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バルタス王国編 〜騎士と楽園の章〜
動き始める情勢
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「〈プロテア〉の人達は種族を余り気にしないようですが、他ではそうではない。魔人の血を引いている上に十二神将だった貴方が信頼を得るには、人間の中に紛れ込んでいる魔人を全て殺すつもりで戦わないといけない」
さもなくば待っているのは死だ。
「陰と陽という概念がありますが、貴方は体内に特に分かりやすい陰と陽を持っています。それの違いをより明確に出来れば、化けている魔人の不意討ちにも対抗出来ます」
除霊師は背伸びしてアレンの耳元で囁く。
「貴方が勝てれば、御家族の安全は保証できます」
その言葉はアレンの心を鷲掴みにした。
「家族…生きているのか」
「神医オグリオンも、侍従アラナンも、貴方の令弟マキシンさんも」
除霊師の言葉は不思議だ。優しく語りかけているようで、心を鷲掴みにする力がある。マリアが言っていた言霊は、もしかしたら実際にあるのかも知れない。
アレンは魔導書を仕舞って剣を持ち直した。また家族と過ごす為にも、今はこの戦いを乗り越えなければならない。
「除霊師さん、この扉は死守しなければならない。紛れ込んだ魔人共の退治を協力願えるか?」
普通に考えて「はい」以外の選択肢は有り得ない状況。しかしそれでも、アレンは問わずにいられなかった。本当に自分について来てくれるのか。最後の最後に裏切らないか。
(憐れな御方だ。分かりきったことを聞かねば安心出来ない。雨の中で震える捨てられた子犬のようだ)
除霊師は慰めるような笑みを浮かべて言った。
「言われるまでも御座いません。ついて参りますよ」
只雇われているからではない。彼のような憐れな者を後世に遺さない為に。
地下街で戦闘が始まってから五時間後、グラコス王国の執務室にて。
「すまないね、急に招集して」
悪びれる事も無くキオネは言う。
招集とは言っても、国の重鎮が毎日異国へ移動出来るかと聞かれれば「無理」と返ってくる。なのでこの場に居るのは議長のキオネと、苏安とグラコスの合同軍事演習でたまたまリヴィナベルクの近郊に居た社龍公子以外はリモート参加である。社龍以外、と言ってもキオネが招集したのは苏安とクテシア、アネハル連峰とバルタスだけだった。
余りにも急な招集に苛立っているのか、各国のホログラム達は不機嫌そうな顔をしている。
『キオネ、本当に急だよ』
用事で参加できない女王メルティアの代理である第二王女フレアは水晶盤の向こうで頬肘を突きながら言った。
『私は第二王女で飛空艇団の指揮官なのに、何で私が代理かな。急用じゃなかったら怒るよ』
「結構な急用だから安心して良いよ、レディ。ところで苏月とベアガルは?あの二人のホログラムが見当たらないけど…」
水晶盤での通話はホログラムを使える。しかしキオネが苏月とベアガルの為に空けておいたスペースには、二人が使っている豪奢な椅子しかない。
「念の為に社龍を呼んでおいて正解だったね」
社龍は仮面を付けた顔をキオネに向けて首をブルブルと振り始めた。
「良くない良くない!叔父上が出て来ないなんて、何か悪い事が⸺」
突然、苏月の椅子のホログラムから怒鳴り声と何かが割れる音が響いた。続けて人を殴る嫌な音。
「あああああ…叔父上がこんなに怒るなんて、何があったんだよ…」
『貴様に娘をくれてやるくらいなら、あの時のように拷問された方がマシだ!…ああ、驚かせてすまない。本家のカスにお灸を据えている。ベアガル、貴様も調子に乗って馬鹿な事をやってみろ、その生白い皮を一枚一枚剥いでくれるわ!…おい話は終わってないだろうが、貴様、立って凰龍京を出られると思うなよ!』
キオネは笑い出した。
「今の聞いた?月は同時に説教しているみたいだよ!」
キオネが爆笑している間も打撃音と怒鳴り声は響く。
