68 / 866
第十二章 ジンさん達の結婚式
百九十三話 髪は女の命
しおりを挟む
「そう、結婚式の準備のお手伝いをするのね」
「そうなんだよ。とても楽しみ!」
次の日、王城に行った時にリズとスラちゃんとプリンがティナおばあさまに一生懸命に説明していた。
あの、リズとスラちゃんはともかくとして、プリンは打ち合わせの時はずっと寝ていたでしょうが。
リズは結婚式の準備がかなり楽しみの様で、全身で楽しみを表現していた。
「リズちゃんが飾り付けしてくれたと分かったら、ジンも喜んでくれるよ」
「うん、頑張るよ!」
すっかりやる気になっているのは良いのだけど、僕としては気になっていることがある。
またもやティナおばあさまのベッドの上に、沢山の衣装がどーんと並べられているからだ。
これからイベントがあるから、どう考えてもその分の衣装だ。
「今日は夏用の冒険者服に、陛下の誕生日パーティの服と、新しい侍従服を用意したのよ。五歳の祝いの服はもう少し待っていてね」
「ティナおばあさま、何故侍従服もあるのですか?」
「うふふ、本当にたまたまよ。この間共和国に行った時に着ていたでしょ? ちょっと小さいかなって思ったのよ」
確かにこの前共和国に行く道中で、僕とリズは侍従服をきていたけど、そこまで小さくないと思ったよ。
あ、既にリズは諦めの境地にいる。
そして、スラちゃんとプリンは、私関係ないよと言いたげにベッドの上で寝ていた。
プリンはともかくとして、スラちゃんは狸寝入りだろう。
それから二時間、僕とリズはまたもや着せ替え人形になっていた。
「うう、疲れたよ……」
「お疲れ様ね。あ、リズちゃんは誕生日パーティの服もあるから期待していてね」
「あ、うん。分かったよ、おばあちゃん」
流石に着せ替え人形になって疲れてしまったので、ティナおばあさまのベッドでお昼寝をする事に。
その際にまだまだ試着する物があると聞いて、リズは少しうんざりとしていた。
もうそろそろお昼寝時間を少なくしないといけないけど、流石に今日はぐっすりと眠っていた。
「これくらいなら、まだまだ大丈夫だよ。うちのお母さんとおばあちゃんは、本当に色々と服を用意していたのよ」
「へー、そうなんだ」
「兄弟や親戚が男の子ばかりで、一人だけ女の子ってのも影響したわ」
屋敷に戻ると、久々に辺境伯様の屋敷で夕食に招待されたので、リズがお昼の事を話していた。
ソフィアさんの所はもっと凄い事になっていたと聞いてびっくりしていた。
そりゃ、男の子ばかりの所に女の子が一人いたら、母親やおばあさんは可愛がるだろうな。
「男の子はあまり服のバリエーションは多くないけど、女の子は色々あるからね。私もエマとオリビアに色々と服を買ってあげたわ」
そして僕達の話に加わるイザベラ様。
辺境伯様とジェイド様は、少し苦笑いをしている。
女性のオシャレに対する熱意は凄いからな。
「リズちゃんは髪が短いし結ぶ必要もないけど、髪が長い人はリボンとかもいっぱい持っているのよ」
「あ、そういえば侍従のお姉さんも色違いのリボン持っていたよ」
「そうなのよ。髪の毛に命をかけている女性もいるからね」
「そうなんだ」
そういえば、髪の毛を色々とアレンジしている人もいるよな。
僕は男だから髪は短い方が楽で良いけど、その辺りは考え方が違うよね。
リズ、何で僕の事をじーっと見ているのかな?
「お兄ちゃんって、女の子の服も似合いそう」
あの、リズさん?
知っての通り、僕は男ですよ。
何で女性ものの服が似合うっていうんですか。
ほら、イザベラ様とソフィアさんがキラキラした目で僕を見ているよ。
「そうね、アレク君は美形だし、女装しても似合うかもね」
「この頃の男の子って、女の子より可愛い子もいるからね」
「あの、僕は男なので女装はしませんよ」
「「「えー!」」」
だから、三人揃って何でそんなに残念そうな表情をするんですか?
