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急展開(1)
しおりを挟む登校するといきなり素直ちゃんに相談された。
「私、施希也に告白されたんだけどどうしたらいい?」
素直ちゃんの言葉にいの一番で食いついたのは陽華ちゃん。
「えー、赤ちゃんの頃からの幼馴染なんでしょ?
OKしちゃえば?」
陽華ちゃんの遠慮のない言葉にしずるちゃんが
「陽華、それはあまりにもデリカシーがなさすぎる」
ってたしなめてみても陽華ちゃんは止まらず、
「えー?だってもったいない」
って唇を尖らせた。
私は夜中の八雲君の言葉と今朝の大山さんのお願いを思い出して、
「とりあえず一カ月とかお試し期間を設けて付き合ってみたら?」
って提案してみた。
すると素直ちゃんは首の後ろをぽんぽんと叩いてから
「う~ん…考えてみる」
と応じてくれた。
私がホッと胸を撫で下ろしてると、今度は須藤君がやってきて、
「夕顔さん、今日は学級委員会だね」
って緊張した面持ちで声をかけてきた。
夕顔ちゃんはいつものサバサバした調子で
「うん、よろしく」
とだけ。
それでも須藤君の表情はみるみる明るくなって
「うん!よろしく!」
ってやっぱりハムスターみたいに去っていった。
そんな遠ざかる須藤君の背中を眺めてると。
「さっそくお手伝いありがとう」
っていきなり耳元で囁かれた。
もちろんというか、八雲君である。
「あー、みくるずるい~。
八雲君、みくるじゃなくてあたしにしない?」
おお…陽華ちゃん。
悔しそうだけどやられると結構心臓に悪いよ?
なんて言えずにいると。
「おい、宮川。
だらしねぇなぁ」
安藤君だ。
安藤君が陽華ちゃんの肩を掴んでそんな売り言葉をかけてきて、
「何よ、安藤。
何度も言うけどあたしはあんたなんか興味なんかないんだからね!」
って陽華ちゃんは陽華ちゃんで買い言葉を。
そんなこんなでチャイムとともに担任がやって来た。
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