『キオネ、何で呼んだのか言ってくれないと怒るよ』
キオネは笑うのを止めて真面目な顔をした。
普段からヘラヘラとしているキオネが真面目にする事自体が中々無いので、フレアと社龍は思わず背筋を伸ばした。
「今、苏月がベアガルにも怒鳴っている事と関連してくる。ベアガルが反帝国派への攻撃を開始した。その中には各国の重要人物や親族も含まれている。制裁を加える為に、常任理事国の諸君らを急遽招集したという訳だ」
常任理事国⸺それはかつてドミンゴ・バルタスの存命中に存在した悪しき役職。たった一ヶ国でも拒否権を行使すれば、あらゆる提案が無に帰す。
常任理事国にはグラコス、苏安、クテシア、アネハル、バルタスの四ヶ国が居るが、帝国関連で拒否権を使うのはベアガルが統治するバルタスだけだった。
「バルタス王国に制裁を加える事に異論のある者は居るかな?」
誰も手を挙げない。しかしそんな中、社龍が発言した。
「は、反対はしません!けど、苏安は今戦争の準備をしているので…」
フレアが目を大きく見開いた。
『戦争?何処と?』
社龍がキオネの方を向くと、キオネは会議からバルタス王国を退会させる。
社龍は緊張しているかのように息を吸うと、苏月の怒鳴り声に被せるように言った。
「本家苏氏とソレアイアです」
怒鳴り声に被せて発した声は緊張の余り低く震えているが、執務室に嫌に響いた。
「かなりの激戦になると叔父上は予測されています。それこそ、第二次苏安内戦末期を上回るとも…」
苏安は内戦が絶えない国だが、近代史で最も有名な内戦は第一次から第三次苏安内戦だ。第一次から第三次までの間に、内戦のきっかけとなる事件や関連死を含めても、人口の二分の一である五億人が死んだとされる、人類史上最も悲惨な内戦。その中でも第二次内戦ではとある城の城民二十万人が僅か数分で殺戮されるなど、凄惨を極めた。
『そんなに被害が予想されるって、冗談だろ?』
フレアの言葉にキオネは正直、頷きたかった。しかし人間とは不思議で、宗教を頼る傾向がある。苏安における宗教とは、本家苏氏と内戦の英雄である。〈創世戦争〉の英雄を祖先に持つ苏氏を信仰する者、そして内戦の英雄を信仰する者で国は二分されている。
「レディ・フレア、その気持ちはよく分かるよ。だけど人間は自分が信じる物の為になら過剰な行動にすら移せる。そうだろう、マダム・アミリ」
彼女もクテシアで内戦を経験し、実母と兄弟達を全て蹴落として王座を手に入れた覇王だ。人々は畏怖と尊敬、信仰の念を込めて光の女王と呼ぶ。
ずっと黙っていたヌールハーンは鼻で笑った。それは砂漠の夜のように、研ぎ澄まされた刃のように冷たく鋭い嘲笑だった。
『フレアもいずれ理解するだろう。特にアネハル連峰は、大陸で最も厳格な宗教国家だからな』
フレアは首から掛けたロザリオに触れた。
「…さて、拒否権は何処も行使しなかったという事で、話を戻そう。反帝国派にベアガルが手を出したのもそうだが、これはちょっと宗教の話も混じってくるんだ」
キオネは社龍とフレアを見て言った。
「多くの人々が信仰する時空魔法の遣い手が現れた」
「それって、古代の禁忌魔法…」
『しかしそれでは、今帝国に居る皇帝は…?』
キオネは肩を竦めた。
「帝国の皇帝については分からない。だけど、問題は英雄の力を持った魔法使い二人を、ベアガルが攻撃しているという事だ。恐らく、本物の遣い手を認めたくないのだろう。そしてこれは英雄への不敬罪に該当する。そうだろう、レディ・フレア」
フレアのロザリオを握る手が筋張る。
「皆、動く時じゃないかい?マダム・アミリは既に解っているが、〈第三次創世戦争〉が迫っている。今そこで親戚のおじさんを殴り倒してる奴や、訳あって出席してない人が居るけど、僕達は再び立ち上がって鮮血の下に世の平和を護るべきじゃないかな」
その赤い覇道の最初の一歩はバルタス王国から。
さあ、始めよう。そうキオネが言おうとしたその時。
「キオネ様、ご報告です!」
「どうしたのー?会議中だよ?」
