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battle3…初乱闘
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村から出て、雅は色々なことを聞かれていた。好きな食べ物や力の事、世間話にもなるくらいの内容ばかり…
「…でさでさ!雅って誕生日いつ?」
「なんだ唐突にその質問」
「いえ、悟浄?大事ですよ?誕生パーティーも出来ますし!」
「そうだよなぁ!で、いつ?」
「私、十一月二十九日だよ、もぉ時期冬って時…でもあんまり誕生日は好きじゃない、かな」
「…ぶは」
思いっきり吹き出したのは悟浄だった。腹を抱えてジープの上でのたうち回る。
「悟浄?失礼ですよ?」
「だって…ひーひひ…!!あー腹いてぇ!」
「悟浄!」
「……そんなに笑いますか…?」
「だって、同じ誕生日でこうも違うんだぜ?」
「あー!!そうか!!」
「え…?」
「三蔵とおんなじだぁ!」
「……うるせぇ」
「だから雅誕生日嫌いなのか…」
「そうじゃなくて…」
「…うるせぇ」
「生臭坊主と同じ誕生日じゃぁそら嫌かぁ」
「恐らく雅ちゃんの嫌いな理由は違うと思いますが…」
「あーマジうける!月とスッポ『ガチャリ…』ちょ…」
悟浄の言葉を遮るように助手席から体を反転させ、身を乗りだした三蔵が銃口を悟浄の額に近付ける。
「うるせぇって言ってんだろうが、このゴキブリ河童が…」
「ちょ…!この距離はまずいって!マジで死ぬ!三蔵さま!!」
「ほう、なら一回死んでみろ。もう少し大人しくなって生まれ変われたら良いよなぁ」
「はは、三蔵?死んだら生き返れませんよ?」
和やかに見えるがかなり大胆にも聞こえる会話。雅はおろおろしながら見ていた。
「あの、私誕生日会とか、要らないので…!三蔵さんをお祝いしてあげてください!」
「…は?」
「だって…今まで一人のお誕生日会が私入って半分になったら…」
「バカか…てめぇは」
そう一言言い放つと三蔵はカチャリと銃を引いて懐にしまう。
「誕生日会なんざ要らねぇよ。」
「あ………そうですね…まだ誕生日先ですし…」
ふっと暗くなった雅の顔色に悟浄がいち早く気付いた。
「三蔵が要らねぇって言っても雅まで、んな暗い顔しなくて良いじゃねぇの。」
「…でも……」
「ん?」
「次の町まで連れていってもらってお別れなのに…」
「んぁ?」
「え…?」
「そうなの!?」
「……だってあの村から連れ出してくれただけで…」
「バカだろ…」
「……あの!お言葉ですが!」
ばか、と言い放つ三蔵に対して雅はもの申し出した。
「さっきからバカバカって失礼です!そりゃ確かに三蔵様にしたらバカかもしれないけど、そんな風に言わなくてもいいじゃないですか!」
「…おぉー、言うねぇ」
「バカにバカと言って何が悪い」
「じゃぁ何をもってバカと言うんですか!?」
「じゃぁ聞くが、誰が次の町までと言った?」
「…え?」
「確かに、誰も言ってませんねぇ」
「だって、私なんて…」
「あー、雅ちゃん、それ止めにしましょう?」
「八戒さん?」
「それも無し、八戒でいいですよ」
「俺も悟浄で」
「俺も悟空でいーよ!!」
「解りました」
「それですよ、敬語。三蔵が二十四、僕と悟浄が二十三、悟空は十九、で、雅が二十一。ほぼ同じ年ですからね。」
「三蔵さん二十四才!?」
「…悪いか」
「おっさんだよなぁ!」
スパーーーァァァン!
