45 / 50
第45話 ローレンと執事
しおりを挟む
闘神の加護をいただいたことでリアムはどうしてもタイガにこのスキルを取得させたいがために学院に交渉していた。
もともと執事やメイド達を連れてのダンジョン攻略は禁止されていたが、学院生の執事やメイドだけでの攻略やダンジョンに入ることの記載がないことをいいことに担任に掛け合い何とか許可をいただいた。
もちろん今後のために貴族の執事やメイドに戦闘経験やすこしでもレベルを上げて貰いたいためとあらゆる方便を使ったのである。
タイガとユミルは今までリアムの命により神のダンジョンでの調査およびレベル上げ、そして王都の情報収集をしていた。
神のダンジョンでは下層~中層を無理なく調べられる範囲で行っていたのだが、今では氷のユミルと執事服の鬼神として有名なのである。
何故ならば下層で情報収集の間に幾度となく冒険者達を救い、その様子が神のビジョンに映し出されるのである。
各言う希望の星学院のローレンもその内の一人である。
炎技のスキルを持ち、自在に炎を纏わせて戦うローレンなのだが神のダンジョンに入ってからは相性の悪い魔物やトラップに翻弄されていた。
湖のステージにてマーメイドと戦闘した時のことである。
回復魔法持ちの仲間がマーメイドに魅了され、前衛は水のゴーレムや魔物の水魔法を防ぐので精一杯。
そんな中リザードンが左右から押し寄せてくる絶体絶命の場面となっていた。
魅了された仲間を気絶させ撤退させたいローレンであったが、思うように後退できずにいた。
そんな時タイガとユミルが話しかける。
「お困りですかな?手助けはいりますか?」
ローレンは声の方を確認してすぐに返事をする。
「頼む、お礼はなんでもする」
その言葉を聞いた瞬間タイガは水ゴーレムとローレンの間に割って入り、水ゴーレムを内部破壊により瞬殺させていく。
ユミルは詠唱と共に左右のリザードンを凍らせていく。それが終ると後衛にいる魔物に氷の槍を放っていく。
それを見たタイガが左右の凍っているリザードンに内部破裂で倒していく。
またたく間に二人だけで魔物を殲滅し、再びローレンに話しかける。
「もう大丈夫でしょう。今日は帰ってもう休まれた方がいいですな」
そう言うとタイガとユミルは立ち去ろうとした。
「ま、まってくれ。お礼がしたい!それと出来れば話がしたい」
「貴方の仲間も今はお辛いでしょうから、お話しは夜ギルドの酒場でするとしましょう」
ローレンはそう言い立ち去るタイガをずっと見つめていた。
その夜。
ローレンは一人でギルドの酒場に来たのだが、すでにタイガとユミルは酒場で食事をしていた。
タイガ達の席に座り簡単な挨拶を交わし終えるとローレンはここ最近悩んでいたことを素直にぶちまけていた。
学院のダンジョンをクリアした順番が2位で焦っていたこと。思うように仲間が俺の基準についてこないことなど、本来なら今日初めて会う者に話す内容ではないことと知っていながらも話しをしていた。
タイガは親身に聞き話だした。
「ローレン殿は何故、最速にこだわるのですかな?」
「気付いているとは思うので話すが、貴族としての重圧やプライドがそうさせている」
「そうですか。ちなみにダンジョン攻略が遅れ学院の順位が悪くなると家柄的にはどうなりますかな?」
「お叱りを受けるが、それ以外には何もないと思う」
「そうですか。ではローレン殿のプライドの問題ではないのでしょうか?」
「そう…なのか?」
「では一つ聞きますが、お叱りを受けるのとパーティメンバーが一人死ぬことではどちらが嫌ですか?」
「そんなの仲間が死ぬことに決まっている。あっ…、、。」
「気付いたようですな。叱られるのは誰だって嫌なものです。しかし、仲間の命には到底及びません。さらに焦ることで本来見えていることすら見えなくなります」
「そう…だな」
そう言うとローレンは何か深く考えこんでいるのでタイガはそっと見守っている。
もともと執事やメイド達を連れてのダンジョン攻略は禁止されていたが、学院生の執事やメイドだけでの攻略やダンジョンに入ることの記載がないことをいいことに担任に掛け合い何とか許可をいただいた。
もちろん今後のために貴族の執事やメイドに戦闘経験やすこしでもレベルを上げて貰いたいためとあらゆる方便を使ったのである。
タイガとユミルは今までリアムの命により神のダンジョンでの調査およびレベル上げ、そして王都の情報収集をしていた。
神のダンジョンでは下層~中層を無理なく調べられる範囲で行っていたのだが、今では氷のユミルと執事服の鬼神として有名なのである。
何故ならば下層で情報収集の間に幾度となく冒険者達を救い、その様子が神のビジョンに映し出されるのである。
各言う希望の星学院のローレンもその内の一人である。
炎技のスキルを持ち、自在に炎を纏わせて戦うローレンなのだが神のダンジョンに入ってからは相性の悪い魔物やトラップに翻弄されていた。
湖のステージにてマーメイドと戦闘した時のことである。
回復魔法持ちの仲間がマーメイドに魅了され、前衛は水のゴーレムや魔物の水魔法を防ぐので精一杯。