にこにこと問うキオネに、入って来た男は跪いて言った。
「一刻程前、英雄フレデリカが敵の捕虜となりました!」
キオネの顔から笑みが消える。それは深海のように底の見えない虚無だった。
「…詳しく説明を」
さもなくば待っているのは死だ。
「陰と陽という概念がありますが、貴方は体内に特に分かりやすい陰と陽を持っています。それの違いをより明確に出来れば、化けている魔人の不意討ちにも対抗出来ます」
除霊師は背伸びしてアレンの耳元で囁く。
「貴方が勝てれば、御家族の安全は保証できます」
その言葉はアレンの心を鷲掴みにした。
「家族…生きているのか」
「神医オグリオンも、侍従アラナンも、貴方の令弟マキシンさんも」
除霊師の言葉は不思議だ。優しく語りかけているようで、心を鷲掴みにする力がある。マリアが言っていた言霊は、もしかしたら実際にあるのかも知れない。
アレンは魔導書を仕舞って剣を持ち直した。また家族と過ごす為にも、今はこの戦いを乗り越えなければならない。
「除霊師さん、この扉は死守しなければならない。紛れ込んだ魔人共の退治を協力願えるか?」
普通に考えて「はい」以外の選択肢は有り得ない状況。しかしそれでも、アレンは問わずにいられなかった。本当に自分について来てくれるのか。最後の最後に裏切らないか。
(憐れな御方だ。分かりきったことを聞かねば安心出来ない。雨の中で震える捨てられた子犬のようだ)
除霊師は慰めるような笑みを浮かべて言った。
「言われるまでも御座いません。ついて参りますよ」
只雇われているからではない。彼のような憐れな者を後世に遺さない為に。
地下街で戦闘が始まってから五時間後、グラコス王国の執務室にて。
「すまないね、急に招集して」
悪びれる事も無くキオネは言う。
招集とは言っても、国の重鎮が毎日異国へ移動出来るかと聞かれれば「無理」と返ってくる。なのでこの場に居るのは議長のキオネと、苏安とグラコスの合同軍事演習でたまたまリヴィナベルクの近郊に居た社龍公子以外はリモート参加である。社龍以外、と言ってもキオネが招集したのは苏安とクテシア、アネハル連峰とバルタスだけだった。
余りにも急な招集に苛立っているのか、各国のホログラム達は不機嫌そうな顔をしている。
『キオネ、本当に急だよ』
用事で参加できない女王メルティアの代理である第二王女フレアは水晶盤の向こうで頬肘を突きながら言った。
『私は第二王女で飛空艇団の指揮官なのに、何で私が代理かな。急用じゃなかったら怒るよ』
「結構な急用だから安心して良いよ、レディ。ところで苏月とベアガルは?あの二人のホログラムが見当たらないけど…」
水晶盤での通話はホログラムを使える。しかしキオネが苏月とベアガルの為に空けておいたスペースには、二人が使っている豪奢な椅子しかない。
「念の為に社龍を呼んでおいて正解だったね」
社龍は仮面を付けた顔をキオネに向けて首をブルブルと振り始めた。
「良くない良くない!叔父上が出て来ないなんて、何か悪い事が⸺」
突然、苏月の椅子のホログラムから怒鳴り声と何かが割れる音が響いた。続けて人を殴る嫌な音。
「あああああ…叔父上がこんなに怒るなんて、何があったんだよ…」
『貴様に娘をくれてやるくらいなら、あの時のように拷問された方がマシだ!…ああ、驚かせてすまない。本家のカスにお灸を据えている。ベアガル、貴様も調子に乗って馬鹿な事をやってみろ、その生白い皮を一枚一枚剥いでくれるわ!…おい話は終わってないだろうが、貴様、立って凰龍京を出られると思うなよ!』
キオネは笑い出した。
「今の聞いた?月は同時に説教しているみたいだよ!」
キオネが爆笑している間も打撃音と怒鳴り声は響く。
『キオネ、何で呼んだのか言ってくれないと怒るよ』
キオネは笑うのを止めて真面目な顔をした。
普段からヘラヘラとしているキオネが真面目にする事自体が中々無いので、フレアと社龍は思わず背筋を伸ばした。
