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初のスキル使用
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「過労だな、とにかく体が弱っとる。仕事をさせず、栄養のあるもんを食べてゆっくりするのが一番じゃの」
レオが連れてきた、ちんまりとしたお医者さんは、静かにドアを閉めながら言った。私より背が低いおじいさんで、頭が見事に禿げ上がっている。
お医者さんの言うことを疑うわけじゃないけれど、エルンストの顔色があまりに悪くて、不安が消えない。
心配そうな私を見て、おじいさんは人好きのする笑顔を向けてくれた。つるっとした頭を撫でてから、安心するように柔らかい声で話しかけてくれる。
「薬を調合するから、もう大丈夫じゃ。とにかく休めば少しずつ回復していくからの、心配いらん」
「来てくれてありがとな、メロじい」
エルンストのいる部屋に戻っていったメロおじいさんを見送ったあと、レオが心配そうにつぶやいた。
「顔色が悪かったけど、まさかぶっ倒れるほどだとはな」
「……もっと早く休んでもらえばよかった」
顔色が悪いことに気付いていたのに。唇を噛みしめてから、勢いよく顔を上げる。
今は落ち込んでいる場合じゃない。自分に出来ることがあるなら、無駄かもしれなくても、やってみなくちゃ!
「ちょっと聞きたいんだけど、この世界では、病気の時はポーションじゃなくて薬を飲んで治すっていう認識であってる?」
「おう。特効薬もあるが、多くはねえな。風邪とか疲れがたまった時は、休むのが一番だ」
「……レオ、ちょっと来てくれる?」
今からする話がメロおじいさんに聞こえないように、違う部屋に移動する。
誰もいないのはわかっているけれど一応周囲を見回して、ちょいちょいとレオを手招きした。
「私のスキルは温泉で、私が出す温泉に望んだ効能を付与することができるの。望んだ効果を持つものを絶対に出せるわけじゃなくて、効果は3日しかもたない」
「……は?」
「一般的にはハズレスキルだってわかってる。でも、」
「マジで言ってんのか?」
がしっと両肩を掴まれる。レオの手は大きくて、厚みがあって、私の肩を簡単に覆ってしまった。
「すげぇスキルじゃん! それなのに嫌がらせされてたのか!?」
「えっ?」
かけられた言葉が意外すぎて、レオを見上げた。
紅蓮の瞳に嘘はなくて、きらきらと炎みたいにきらめいている。子供みたいな笑顔が近い。
「サキもすげぇスキルなのに、どうして城を出る羽目に……って、今はいいか」
「う、うん。それでね、このスキルでエルンストの症状をよくする温泉が出せないかと思って。まだスキルを使ったことがないから出せるかわからないんだけど、やってみたいの」
「いいじゃねえか! やってみようぜ!」
あっさりと言いきったレオは、太陽みたいに輝いていた。
「私の国では、温泉って体ごと浸かるものなの。それでもしかしたら、お湯に浸かっているところだけ効果があるかもしれないって考えてて」
「おー、なるほどな。お湯に効果があるんだから、間違ってねえ気がする」
「お湯をためる浴槽がほしい。お湯を抜くための穴と、それをふさぐ栓があるほうがいいと思う」
「湯をためる……それって、でけぇ箱みたいなやつか? それっぽいのが風呂場にあったぞ。俺が住む前の住人が使ってたらしい」
レオに案内されて、一階にあるお風呂場にたどり着く。
白を基調としたお風呂場のシャワーの横にあるのは、間違いなく浴槽だった。座ったエルンストが脚を伸ばせそうなほど大きい。
「これ! これが浴槽! よかった、あった……!」
「じゃあ、綺麗にしちまうな。ちょっと離れててくれ」
「うん」
レオが壁にあるボタンに触れると、お風呂場全体がぽうっと光った。淡い光が消えると、レオはお風呂場を見回して頷いた。
「終わったぞ」
「これが掃除?」
「見るのは初めてか? 俺も詳しくは知らねぇんだけど、魔力で綺麗な状態に戻すらしい」
「すっごく便利だね!」
いちいちお風呂掃除しなくていいなんて、本当に便利!