悟浄の一言と間髪いれずにハリセンが飛んでくる。
「三蔵も呼び捨てでいいですよね」
「好きにしろ」
「…だそうですよ?」
「解った、ありがとぉ」
「気にしないでくださいね?あ、」
その八戒の『あっ』の言葉と同時にジープは止まる。
「雅?隠れてな?」
「え、隠れるって…」
そう話している最中から色々な方面から妖怪が姿を表す。
「居たぜ、三蔵一行だ」
「ケケ…行くぜ?」
「あーらら、全く…モッテモテだねぇ、相変わらずうちの三蔵サマは☆」
「いらん」
「あれ…妖怪…しかもあんなにたくさん!?」
「まぁ、何と言いますか、三蔵のファンクラブの皆さん達とでも言いましょうか」
「下らんこと言ってねぇでさっさと殺れ」
「へーへー」
「珍しく村で来なかったからなぁ、鈍っちゃうとこだった!」
そう言うと三蔵と雅を残して三人はジープを降りる。
「あっれー?三蔵は?」
「あの程度お前らだけで十分だろうが」
「悟空、悟浄?察してあげてください?」
「何を?」
「雅を守るって約束ですよ」
「あ、なーる!!そうならそうと言えばいいのに、三蔵サマったら照れ屋さ『ガウンッ!』ん…」
またしても悟浄の言葉の間に銃が唸りをあげる。しかし、悟浄を黙らせるだけではなく、妖怪を一匹仕留めていた。
「え…今…消えた…?」
「あぁ、これは昇霊銃。妖怪共を蹴散らすにはちょうど良い。」
「じゃぁ人間の悟浄じゃ…効かないんじゃ…」
「深傷を追わせることは可能だ。それにあいつらはただの人間じゃねぇ。妖怪だ。」
その一言を聞いて雅は自信の耳をも疑った。
「妖…怪?」
「あぁ。悟浄と八戒は妖怪。正確には悟浄は人間と妖怪のハーフだ。悟空は、岩から生まれたそれこそ異端児だ。」
「異端…児……?」
「で、俺はただの三蔵だ。お前を救ったのは紛れもない妖怪と異端児とただの三蔵。怖くなったか?」
「怖くなんて…」
怖くない…そう答えたかったはずなのに雅の手はカタカタと小さく震えていた。三蔵から突きつけられた事実と、目の前で今まさに終わりを告げた戦いと、その戦いを笑顔で楽しむように妖怪に向かう人……知るまでは怖いなんて思わなかったのに、今では震えが止まらないでいる自身がどうしてなのか、解らなくなっていた。話しながらジープのもとに戻る三人が付く前に三蔵は雅に問うていた。
「次の町までに一日、二日ある。それまでに考えれば良い。次の町に残るか、俺達と来るか…」
そう言い追えると同時に三人は乗り込んできた。
「なぁぁぁ三蔵ぉぉぉぉ!腹減ったぁぁぁぁ!」
「うるせぇ」
「何でだよぉぅぅぅぅ」
「黙れ」
「雅だってきっと腹減ってるって言うよ!?」
「黙れって言ってんだろうが!」
「ねぇ悟空?豚まん、食べる?」
「いいのか!?やったぁ!いっただっきまぁす!」
そういいパクッと食いつく悟空を見て、隣で悟浄が雅に聞いた。
「あれってさぁ?今朝悟空に貰った奴?」
「ん、そぉ。お腹空いたって言ったから…」
「わういあ!おえまいえうあひ!」
「何言ってんだ?」
「マジで旨い!ってんの!」
「ちゃんとのみこんでから言え…」
そうこう話しながらも雅はさっき三蔵に言われていた言葉、話してくれた内容が頭から離れずに居た。
「……やび、雅?!」
「え?」
「どうしたよ、気分でも悪い?」
「そんな事ないよ?ちょっと考え事…」
「さっきの間になんか三蔵にいわれた?」
「大丈夫!ありがとう、悟浄」
「そうそう、話が途中になっちゃいましたが、雅?これからは『私なんか』はNGワードです。言ったら三蔵のハリセンの刑にしますよ?」
「え、それは嫌だけど…でも…」