「今、苏月がベアガルにも怒鳴っている事と関連してくる。ベアガルが反帝国派への攻撃を開始した。その中には各国の重要人物や親族も含まれている。制裁を加える為に、常任理事国の諸君らを急遽招集したという訳だ」
常任理事国⸺それはかつてドミンゴ・バルタスの存命中に存在した悪しき役職。たった一ヶ国でも拒否権を行使すれば、あらゆる提案が無に帰す。
常任理事国にはグラコス、苏安、クテシア、アネハル、バルタスの四ヶ国が居るが、帝国関連で拒否権を使うのはベアガルが統治するバルタスだけだった。
「バルタス王国に制裁を加える事に異論のある者は居るかな?」
誰も手を挙げない。しかしそんな中、社龍が発言した。
「は、反対はしません!けど、苏安は今戦争の準備をしているので…」
フレアが目を大きく見開いた。
『戦争?何処と?』
社龍がキオネの方を向くと、キオネは会議からバルタス王国を退会させる。
社龍は緊張しているかのように息を吸うと、苏月の怒鳴り声に被せるように言った。
「本家苏氏とソレアイアです」
怒鳴り声に被せて発した声は緊張の余り低く震えているが、執務室に嫌に響いた。
「かなりの激戦になると叔父上は予測されています。それこそ、第二次苏安内戦末期を上回るとも…」
苏安は内戦が絶えない国だが、近代史で最も有名な内戦は第一次から第三次苏安内戦だ。第一次から第三次までの間に、内戦のきっかけとなる事件や関連死を含めても、人口の二分の一である五億人が死んだとされる、人類史上最も悲惨な内戦。その中でも第二次内戦ではとある城の城民二十万人が僅か数分で殺戮されるなど、凄惨を極めた。
『そんなに被害が予想されるって、冗談だろ?』
フレアの言葉にキオネは正直、頷きたかった。しかし人間とは不思議で、宗教を頼る傾向がある。苏安における宗教とは、本家苏氏と内戦の英雄である。〈創世戦争〉の英雄を祖先に持つ苏氏を信仰する者、そして内戦の英雄を信仰する者で国は二分されている。
「レディ・フレア、その気持ちはよく分かるよ。だけど人間は自分が信じる物の為になら過剰な行動にすら移せる。そうだろう、マダム・アミリ」
彼女もクテシアで内戦を経験し、実母と兄弟達を全て蹴落として王座を手に入れた覇王だ。人々は畏怖と尊敬、信仰の念を込めて光の女王と呼ぶ。
ずっと黙っていたヌールハーンは鼻で笑った。それは砂漠の夜のように、研ぎ澄まされた刃のように冷たく鋭い嘲笑だった。
『フレアもいずれ理解するだろう。特にアネハル連峰は、大陸で最も厳格な宗教国家だからな』
フレアは首から掛けたロザリオに触れた。
「…さて、拒否権は何処も行使しなかったという事で、話を戻そう。反帝国派にベアガルが手を出したのもそうだが、これはちょっと宗教の話も混じってくるんだ」
キオネは社龍とフレアを見て言った。
「多くの人々が信仰する時空魔法の遣い手が現れた」
「それって、古代の禁忌魔法…」
『しかしそれでは、今帝国に居る皇帝は…?』
キオネは肩を竦めた。
「帝国の皇帝については分からない。だけど、問題は英雄の力を持った魔法使い二人を、ベアガルが攻撃しているという事だ。恐らく、本物の遣い手を認めたくないのだろう。そしてこれは英雄への不敬罪に該当する。そうだろう、レディ・フレア」
フレアのロザリオを握る手が筋張る。
「皆、動く時じゃないかい?マダム・アミリは既に解っているが、〈第三次創世戦争〉が迫っている。今そこで親戚のおじさんを殴り倒してる奴や、訳あって出席してない人が居るけど、僕達は再び立ち上がって鮮血の下に世の平和を護るべきじゃないかな」
その赤い覇道の最初の一歩はバルタス王国から。
さあ、始めよう。そうキオネが言おうとしたその時。
「キオネ様、ご報告です!」
「どうしたのー?会議中だよ?」
にこにこと問うキオネに、入って来た男は跪いて言った。
「一刻程前、英雄フレデリカが敵の捕虜となりました!」
キオネの顔から笑みが消える。それは深海のように底の見えない虚無だった。
「…詳しく説明を」
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