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急展開(2)

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夕方。

黄色い夕焼けを浴びながら自室でスマホを弄ってると、無料メッセージアプリのグループ通話が開始された。

しずるちゃんからだった。

「もしもーし」

『もしもしー、陽華だよー』

『こちら素直。どうした』

私と陽華ちゃんと素直ちゃんが応じても、肝心のしずるちゃんの応答がない。

しばらく沈黙とノイズだけが落ちて。

一体どれだけの時間が経った頃だろう。

『す…須藤君に告白されちゃった…』

しずるちゃんの声でそんな言葉がスピーカーからこぼれた。

『おおー、しずるもかー』

陽華ちゃんの感動したような声と拍手らしき音が聞こえてきて。

遅れて

『まるで目にみえない力が働いてるみたいじゃないか』

って素直ちゃんの的を射た発言が。

素直ちゃん、みたいじゃないんだ。

本当に縁結びの神様が動いてるんだ。分身だけど。

なんて言えず。

「しずるちゃんはどうしたいの?」

やんわりと言うつもりが、気づけば超ど直球の言葉を投げかけてた。

だから慌てて

「いや、答えたくなくったらいいよ!
 だって突然のことだもんね!」

って訂正したら、しずるちゃんは

『須藤君のこと、異性として意識してなかった。
 でもこれまでの須藤君の行動を思い出したら、ああ私って須藤君のこと“可愛い”って思ってたんだって…。
 でもこれって“好き”なのかな…』

って胸の内を明かしてくれた。

すると陽華ちゃんが

『うん、それって好きだよ!
 間違いない!』

って勢いよく言った。

うん。姿はみえないけど、きっと唾を飛ばしてる。

うん、私にはみえる。

『これが…“好き”…』

しずるちゃんの声が小さく夕焼けに溶けた。
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