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ずっと一緒(九)
しおりを挟むクロの欲のなさに驚きと喜びを覚えた僕はある日クロをつかまえて聞いたんだ、理由を。
「どうして願い事を口にしない?」
って。
クロはなにを考えてるのかわからないほどの感情のこもらない声で言った。
「別に。ただ与太兵衛爺に言われてやってることだよ。
『神様は食べ物の気と人間の心で力をおつけになるから』って」
問いかけにはしっかり答えてくれてるのに視線は合わなくて、語るクロの口は丸いのに硬くて。
僕は何とは無しに、それこそ悪気なくただ疑問に思ったからクロに問いかけてた。
「両親に生き返ってほしいとは思わないのか」
目線は合わないまま、それでもクロは即答だった
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