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おじいちゃんの願いと、始光さんの告白と、(十四)
しおりを挟む始光さんは微笑みかけてくれてる。
まるで転んで泣いてる幸太を優しく見守る貴子姉のように。
「どうしてそんなに不安そうなの?幸せなんだよね?」
始光さんに問いかけられて私は自分の足もとに視線を落として気づけば
「おじいちゃんは私に『店で働いてくれないかな』って呼びかけてくれたし、貴子姉は私の様子をみに来てくれたし、一喜兄は私のことを『神様がくれた子』って言ってくれてる。
こんなに家族に愛されてるのはわかってます。
わかってますけどっ!」
って訴えてた。
ああ、おじいちゃんのときとは別の涙が。
でも言葉を途中で止めることができなかった。
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