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周りからみれば(1)

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学校での様子は八雲君は至って普通だった。

男子グループの上位とわちゃわちゃして。

時々私たち四人グループにをかけて。

反対に陽華ちゃんに

「ねー、アタシの彼氏にならないー?」

って誘われて苦笑いして。

まるで昨日から今朝までの甘々な様子が嘘のよう。

一体何だったんだって八雲君をガン見してると。

「あの、夕顔さん。
 ちょっといいかな?」

緊張した面持ちでこちらに近づいてきた須藤君が手をもじもじさせながらそう言った。

「なにー?」

しずるちゃんは椅子に座ったまま肩越しに振り返って須藤君にそう応えた。

でも須藤君はなかなか用事を教えてくれない。

業を煮やしたしずるちゃんの口から「あのさー」の「あ」まで出たそのとき、

「五月の体育祭のことで話し合いたいことがあるから、昼休みつきあってくれない?」

って、ようやく須藤君の口から用事が伝えられた。

しずるちゃんは「なんだ」といった様子で

「わかった。場所は教室ここでいいよね?
 それじゃよろしくー」

って、ひらひらと手のひらを須藤君に向けて明るく応えた。

そしたら須藤君は顔を真っ赤にして

「うん!よろしく!」

なんてまるでハムスターみたいにぴょんぴょんと跳ねながら去っていった。

「かわいいねー」

須藤君が自分の席に戻ったのを見届けてから、くすくすと小さく笑う陽華ちゃん。

素直ちゃんはまるで武士のように腕を組んでうんうんと頷いて、しずるちゃんはゴールデンレトリーバーみたいな表情で「そうかなー?」って首を傾げて。

素直ちゃんの

「もしかして須藤君、しずるに気があるんじゃない?」

って言葉にしずるちゃんは

「うぇっ⁈」

って須藤君みたいに顔を真っ赤にした。

周りからみれば、ねぇ?
 
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