「私なんか、ではないんです。雅は雅の良さがあり、その力も雅?あなたの個性ですから。」
「…個性……」
「まぁそうだな、悪くはないんじゃねぇか?」
「俺は雅の魔法?好きだよ!キラキラしてすげぇキレイだし!」
「俺も、猿に同意だな。」
「猿って言うな!」
「クスクス、ありがとう」
「それに…」
ふと付け加えた八戒。
「妖怪が村の外には居るのに、なぜ村に押し入ってこなかったか…解りますか?」
「え…?人間には興味ないからじゃ…」
「あなたですよ、雅。」
「私?」
「恐らく。確信や根拠はないですが、いつも外に居たあなたは人知れず力を上手く使える様にコントロールの練習をして居た。それが妖力でなく魔力であっても妖怪達には驚異の力と感じ取ったのでしょう。それが十年となれば自然と寄り付かなくなります。」
「そっか……ちょっとまって、だとしたら今のあの村は…!」
「少しの間は持ちます。それがどの位持続するかは僕らにも解りません。効果が切れた時に襲われるかもしれませんし、なぜか襲われない村や町も少なからず存在しますから。」
「どっちにしろ気にする必要はない。要らないと言ってきたのはそもそもあいつらだ。雅が気に病むことはねぇだろうが。」
「三蔵?言い方」
「事実だろうが。それでも十そこそこの子供の力に今まで知らなかったとはいえ頼っていたのはあの大人共だ。雅に感謝することは実際なくても、無能な妖怪共がペラペラと話すだろうしな。」
「その時に雅に守られてたんだって気付かされんだろうな。」
「お前が気にすることはない。むしろ誇れることをして来たんだ。お前はあの村で、存在価値がないと言われてたみたいだかな、十分すぎる程の価値があった。それを忘れるな。」
「ほぉ…珍しいな、三蔵がそんなに褒めるなんて。」
「ほんとだ。」
「まぁ、事実ですからね。」
「あの…ありがとぉ…三蔵…」
「…フン」
三蔵の言葉に、にこりと笑い、雅は手のひらをみつめていた。
「…でさでさ!雅って誕生日いつ?」
「なんだ唐突にその質問」
「いえ、悟浄?大事ですよ?誕生パーティーも出来ますし!」
「そうだよなぁ!で、いつ?」
「私、十一月二十九日だよ、もぉ時期冬って時…でもあんまり誕生日は好きじゃない、かな」
「…ぶは」
思いっきり吹き出したのは悟浄だった。腹を抱えてジープの上でのたうち回る。
「悟浄?失礼ですよ?」
「だって…ひーひひ…!!あー腹いてぇ!」
「悟浄!」
「……そんなに笑いますか…?」
「だって、同じ誕生日でこうも違うんだぜ?」
「あー!!そうか!!」
「え…?」
「三蔵とおんなじだぁ!」
「……うるせぇ」
「だから雅誕生日嫌いなのか…」
「そうじゃなくて…」
「…うるせぇ」
「生臭坊主と同じ誕生日じゃぁそら嫌かぁ」
「恐らく雅ちゃんの嫌いな理由は違うと思いますが…」
「あーマジうける!月とスッポ『ガチャリ…』ちょ…」
悟浄の言葉を遮るように助手席から体を反転させ、身を乗りだした三蔵が銃口を悟浄の額に近付ける。
「うるせぇって言ってんだろうが、このゴキブリ河童が…」
「ちょ…!この距離はまずいって!マジで死ぬ!三蔵さま!!」
「ほう、なら一回死んでみろ。もう少し大人しくなって生まれ変われたら良いよなぁ」
「はは、三蔵?死んだら生き返れませんよ?」
和やかに見えるがかなり大胆にも聞こえる会話。雅はおろおろしながら見ていた。
「あの、私誕生日会とか、要らないので…!三蔵さんをお祝いしてあげてください!」
「…は?」
「だって…今まで一人のお誕生日会が私入って半分になったら…」
