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不安がずしんと、待ち人がひょっこりと、(七)

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待ったのは十分くらいかな。

貴子姉は何枚かのタオルを抱えて店の奥から戻ってきて。

私は貴子姉からタオルを二枚もらった。

私が自分を拭いてるあいだ、貴子姉とおばあちゃんが手分けして幸太を拭いてく。

拭かれるたびに身体をくねらせる幸太を眺めながら頭をわしゃわしゃと拭くと、タオルがじっとりと冷たくなってった。

「にゃはは、くすぐったー!」

「ほら幸太。じっとしてて」

どんなに幸太が摩訶不思議な動きをしても、幸太の隙をぬって拭きあげてく貴子姉の手際のよさは華麗だった。

やっぱりお母さんなんだな、貴子姉は。
 

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