僕は若干貞操の危機を感じつつ、その日は何とかやり過ごしたのだった。
「そうなんだよ。とても楽しみ!」
次の日、王城に行った時にリズとスラちゃんとプリンがティナおばあさまに一生懸命に説明していた。
あの、リズとスラちゃんはともかくとして、プリンは打ち合わせの時はずっと寝ていたでしょうが。
リズは結婚式の準備がかなり楽しみの様で、全身で楽しみを表現していた。
「リズちゃんが飾り付けしてくれたと分かったら、ジンも喜んでくれるよ」
「うん、頑張るよ!」
すっかりやる気になっているのは良いのだけど、僕としては気になっていることがある。
またもやティナおばあさまのベッドの上に、沢山の衣装がどーんと並べられているからだ。
これからイベントがあるから、どう考えてもその分の衣装だ。
「今日は夏用の冒険者服に、陛下の誕生日パーティの服と、新しい侍従服を用意したのよ。五歳の祝いの服はもう少し待っていてね」
「ティナおばあさま、何故侍従服もあるのですか?」
「うふふ、本当にたまたまよ。この間共和国に行った時に着ていたでしょ? ちょっと小さいかなって思ったのよ」
確かにこの前共和国に行く道中で、僕とリズは侍従服をきていたけど、そこまで小さくないと思ったよ。
あ、既にリズは諦めの境地にいる。
そして、スラちゃんとプリンは、私関係ないよと言いたげにベッドの上で寝ていた。
プリンはともかくとして、スラちゃんは狸寝入りだろう。
それから二時間、僕とリズはまたもや着せ替え人形になっていた。
「うう、疲れたよ……」
「お疲れ様ね。あ、リズちゃんは誕生日パーティの服もあるから期待していてね」
「あ、うん。分かったよ、おばあちゃん」
流石に着せ替え人形になって疲れてしまったので、ティナおばあさまのベッドでお昼寝をする事に。
その際にまだまだ試着する物があると聞いて、リズは少しうんざりとしていた。
もうそろそろお昼寝時間を少なくしないといけないけど、流石に今日はぐっすりと眠っていた。
「これくらいなら、まだまだ大丈夫だよ。うちのお母さんとおばあちゃんは、本当に色々と服を用意していたのよ」
「へー、そうなんだ」
「兄弟や親戚が男の子ばかりで、一人だけ女の子ってのも影響したわ」
屋敷に戻ると、久々に辺境伯様の屋敷で夕食に招待されたので、リズがお昼の事を話していた。
ソフィアさんの所はもっと凄い事になっていたと聞いてびっくりしていた。
そりゃ、男の子ばかりの所に女の子が一人いたら、母親やおばあさんは可愛がるだろうな。
「男の子はあまり服のバリエーションは多くないけど、女の子は色々あるからね。私もエマとオリビアに色々と服を買ってあげたわ」
そして僕達の話に加わるイザベラ様。
辺境伯様とジェイド様は、少し苦笑いをしている。
女性のオシャレに対する熱意は凄いからな。
「リズちゃんは髪が短いし結ぶ必要もないけど、髪が長い人はリボンとかもいっぱい持っているのよ」
「あ、そういえば侍従のお姉さんも色違いのリボン持っていたよ」
「そうなのよ。髪の毛に命をかけている女性もいるからね」
「そうなんだ」
そういえば、髪の毛を色々とアレンジしている人もいるよな。
僕は男だから髪は短い方が楽で良いけど、その辺りは考え方が違うよね。
リズ、何で僕の事をじーっと見ているのかな?
「お兄ちゃんって、女の子の服も似合いそう」
あの、リズさん?
知っての通り、僕は男ですよ。
何で女性ものの服が似合うっていうんですか。
ほら、イザベラ様とソフィアさんがキラキラした目で僕を見ているよ。
「そうね、アレク君は美形だし、女装しても似合うかもね」
「この頃の男の子って、女の子より可愛い子もいるからね」
「あの、僕は男なので女装はしませんよ」
「「「えー!」」」
だから、三人揃って何でそんなに残念そうな表情をするんですか?
僕は若干貞操の危機を感じつつ、その日は何とかやり過ごしたのだった。
509
お気に入りに追加
8,644
あなたにおすすめの小説
とある婚約破棄の顛末
瀬織董李
ファンタジー
男爵令嬢に入れあげ生徒会の仕事を疎かにした挙げ句、婚約者の公爵令嬢に婚約破棄を告げた王太子。
あっさりと受け入れられて拍子抜けするが、それには理由があった。
まあ、なおざりにされたら心は離れるよね。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
王太子さま、側室さまがご懐妊です
家紋武範
恋愛
王太子の第二夫人が子どもを宿した。
愛する彼女を妃としたい王太子。
本妻である第一夫人は政略結婚の醜女。
そして国を奪い女王として君臨するとの噂もある。
あやしき第一夫人をどうにかして廃したいのであった。
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福論。〜飯作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
西園寺若葉
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。