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嫉妬
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「....よし、これで終わりか」
各門の間にいる魔族魔物はこれで全部倒したはずだ。
王都の周りを一周回った結果、どうやら
あとは門にいるやつらだけど、騎士や冒険者達に任せとおけばいいだろう。
「マスターのお手を煩わせてしまって申し訳ございません」
「あー、いいよいいよ。俺も動きたかったし。てか前までほぼ戦ってばっかりだったから、魔物が目の前にいるのに俺が戦わないってのはどうにも落ち着かなくってさ」
「マスターは戦うのがお好きなんですか?」
「好きではないかなー。ダルいし」
「ふふ、マスターらしいですね」
「なんだよー。俺らしいって」
そんな他愛もない話をしながら一番近い東門へと向かう。
門が見えてくると、冒険者達と魔物がせめぎ合ってる姿が見えた。少し魔物が押してるように見える。
「マスター、少し行ってきてよろしいでしょうか?」
それを見たメルから僅かだが殺気を感じた。
こいつまたかよ。さっきも魔族と魔物は全部殺すーとか言って俺の話も聞かず飛び出したからなぁ。
でも、俺の為に怒ってくれてるって分かったら、止めようがないしな。
「いいぞ。あ、でも目立つような事はするなよ。あくまで周りの冒険者に合わせること。いいな?」
俺がそう言うと、メルは冒険者達をチラッと見て不服そうな顔をした。
「魔物1匹に時間をかけ過ぎではありません?」
「そこはしょうがないんじゃないか?最低でもDランク以上の強さを誇るし」
今まで鑑定を使って見てきたけど、大体そのくらいだったはずだ。
因みにメルが戦ってる最中に、一番強そうな鬼の魔族のステータスを覗いてみたが、やはりステータスはとんでもなく、俺の加護が付いて強さが3倍になっているリーラを軽く凌駕していた。
あれなら多分、世界に一握りしかいないSSS級の冒険者といい勝負ではないだろうか。いやSSS級の冒険者の強さ知らないけどさ。
あ、メルは俺と同じくステータス不明ですよ
「どうする?」
「分かりました...」
そう言うと渋々といった感じで走って行った。
「んじゃまあ、俺達は家に帰りますか。な、リーラ」
今日余り話しているところを見なかった、俺の可愛い娘的な存在の少女に話しかけた。
「.....」
しかし、いくら待っても返事が返ってこない。
「リーラどうした?」
抱っこ状態で顔が見えなかったので、その場に下ろすと顔を背けられてしまった。
あれ、俺何かしたっけ?
リーラ検定で段を取っている俺が分からないなんて...
「....リーラ?」
「.......」
またしても返事が返ってこないので、リーラの前まで行ってみると、また顔を背けられた。
それを数回繰り返した所で、スピードを上げリーラが振り返る瞬間に、先に振り返る向きの方へ移動すると、「あ...」と声を出しその場で俯いてしまった。
「どうしたんだ?」
「......りーらと はなしてくれなかった」
なんだ、そんな事か。
俺はリーラの頭を撫でながら答える。
「ハハハ、ごめんなリーラ。確かに今日はずっとメルと喋っててリーラに構ってやれなかったな」
「むー」
「今は2人っきりだから、いっぱい話せるぞ。帰りながら何か話そうか」
「........」
あれー?おっかしいなぁ。いつもはこれくらいで機嫌を直すのになぁ。
「んー...どうすっかなー」
「.....て」
「ん?」
「て、つないで」
「いいぞ。んなのでいいのか」
笑いながらリーラの右手を取る。
「えへへー」
たちまち笑顔になったリーラに、ちょろいのか分かんないなと微笑する。
「らいとー」
「んー?なんだ?」
「えへへー呼んでみただけー」
各門の間にいる魔族魔物はこれで全部倒したはずだ。
王都の周りを一周回った結果、どうやら
あとは門にいるやつらだけど、騎士や冒険者達に任せとおけばいいだろう。
「マスターのお手を煩わせてしまって申し訳ございません」
「あー、いいよいいよ。俺も動きたかったし。てか前までほぼ戦ってばっかりだったから、魔物が目の前にいるのに俺が戦わないってのはどうにも落ち着かなくってさ」
「マスターは戦うのがお好きなんですか?」
「好きではないかなー。ダルいし」
「ふふ、マスターらしいですね」
「なんだよー。俺らしいって」
そんな他愛もない話をしながら一番近い東門へと向かう。
門が見えてくると、冒険者達と魔物がせめぎ合ってる姿が見えた。少し魔物が押してるように見える。
「マスター、少し行ってきてよろしいでしょうか?」
それを見たメルから僅かだが殺気を感じた。
こいつまたかよ。さっきも魔族と魔物は全部殺すーとか言って俺の話も聞かず飛び出したからなぁ。
でも、俺の為に怒ってくれてるって分かったら、止めようがないしな。
「いいぞ。あ、でも目立つような事はするなよ。あくまで周りの冒険者に合わせること。いいな?」
俺がそう言うと、メルは冒険者達をチラッと見て不服そうな顔をした。
「魔物1匹に時間をかけ過ぎではありません?」
「そこはしょうがないんじゃないか?最低でもDランク以上の強さを誇るし」
今まで鑑定を使って見てきたけど、大体そのくらいだったはずだ。
因みにメルが戦ってる最中に、一番強そうな鬼の魔族のステータスを覗いてみたが、やはりステータスはとんでもなく、俺の加護が付いて強さが3倍になっているリーラを軽く凌駕していた。
あれなら多分、世界に一握りしかいないSSS級の冒険者といい勝負ではないだろうか。いやSSS級の冒険者の強さ知らないけどさ。
あ、メルは俺と同じくステータス不明ですよ
「どうする?」
「分かりました...」
そう言うと渋々といった感じで走って行った。
「んじゃまあ、俺達は家に帰りますか。な、リーラ」
今日余り話しているところを見なかった、俺の可愛い娘的な存在の少女に話しかけた。
「.....」
しかし、いくら待っても返事が返ってこない。
「リーラどうした?」
抱っこ状態で顔が見えなかったので、その場に下ろすと顔を背けられてしまった。
あれ、俺何かしたっけ?
リーラ検定で段を取っている俺が分からないなんて...
「....リーラ?」
「.......」
またしても返事が返ってこないので、リーラの前まで行ってみると、また顔を背けられた。
それを数回繰り返した所で、スピードを上げリーラが振り返る瞬間に、先に振り返る向きの方へ移動すると、「あ...」と声を出しその場で俯いてしまった。
「どうしたんだ?」
「......りーらと はなしてくれなかった」
なんだ、そんな事か。
俺はリーラの頭を撫でながら答える。
「ハハハ、ごめんなリーラ。確かに今日はずっとメルと喋っててリーラに構ってやれなかったな」
「むー」
「今は2人っきりだから、いっぱい話せるぞ。帰りながら何か話そうか」
「........」
あれー?おっかしいなぁ。いつもはこれくらいで機嫌を直すのになぁ。
「んー...どうすっかなー」
「.....て」
「ん?」
「て、つないで」
「いいぞ。んなのでいいのか」
笑いながらリーラの右手を取る。
「えへへー」
たちまち笑顔になったリーラに、ちょろいのか分かんないなと微笑する。
「らいとー」
「んー?なんだ?」
「えへへー呼んでみただけー」
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