地球にも自動で掃除してくれるものがあるけど、こんなふうにボタンを押すだけで全てが綺麗になるわけじゃないものね。
どこかに住む時は、この機能をつけよう。高くてもつけよう。絶対に。
「綺麗になったから、スキルを使ってみるか?」
「う、うん。お湯がかかるかもしれないから、ちょっと離れてて」
エルンストは過労で、体が弱っているって言ってたよね。休めばよくなるって。
それを回復させる……元気に、する。
「……体を回復させる温泉、出て!」
前に出した手のひらが熱い。体中を魔力がめぐる感覚がして、手のひらから勢いよくお湯が吹き出した。
硫黄のように強い香りはしない。これで硫黄の香りがしたら入浴の習慣がないこの国では毒と思われてしまうかもしれないので、無臭でよかった!
ちょうどいいところまでお湯がたまり、温泉を出すのを止めたいと思うと、すぐに止まった。
手を入れて温度を確かめてみる。ちょっとぬるめで、初めて入浴するエルンストにはちょうどいい。
「サキ、気持ち悪いとかないか? 初めてスキルを使ったんだろ?」
何度か手を握りしめて、軽く体を確認してみても変わったところはない。温泉を出したのに手のひらが濡れていないのを不思議に思うくらいだ。
「魔力を使いすぎると気持ち悪くなるんだ。スキルを使い慣れていないやつは加減がわかんねぇから、気をつけろよ」
「わかった、気をつける。……あとは、これが本当に回復の効果があるかってことだよね」
「俺は鑑定のスキルは持ってねぇからわかんねぇな。でも、大丈夫だと思うぜ」
レオは、やけに自信満々で胸を張った。
「俺のスキルは直感だ。このスキルで、選ぶべきことや魔物の弱点がわかったりするんだ。このお湯には疲労回復効果があるって、俺の直感が言ってる!」
「ふふっ、ありがとう。エルンストさんにいきなり入ってもらうのも心配だから、まずは私が入浴してみてもいい?」
人の家でお風呂に入りたいと言うのは勇気がいるが、入浴したことがない人に入れというのもよろしくない。私のスキルだし、まずは私が確かめなければ。
両手を握りしめてふんすと力む私に、レオが言った。
「俺が入ってもいいか?」
「レオが入るの?」
「おう。湯に浸かってみたいし、サキが初めてスキルを使って出したもんだしな。冒険者である俺が入って確かめてみる。普通に入ればいいのか?」
「まずはシャワーでいいから、お湯を足先や手、体にかけていくの。それで体を慣らして、綺麗に洗ってからお風呂に入るんだよ。今はスキルの確認だから、かけ湯だけでいいと思う」
「わかった。サキはリビングで待っててくれ」
レオが連れてきた、ちんまりとしたお医者さんは、静かにドアを閉めながら言った。私より背が低いおじいさんで、頭が見事に禿げ上がっている。
お医者さんの言うことを疑うわけじゃないけれど、エルンストの顔色があまりに悪くて、不安が消えない。
心配そうな私を見て、おじいさんは人好きのする笑顔を向けてくれた。つるっとした頭を撫でてから、安心するように柔らかい声で話しかけてくれる。
「薬を調合するから、もう大丈夫じゃ。とにかく休めば少しずつ回復していくからの、心配いらん」
「来てくれてありがとな、メロじい」
エルンストのいる部屋に戻っていったメロおじいさんを見送ったあと、レオが心配そうにつぶやいた。
「顔色が悪かったけど、まさかぶっ倒れるほどだとはな」
「……もっと早く休んでもらえばよかった」
顔色が悪いことに気付いていたのに。唇を噛みしめてから、勢いよく顔を上げる。
今は落ち込んでいる場合じゃない。自分に出来ることがあるなら、無駄かもしれなくても、やってみなくちゃ!
