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おじいちゃんの願いと、始光さんの告白と、(二十一)

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始光さんの手が私の手から離れて。

始光さんとちょっと距離ができて。

私が気まずさを感じてたら始光さんの手が私の肩に乗って。

始光さんは安心しきった息を吐いて、

「逢えてよかった」

ってまるで迷子が親をみつけたような声をあげた。

私は笑うことも喜ぶこともできなかった。
 
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