そんな中リザードンが左右から押し寄せてくる絶体絶命の場面となっていた。
魅了された仲間を気絶させ撤退させたいローレンであったが、思うように後退できずにいた。
そんな時タイガとユミルが話しかける。
「お困りですかな?手助けはいりますか?」
ローレンは声の方を確認してすぐに返事をする。
「頼む、お礼はなんでもする」
その言葉を聞いた瞬間タイガは水ゴーレムとローレンの間に割って入り、水ゴーレムを内部破壊により瞬殺させていく。
ユミルは詠唱と共に左右のリザードンを凍らせていく。それが終ると後衛にいる魔物に氷の槍を放っていく。
それを見たタイガが左右の凍っているリザードンに内部破裂で倒していく。
またたく間に二人だけで魔物を殲滅し、再びローレンに話しかける。
「もう大丈夫でしょう。今日は帰ってもう休まれた方がいいですな」
そう言うとタイガとユミルは立ち去ろうとした。
「ま、まってくれ。お礼がしたい!それと出来れば話がしたい」
「貴方の仲間も今はお辛いでしょうから、お話しは夜ギルドの酒場でするとしましょう」
ローレンはそう言い立ち去るタイガをずっと見つめていた。
その夜。
ローレンは一人でギルドの酒場に来たのだが、すでにタイガとユミルは酒場で食事をしていた。
タイガ達の席に座り簡単な挨拶を交わし終えるとローレンはここ最近悩んでいたことを素直にぶちまけていた。
学院のダンジョンをクリアした順番が2位で焦っていたこと。思うように仲間が俺の基準についてこないことなど、本来なら今日初めて会う者に話す内容ではないことと知っていながらも話しをしていた。
タイガは親身に聞き話だした。
「ローレン殿は何故、最速にこだわるのですかな?」
「気付いているとは思うので話すが、貴族としての重圧やプライドがそうさせている」
「そうですか。ちなみにダンジョン攻略が遅れ学院の順位が悪くなると家柄的にはどうなりますかな?」
「お叱りを受けるが、それ以外には何もないと思う」
「そうですか。ではローレン殿のプライドの問題ではないのでしょうか?」
「そう…なのか?」
「では一つ聞きますが、お叱りを受けるのとパーティメンバーが一人死ぬことではどちらが嫌ですか?」
「そんなの仲間が死ぬことに決まっている。あっ…、、。」
「気付いたようですな。叱られるのは誰だって嫌なものです。しかし、仲間の命には到底及びません。さらに焦ることで本来見えていることすら見えなくなります」
「そう…だな」
そう言うとローレンは何か深く考えこんでいるのでタイガはそっと見守っている。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
魔銃士(ガンナー)とフェンリル ~最強殺し屋が異世界転移して冒険者ライフを満喫します~
三田村優希(または南雲天音)
ファンタジー
依頼完遂率100%の牧野颯太は凄腕の暗殺者。世界を股にかけて依頼をこなしていたがある日、暗殺しようとした瞬間に落雷に見舞われた。意識を手放す颯太。しかし次に目覚めたとき、彼は異様な光景を目にする。
眼前には巨大な狼と蛇が戦っており、子狼が悲痛な遠吠えをあげている。
暗殺者だが犬好きな颯太は、コルト・ガバメントを引き抜き蛇の眉間に向けて撃つ。しかし蛇は弾丸などかすり傷にもならない。
吹き飛ばされた颯太が宝箱を目にし、武器はないかと開ける。そこには大ぶりな回転式拳銃(リボルバー)があるが弾がない。
「氷魔法を撃って! 水色に合わせて、早く!」
巨大な狼の思念が頭に流れ、颯太は色づけされたチャンバーを合わせ撃つ。蛇を一撃で倒したが巨大な狼はそのまま絶命し、子狼となりゆきで主従契約してしまった。
異世界転移した暗殺者は魔銃士(ガンナー)として冒険者ギルドに登録し、相棒の子フェンリルと共に様々なダンジョン踏破を目指す。
【他サイト掲載】カクヨム・エブリスタ
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
未来人が未開惑星に行ったら無敵だった件
藤岡 フジオ
ファンタジー
四十一世紀の地球。殆どの地球人が遺伝子操作で超人的な能力を有する。
日本地区で科学者として生きるヒジリ(19)は転送装置の事故でアンドロイドのウメボシと共にとある未開惑星に飛ばされてしまった。
そこはファンタジー世界そのままの星で、魔法が存在していた。
魔法の存在を感知できず見ることも出来ないヒジリではあったが、パワードスーツやアンドロイドの力のお陰で圧倒的な力を惑星の住人に見せつける!
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
とある女帝と偽善者
しがついつか
ファンタジー
アインス帝国の女帝ローズが、捕らえた魔獣の殺処分を執り行おうとしたところ、邪魔が入った。
それは、一部の者から聖女と呼ばれている治癒師の少女だった。
少女は魔獣を殺すのは可哀想だと訴える。
対する女帝は言った。「可哀想だからなんだというのだ?」と。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる