園で講義をしていたんだよ。講義が終わったタイミングで陛下から連絡があってな、学園の目の前の貴族の屋敷に闇ギルド絡みで捜索が入るから手伝ってくれと」
農務卿は首をすくめているけど、結果的に農務卿が現場にいてくれたから僕達も迅速に駆けつける事が出来たんだよな。
「直ぐに向かいます。学園ならゲートを繋げられます」
軍務卿の焦った声に、僕は直ぐに反応した。
学園前にゲートを繋いで、僕とティナおばあさまとジンさんとレイナさんとカミラさん、それに軍務卿とルーカスお兄様とアイビー様に会議室にいた近衛騎士も護衛の為についてきた。
ドカーン、ドカーン。
学園前に着くと、目の前の屋敷から物が壊れる音が聞こえてくる。
とんでもない事が起きているのが、ここからでも直ぐに分かったぞ。
そして、野次馬をしている学生が沢山いる。
あまり良くない事態だ。
と、ここで良く知っている声が聞こえてきた。
「あ、アレク君だ。これはどうしたの?」
「何だか変な音が聞こえるよ」
僕に声をかけたのはエマさんとオリビアさんだった。
確か、マイク様と一緒に生徒会に入ったんだっけ。
騒ぎを聞きつけて、学園の外まで様子を見にきた様だ。
「エマさん、オリビアさん。目の前の屋敷で、捜索に反抗して戦いが起きてます。生徒を学園に避難させて下さい」
「ええ、それは大変! 避難誘導は任せて!」
「僕はティナおばあさまと軍務卿と共に、屋敷に向かいます」
「アレク君、気をつけてね。怪我しちゃったら、お姉さん泣いちゃうよ」
早速エマさんとオリビアさんが、野次馬の学生を学園に戻る様に誘導をしている。
兵も一緒に誘導しているから、ここは大丈夫だろう。
僕達は軍務卿を先頭にして、門を通って屋敷の中に入っていく。
すると、屋敷の廊下では魔物化し腕が複数生えた次男が手当たり次第に屋敷の備品を投げまくっていて、複数の魔法兵が魔法障壁で何とか防いでいた。
大きな物音の正体は、魔法障壁に物があたって壊れる音なのか。
しかも、魔獣化した次男の側には怪我した侍従の姿もある。
これは急がないといけないぞ。
「農務卿、これは中々難儀だな」
「おお、軍務卿来てくれたか。ティナ様もアレク君も済まぬな」
部隊の臨時指揮をとっていた農務卿の所に、僕達も合流する。
早速軍務卿とルーカスお兄様が、農務卿から部隊の指揮を引き継いだ。
辺りは次男が投げた備品がバラバラに散らばっていて、壁に突き刺さったり窓ガラスを壊したりと、とにかく滅茶苦茶な状況だ。
あれ?
魔獣化した次男を鑑定すると、状態異常って出ているぞ。
もしかして、状態異常回復で元に戻るかもしれない。
試してみようかな?
「ジンさん、レイナさん、カミラさん。あの魔獣化した次男を鑑定したら、状態異常って出ています。もしかしたら、状態異常回復が魔獣化した次男に効果あるかもしれません」
「もし状態異常回復が効くのなら、対策もし易くなるわね」
「試して見る価値はありそうね」
「よし、ならアレクとプリンは魔力を溜めていろ。俺らが足を止めてくる」
「私も行くわ。アレク君、ダメだったら直ぐに雷撃に切り替えてね」
「はい」
早速僕とプリンは魔力を溜め始める。
ジンさんとレイナさんとカミラさん、それにティナおばあさまが魔獣化した次男に突っ込んでいく。
おお、四人とも凄いなあ。
魔法障壁を展開することなく次男がぶん投げる備品の嵐をすり抜けて、一気に魔獣化した次男に接近したぞ。
「凍りなさい!」
「ウゴー」
カミラさんが氷魔法を利用した吹雪を放ち、次男の足を止める。
魔獣化しても寒さは感じるんだ。
次男の動きが明らかに鈍くなった。
その隙を逃すまいと、更に攻撃を重ねていく。
「うおおお、食らいやがれ!」
「えやー!」
「せい!」
「グオオオオオオオオオ!」
「「「おお、物凄い」」」
動きが鈍くなった次男に対して、ジンさんとレイナさんとティナおばあさまの連撃が炸裂する。
流石にムノー子爵よりも皮膚は硬い様だけど、それでも腕を二本切り落とす事に成功した。
次男は武術の素養も魔法の素養もないのか、行動を制限すればあっという間に無力化できた。
周りで防御に専念している魔法兵も、思わず感嘆の声を漏らしている。
その間に、僕達も魔力が溜まった様だ。
「こっちはオッケーです!」
「よっしゃ。アレク、思いっきりやってしまえ!」
「はい!」
ジンさん達が素早く退避するのを確認してから、僕とプリンは合体魔法を放つ。
状態異常回復だから、ジンさん達に当たっても問題はないと思うけどね。
「えーい!」
「グォー!」
「お、良い感じに効いているな」
ジンさんが感想を漏らしているけど、良い感じに魔法が効いている。
段々と次男の大きくなった体が縮んでいき、何故か複数あった腕も一つになっていく。
「ふう、何とかうまくいった様です」
「はは、髪の毛は爺さんの様に真っ白になったがな」
次男はうつ伏せに倒れていたが、人間に戻っている様だ。
そして、次男の側には魔石の様な物も落ちているぞ。
次男は元に戻った様だけど、髪の毛は白髪だらけになってしまった。
鑑定したら問題ないと出ていたけど、やっぱり薬の影響はあるのかも知れないなあ。
「ほらジン、ぼーとしていないで怪我人の救出をするよ」
「へーい」
レイナさんがジンさんに声をかけているけど、思ったよりも怪我人が多い。
まあ、次男が屋敷の中がボロボロになるほど大暴れしたからどうしようもないよな。
「次男は厳重に拘束しろ。怪我人は庭に運び出すぞ」
軍務卿の号令で、兵が次々に動いていく。
次男は息はあるけどボロボロになっているから、素直に拘束されて担架で運ばれていく。
ジンさん達も手伝って、怪我人も運び出されていくぞ。
農務卿もやれやれって表情をしているぞ。
そういえば、何で農務卿がここにいるんだろうか?
「農務卿、何でここにいるんですか?」
「たまたま学園で講義をしていたんだよ。講義が終わったタイミングで陛下から連絡があってな、学園の目の前の貴族の屋敷に闇ギルド絡みで捜索が入るから手伝ってくれと」
農務卿は首をすくめているけど、結果的に農務卿が現場にいてくれたから僕達も迅速に駆けつける事が出来たんだよな。
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