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出会い(十四)
しおりを挟む「爺さんの名前は与太兵衛。
俺に村人から薪と何かしらと物々交換させることで生活しているだ。
爺さんズルいんだぜ。
自分には名前があるくせに、俺が親からもらったはずの名前は知らぬ存ぜぬの一点張りで、じゃあ代わりに名前をつけてくるよと言えば『断る』だとよ」
そう語る真っ黒い子どもの声はやっぱり明るかったけど、瞳には光るものがあった。
いま思えばあれは涙だったのかもしれない。
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