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第30話
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サキの家を後にし、車に乗り込みまた養護施設へと向かう。
清水という教師について尋ねるためだ。
「樫本、お前どうする?」
岩本さんの言葉に、俺は一瞬何を聞かれているのかわからずぽかんとしてしまった。
「え?」
「もし帰りたければ、先に帰ってもいいぞ。天宮くんの傍には河合くんがついてるが・・・・心配なんだろう?」
俺は、唇を噛みしめた。
もちろん、皐月が心配だ。
犯人にまた狙われるかもしれないということを考えれば、傍についていてやりたいとも思う。
だけど・・・・
「いえ・・・・。浩斗くんがついていれば、大丈夫です」
「樫本さん」
「大丈夫だよ。浩斗くんなら、皐月を守ってくれる」
「樫本さん、でも、皐月くんは―――」
「岩本さん、行きましょう」
「―――わかった」
岩本さんが前を向き、車を発進させた。
関はまだ何か言いたそうに俺を見ていたけれど―――
俺は、関の視線を避けるように窓の外へと視線を向けた。
―――わかってる。関の言いたいことは。
こんな時だからこそきっと皐月は不安で、その皐月の傍にいなきゃいけないのは、俺だ。
西村サキの話は・・・・予想はしていたんだ。
関が養護施設の藤崎という女性職員と話しているのを聞いた時から。
あの今野という男が、皐月に何をしたのか。
その時のことで、皐月を責めるつもりはない。
だってそれは皐月のせいではないんだから。
悪いのは今野俊樹だ。
そして、その事実を知ったからと言って俺の気持ちも変わらない。
過去に何があったって、俺は皐月が好きだ。
だからこそ―――
俺は、隣で暗い顔をしている関を見た。
「―――関、大丈夫だから」
「え・・・・?」
「犯人は、必ず捕まえる。絶対に・・・・逃がしたりしない」
「樫本さん・・・・」
「俺が、皐月を守る」
今皐月の傍に行っても、俺はきっと平静ではいられない。
今野にレイプされ、ずっと苦しんできた皐月の心を癒してやるには、俺がもっと強い心でいなくちゃいけないんだ。
だからこそ、事件の犯人を俺の手で、一刻も早く捕まえたかった。
皐月の心にある不安を全て、俺の手で除いてやりたかった・・・・・。
清水という教師について尋ねるためだ。
「樫本、お前どうする?」
岩本さんの言葉に、俺は一瞬何を聞かれているのかわからずぽかんとしてしまった。
「え?」
「もし帰りたければ、先に帰ってもいいぞ。天宮くんの傍には河合くんがついてるが・・・・心配なんだろう?」
俺は、唇を噛みしめた。
もちろん、皐月が心配だ。
犯人にまた狙われるかもしれないということを考えれば、傍についていてやりたいとも思う。
だけど・・・・
「いえ・・・・。浩斗くんがついていれば、大丈夫です」
「樫本さん」
「大丈夫だよ。浩斗くんなら、皐月を守ってくれる」
「樫本さん、でも、皐月くんは―――」
「岩本さん、行きましょう」
「―――わかった」
岩本さんが前を向き、車を発進させた。
関はまだ何か言いたそうに俺を見ていたけれど―――
俺は、関の視線を避けるように窓の外へと視線を向けた。
―――わかってる。関の言いたいことは。
こんな時だからこそきっと皐月は不安で、その皐月の傍にいなきゃいけないのは、俺だ。
西村サキの話は・・・・予想はしていたんだ。
関が養護施設の藤崎という女性職員と話しているのを聞いた時から。
あの今野という男が、皐月に何をしたのか。
その時のことで、皐月を責めるつもりはない。
だってそれは皐月のせいではないんだから。
悪いのは今野俊樹だ。
そして、その事実を知ったからと言って俺の気持ちも変わらない。
過去に何があったって、俺は皐月が好きだ。
だからこそ―――
俺は、隣で暗い顔をしている関を見た。
「―――関、大丈夫だから」
「え・・・・?」
「犯人は、必ず捕まえる。絶対に・・・・逃がしたりしない」
「樫本さん・・・・」
「俺が、皐月を守る」
今皐月の傍に行っても、俺はきっと平静ではいられない。
今野にレイプされ、ずっと苦しんできた皐月の心を癒してやるには、俺がもっと強い心でいなくちゃいけないんだ。
だからこそ、事件の犯人を俺の手で、一刻も早く捕まえたかった。
皐月の心にある不安を全て、俺の手で除いてやりたかった・・・・・。
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