「バカか…てめぇは」
そう一言言い放つと三蔵はカチャリと銃を引いて懐にしまう。
「誕生日会なんざ要らねぇよ。」
「あ………そうですね…まだ誕生日先ですし…」
ふっと暗くなった雅の顔色に悟浄がいち早く気付いた。
「三蔵が要らねぇって言っても雅まで、んな暗い顔しなくて良いじゃねぇの。」
「…でも……」
「ん?」
「次の町まで連れていってもらってお別れなのに…」
「んぁ?」
「え…?」
「そうなの!?」
「……だってあの村から連れ出してくれただけで…」
「バカだろ…」
「……あの!お言葉ですが!」
ばか、と言い放つ三蔵に対して雅はもの申し出した。
「さっきからバカバカって失礼です!そりゃ確かに三蔵様にしたらバカかもしれないけど、そんな風に言わなくてもいいじゃないですか!」
「…おぉー、言うねぇ」
「バカにバカと言って何が悪い」
「じゃぁ何をもってバカと言うんですか!?」
「じゃぁ聞くが、誰が次の町までと言った?」
「…え?」
「確かに、誰も言ってませんねぇ」
「だって、私なんて…」
「あー、雅ちゃん、それ止めにしましょう?」
「八戒さん?」
「それも無し、八戒でいいですよ」
「俺も悟浄で」
「俺も悟空でいーよ!!」
「解りました」
「それですよ、敬語。三蔵が二十四、僕と悟浄が二十三、悟空は十九、で、雅が二十一。ほぼ同じ年ですからね。」
「三蔵さん二十四才!?」
「…悪いか」
「おっさんだよなぁ!」
スパーーーァァァン!
悟浄の一言と間髪いれずにハリセンが飛んでくる。
「三蔵も呼び捨てでいいですよね」
「好きにしろ」
「…だそうですよ?」
「解った、ありがとぉ」
「気にしないでくださいね?あ、」
その八戒の『あっ』の言葉と同時にジープは止まる。
「雅?隠れてな?」
「え、隠れるって…」
そう話している最中から色々な方面から妖怪が姿を表す。
「居たぜ、三蔵一行だ」
「ケケ…行くぜ?」
「あーらら、全く…モッテモテだねぇ、相変わらずうちの三蔵サマは☆」
「いらん」
「あれ…妖怪…しかもあんなにたくさん!?」
「まぁ、何と言いますか、三蔵のファンクラブの皆さん達とでも言いましょうか」
「下らんこと言ってねぇでさっさと殺れ」
「へーへー」
「珍しく村で来なかったからなぁ、鈍っちゃうとこだった!」
そう言うと三蔵と雅を残して三人はジープを降りる。
「あっれー?三蔵は?」
「あの程度お前らだけで十分だろうが」
「悟空、悟浄?察してあげてください?」
「何を?」
「雅を守るって約束ですよ」
「あ、なーる!!そうならそうと言えばいいのに、三蔵サマったら照れ屋さ『ガウンッ!』ん…」
またしても悟浄の言葉の間に銃が唸りをあげる。しかし、悟浄を黙らせるだけではなく、妖怪を一匹仕留めていた。
「え…今…消えた…?」
「あぁ、これは昇霊銃。妖怪共を蹴散らすにはちょうど良い。」
「じゃぁ人間の悟浄じゃ…効かないんじゃ…」
「深傷を追わせることは可能だ。それにあいつらはただの人間じゃねぇ。妖怪だ。」
その一言を聞いて雅は自信の耳をも疑った。
「妖…怪?」
「あぁ。悟浄と八戒は妖怪。正確には悟浄は人間と妖怪のハーフだ。悟空は、岩から生まれたそれこそ異端児だ。」
「異端…児……?」
「で、俺はただの三蔵だ。お前を救ったのは紛れもない妖怪と異端児とただの三蔵。怖くなったか?」
「怖くなんて…」
怖くない…そう答えたかったはずなのに雅の手はカタカタと小さく震えていた。三蔵から突きつけられた事実と、目の前で今まさに終わりを告げた戦いと、その戦いを笑顔で楽しむように妖怪に向かう人……知るまでは怖いなんて思わなかったのに、今では震えが止まらないでいる自身がどうしてなのか、解らなくなっていた。話しながらジープのもとに戻る三人が付く前に三蔵は雅に問うていた。
