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愛情はお先に(十八)

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僕が美海さんのあたたかい眼差しとお母さんの昏く疲れた眼差しを頭のなかで比べてると、僕の服の袖を引く存在が。

びっくりして振り向くと犯人はひとみちゃんだった。

ひとみちゃんは無表情で

「で、実のところうれしい?
 お兄さんが入院して」

って聞いてきた。

淡々とした口調からどうしても聞きたいというよりはただ言ってみた、って感じ。
 
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