「ちょっと聞きたいんだけど、この世界では、病気の時はポーションじゃなくて薬を飲んで治すっていう認識であってる?」
「おう。特効薬もあるが、多くはねえな。風邪とか疲れがたまった時は、休むのが一番だ」
「……レオ、ちょっと来てくれる?」
今からする話がメロおじいさんに聞こえないように、違う部屋に移動する。
誰もいないのはわかっているけれど一応周囲を見回して、ちょいちょいとレオを手招きした。
「私のスキルは温泉で、私が出す温泉に望んだ効能を付与することができるの。望んだ効果を持つものを絶対に出せるわけじゃなくて、効果は3日しかもたない」
「……は?」
「一般的にはハズレスキルだってわかってる。でも、」
「マジで言ってんのか?」
がしっと両肩を掴まれる。レオの手は大きくて、厚みがあって、私の肩を簡単に覆ってしまった。
「すげぇスキルじゃん! それなのに嫌がらせされてたのか!?」
「えっ?」
かけられた言葉が意外すぎて、レオを見上げた。
紅蓮の瞳に嘘はなくて、きらきらと炎みたいにきらめいている。子供みたいな笑顔が近い。
「サキもすげぇスキルなのに、どうして城を出る羽目に……って、今はいいか」
「う、うん。それでね、このスキルでエルンストの症状をよくする温泉が出せないかと思って。まだスキルを使ったことがないから出せるかわからないんだけど、やってみたいの」
「いいじゃねえか! やってみようぜ!」
あっさりと言いきったレオは、太陽みたいに輝いていた。
「私の国では、温泉って体ごと浸かるものなの。それでもしかしたら、お湯に浸かっているところだけ効果があるかもしれないって考えてて」
「おー、なるほどな。お湯に効果があるんだから、間違ってねえ気がする」
「お湯をためる浴槽がほしい。お湯を抜くための穴と、それをふさぐ栓があるほうがいいと思う」
「湯をためる……それって、でけぇ箱みたいなやつか? それっぽいのが風呂場にあったぞ。俺が住む前の住人が使ってたらしい」
レオに案内されて、一階にあるお風呂場にたどり着く。
白を基調としたお風呂場のシャワーの横にあるのは、間違いなく浴槽だった。座ったエルンストが脚を伸ばせそうなほど大きい。
「これ! これが浴槽! よかった、あった……!」
「じゃあ、綺麗にしちまうな。ちょっと離れててくれ」
「うん」
レオが壁にあるボタンに触れると、お風呂場全体がぽうっと光った。淡い光が消えると、レオはお風呂場を見回して頷いた。
「終わったぞ」
「これが掃除?」
「見るのは初めてか? 俺も詳しくは知らねぇんだけど、魔力で綺麗な状態に戻すらしい」
「すっごく便利だね!」
いちいちお風呂掃除しなくていいなんて、本当に便利!
地球にも自動で掃除してくれるものがあるけど、こんなふうにボタンを押すだけで全てが綺麗になるわけじゃないものね。
どこかに住む時は、この機能をつけよう。高くてもつけよう。絶対に。
「綺麗になったから、スキルを使ってみるか?」
「う、うん。お湯がかかるかもしれないから、ちょっと離れてて」
エルンストは過労で、体が弱っているって言ってたよね。休めばよくなるって。
それを回復させる……元気に、する。
「……体を回復させる温泉、出て!」
前に出した手のひらが熱い。体中を魔力がめぐる感覚がして、手のひらから勢いよくお湯が吹き出した。
硫黄のように強い香りはしない。これで硫黄の香りがしたら入浴の習慣がないこの国では毒と思われてしまうかもしれないので、無臭でよかった!
ちょうどいいところまでお湯がたまり、温泉を出すのを止めたいと思うと、すぐに止まった。
手を入れて温度を確かめてみる。ちょっとぬるめで、初めて入浴するエルンストにはちょうどいい。
「サキ、気持ち悪いとかないか? 初めてスキルを使ったんだろ?」
何度か手を握りしめて、軽く体を確認してみても変わったところはない。温泉を出したのに手のひらが濡れていないのを不思議に思うくらいだ。
「魔力を使いすぎると気持ち悪くなるんだ。スキルを使い慣れていないやつは加減がわかんねぇから、気をつけろよ」
「わかった、気をつける。……あとは、これが本当に回復の効果があるかってことだよね」
「俺は鑑定のスキルは持ってねぇからわかんねぇな。でも、大丈夫だと思うぜ」
レオは、やけに自信満々で胸を張った。
「俺のスキルは直感だ。このスキルで、選ぶべきことや魔物の弱点がわかったりするんだ。このお湯には疲労回復効果があるって、俺の直感が言ってる!」
「ふふっ、ありがとう。エルンストさんにいきなり入ってもらうのも心配だから、まずは私が入浴してみてもいい?」
人の家でお風呂に入りたいと言うのは勇気がいるが、入浴したことがない人に入れというのもよろしくない。私のスキルだし、まずは私が確かめなければ。
両手を握りしめてふんすと力む私に、レオが言った。
「俺が入ってもいいか?」
「レオが入るの?」
「おう。湯に浸かってみたいし、サキが初めてスキルを使って出したもんだしな。冒険者である俺が入って確かめてみる。普通に入ればいいのか?」
「まずはシャワーでいいから、お湯を足先や手、体にかけていくの。それで体を慣らして、綺麗に洗ってからお風呂に入るんだよ。今はスキルの確認だから、かけ湯だけでいいと思う」
「わかった。サキはリビングで待っててくれ」
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