「次の町までに一日、二日ある。それまでに考えれば良い。次の町に残るか、俺達と来るか…」
そう言い追えると同時に三人は乗り込んできた。
「なぁぁぁ三蔵ぉぉぉぉ!腹減ったぁぁぁぁ!」
「うるせぇ」
「何でだよぉぅぅぅぅ」
「黙れ」
「雅だってきっと腹減ってるって言うよ!?」
「黙れって言ってんだろうが!」
「ねぇ悟空?豚まん、食べる?」
「いいのか!?やったぁ!いっただっきまぁす!」
そういいパクッと食いつく悟空を見て、隣で悟浄が雅に聞いた。
「あれってさぁ?今朝悟空に貰った奴?」
「ん、そぉ。お腹空いたって言ったから…」
「わういあ!おえまいえうあひ!」
「何言ってんだ?」
「マジで旨い!ってんの!」
「ちゃんとのみこんでから言え…」
そうこう話しながらも雅はさっき三蔵に言われていた言葉、話してくれた内容が頭から離れずに居た。
「……やび、雅?!」
「え?」
「どうしたよ、気分でも悪い?」
「そんな事ないよ?ちょっと考え事…」
「さっきの間になんか三蔵にいわれた?」
「大丈夫!ありがとう、悟浄」
「そうそう、話が途中になっちゃいましたが、雅?これからは『私なんか』はNGワードです。言ったら三蔵のハリセンの刑にしますよ?」
「え、それは嫌だけど…でも…」
「私なんか、ではないんです。雅は雅の良さがあり、その力も雅?あなたの個性ですから。」
「…個性……」
「まぁそうだな、悪くはないんじゃねぇか?」
「俺は雅の魔法?好きだよ!キラキラしてすげぇキレイだし!」
「俺も、猿に同意だな。」
「猿って言うな!」
「クスクス、ありがとう」
「それに…」
ふと付け加えた八戒。
「妖怪が村の外には居るのに、なぜ村に押し入ってこなかったか…解りますか?」
「え…?人間には興味ないからじゃ…」
「あなたですよ、雅。」
「私?」
「恐らく。確信や根拠はないですが、いつも外に居たあなたは人知れず力を上手く使える様にコントロールの練習をして居た。それが妖力でなく魔力であっても妖怪達には驚異の力と感じ取ったのでしょう。それが十年となれば自然と寄り付かなくなります。」
「そっか……ちょっとまって、だとしたら今のあの村は…!」
「少しの間は持ちます。それがどの位持続するかは僕らにも解りません。効果が切れた時に襲われるかもしれませんし、なぜか襲われない村や町も少なからず存在しますから。」
「どっちにしろ気にする必要はない。要らないと言ってきたのはそもそもあいつらだ。雅が気に病むことはねぇだろうが。」
「三蔵?言い方」
「事実だろうが。それでも十そこそこの子供の力に今まで知らなかったとはいえ頼っていたのはあの大人共だ。雅に感謝することは実際なくても、無能な妖怪共がペラペラと話すだろうしな。」
「その時に雅に守られてたんだって気付かされんだろうな。」
「お前が気にすることはない。むしろ誇れることをして来たんだ。お前はあの村で、存在価値がないと言われてたみたいだかな、十分すぎる程の価値があった。それを忘れるな。」
「ほぉ…珍しいな、三蔵がそんなに褒めるなんて。」
「ほんとだ。」
「まぁ、事実ですからね。」
「あの…ありがとぉ…三蔵…」
「…フン」
三蔵の言葉に、にこりと笑い、雅は手のひらをみつめていた。
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