殺人鬼は紅い月夜に現れる

第１章

１話 救世主

 俺はいつも独りだ。
何故かって？そんなの決まっている。
俺の近くにいるといつか必ず死が訪れるからだ。
俺はこの顔のせいで人が集まってくる。そうなるように作られたものだし。
だから近付いてくる人達を突っぱねる。
お陰で町の皆んなからは「陰気者」「冷血」などと言われてしまっている。
けれどいいんだ。これで。
俺に近付いてくる人達が少なくなれば俺が殺せる数も少なくなる。だから、いいんだ。


 あ、そういえばあと二日ほどで満月だな…。
ふと空を見て悲しくなり少し俯く。
ここで分かった人も多いだろう。
お察しの通り、俺の「鬼化」は満月の夜におこる。
「あの者」がそうさせているのだろう。


 この町に居られるのも、いや、普通に過ごせるのはあと一日だけだろう。
二日後の夜には「鬼化」がおこる。だから俺は「鬼化」がおこる前にこの町を立たなければいけない。


 明日の夜にでも町を出よう。


 そう思い、俺は眠りについた…。











 次の日の朝、何故かとても目覚めが良かった。
何故だ…。


 嫌な予感が頭をよぎった。
こんな風に目覚めがいいのは満月の日の朝だけなのに…。まさか…。
いや、そんな事は無いはずだ。
だって、昨日の今日で急に満月になんてなる筈がない。
うん。
大丈夫だ。


 予定通り今日の夜に町を出ようと思い、準備をする。
この町を…離れる、準備を…。










あっという間に日は沈み、空気が闇にとけこんだみたいだった。


そろそろ出発しよう、そう思い月の光を全身に浴びた時、変化はおこった。


「グッッ…ア…アァッ…」


 き、鬼化だ。鬼化が始まっている。何故だ…。
今日は満月では無い筈だ。
そう思いふと天を仰いだ俺は絶句した。


「つ、月が…ア、紅い…」


なんだ、なんなんだこの紅い月は…。


「グッッ…ハァ…ハァ…アァァァッ……」

やばい。このままじゃ完全に鬼化してしまう…。
誰か…止めてェェェェェェェェェェ………。


「ウ、ウワァァァァァァァァァァ………」
「な、なんだ！？アレ！？ル、ルイじゃないのか！？！？」


あぁ…ついに…鬼化してしまった。
皆…逃げて…早く…このままでは…殺してしまう…誰か…俺を…止めて………………。


俺は苦しみからか、涙を流していた。


その時だった。


「…よく、頑張ったな…。」


ふと俺の後ろから小さな囁きが聞こえたのは……。


あれ…。
眠い…。
どうしたんだ…俺………俺…誰も殺さずに…すんだのか………………？










 俺の意識はそこで途切れた。










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     はぁい^_^
またまたうるさい作者の登場ですよん♪


友達に作者はセンスが10000スあるよって言われました。丁度アナ雪がロードショーされていたので半スやなって事で自分のセンスは5000スです。((by.作者