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第三章の裏話
追話 王都で一番の幸福な少女
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人生で最悪な日というものを少女は体験していた。
なんという不幸なのだろう。
頭の中はそれだけでいっぱいだった。
「ただいま…」
王都で一番の人気といわれた八百屋。
人気の理由でもある、看板娘のその娘である少女。名はリリラ。母譲りの可愛らしい顔は泥にまみれている。
「おかえり、リリラ…どうしたの!その顔!」
「転けちゃっただけだから!気にしないで!」
一般的な市民の中では飛び抜けて美人で、王都で一番の看板娘といわれた母リュシャは疲労が濃く、以前よりも老けたようにみえて、リリラは悲しくなった。
「…嘘をついてない?」
「嘘なんかつかないよ!もう!お母さんってば!あははは!」
もうすぐ十歳になるとはいえ、まだ幼い彼女は母に心配をかけまいと、優しい嘘をつく。
彼女は転んでなんかいない。
泥団子をぶつけられ、罵られたのだ。
それは帰ってきた自宅兼店も似たようなことになっている。
心無い罵詈雑言が落書きされ、石や泥を投げつけられている。
八百屋だというのに、品物はほとんどない。よい匂いを放ってお客を呼んでいた果物はまったくなく、あるのはくたびれた野菜と、あまり売れない金物がぽつんと置かれているだけだ。
「お父さんは?」
「お父さんは…しばらくでかけるって」
「…そっかぁ」
店主である父はどうにか仕入を、頼みに奔走している。
王都で一番の八百屋だというのに、店は機能しなくなっていた。
「ごめんね…お母さんのせいで…」
涙を何度も流したせいなのか、たくさんの人たちを魅了してきたリュシャの瞳は輝きを失っていた。
「そんなことはないわ!お母さんは悪くなんてない!間違ってたの王様よ!」
それでもめげずにリリラは母を励ますが、彼女も内心では思っている。
ああ、王都で一番の不幸なのは自分だと。
忘却の国の末裔だと知られてしまったからには、幸せなんて精霊が運んでくることはない。
これはクウリィエンシア皇国の国民ならばたいていの者が知っている話だ。
書籍もあれば、戯曲化され知らぬ者など、よほどの田舎者か、かなり幼い子供ぐらいなものだろう。
三十年ほど前のこと。とある国がクウリィエンシア皇国に救援を求めた。
『魔族が攻めいっており助けてほしい。英雄の力をお貸しくださいますよう、伏してお願い申し上げる』
同盟国の頼みであり、情勢をみるにロイヤルメイジを動かせばこと足りると時の王は判断をした。
指揮官として首席ロイヤルメイジ『精霊の申し子』ティストール・フェスマルクを任命した。
しかし、その国からは再度要請があった。
『なにとぞ、クレエル帝国元ノルリス公爵ディアニア様を士気向上のために派遣されたし』
王は書状を持ってきた使者に問うた。
「なにゆえか」
使者は王に奏上した。
「一騎当千ならぬ、一騎万軍といわれるかの方がこられれば傷ついた兵士も死から立ち上がるだろうと我が王はお考えになられました。つきましては、後程、我が国の領地のいくつかを譲渡いたしますゆえ、ご検討をお願いしたく」
その後、いくつかの条件を出し後方支援のみに限定して王は承諾した。
王妃の従妹であると同時に、フェスマルク家の奥方でもあったからだ。
普通ならば何事もなく無事に終わる。
だが、その考えは裏切られた。
彼の国は魔族と繋がっていた。そのため、フェスマルク家の奥方は傷つき生死をさ迷い、妻を傷つけられた怒りにより、首席ロイヤルメイジはかの国と手を組んでいた魔族を滅ぼした。
それだけではなく『精霊の申し子』の怒りに精霊も応じたのか、国が消えた。
いや、国のそれまであった記憶が全てなくなったのだ。
国民たちは自国の歴史を忘れ、どういった文化を築いたのかも忘れ果て、様々な国へと溶け込んでいった。
ただ、彼らは忘却の国の末裔であり、精霊に呪われていると人々は口にした。
リリラの母はその忘却の国で産まれた。そこで育った記憶もなく、祖国という感情はないが、確かに母の国であったのだろう。
ただ、それは誰にも話してはいなかったことだった。
誰かに知られたら酷いめに合うと母が一番理解していたのだ。
リュシャは国の記憶がなくなっても、罪はなくならないとその身を持って知っている。
優しくしてくれた人が忘却の国の出だと知ると、目の色を変えて見下してきた回数は覚えていないほどだ。
仕事もろくに、まわしてもらえなかった。
転機が訪れたのは夫と出会ってからだ。夫はイスルという変わった男であった。ボロボロの服を着て、あまり良いものを食べれていないリュシャを見つけて公共の福祉がなっていない!と自らの親を説得して、リュシャの親ごと店の従業員にした。
イスルの両親は反対するどころか、リュシャたち一家の姿を見て心を痛めた。
何年か経ってイスルとリュシャは恋を自覚してリリラをもうけるにいたった。
幸せだった。
リュシャはリリラを抱きしめて再度思った。
最初の不幸は両親が流行り病で亡くなったことから始まった。
昨日まで元気だったのに、朝には二人とも亡くなっていたのだ。両親の埋葬がすんだと思えば今度はイスルの両親が流行り病にかかって亡くなってしまった。
最初、リュシャは自らのせいかと自問自答したが、イスルはそれを責めはしなかった。
「父さんたちは残念だったけど…リリラと、三人で力を合わせて頑張ろう」
夫の言葉に救われた気持ちになって、リュシャは店に多く立って様々な人たちと交流を深めた。
仕入れ先にも挨拶にいき、寝る間も惜しんで店の店を夫や、従業員たちと盛り上げようとした。
けれど、不幸はまだ続いた。
あるとき、仕入れ先から今後は卸さないといわれた。
「忘却の国の末裔なんかと付き合いたくない。こっちまで精霊に呪われたくない」
どこでその話が漏れたのか、それからひとの目が変わってしまったのだった。
不幸は止まらなかったが、今日に限っては良いこともあった。
「それより、みて!お母さん!本が買えたの!」
「そう!買えたの!どこで買えたの?」
「印刷所!ルリシアちゃんが、頼んでくれたの!…まだ、私とお友だちでいてくれるって」
「よかったわね!…ほんと…よかったわ…」
少しだけ泥がついてしまっているが、彼女は懐から大事そうに取り出した本を泣いている母親に見せる。
少し前までは本を買うことだってできた。今では本を触るのも断られてしまう。
唯一、印刷所の娘であるルリシアが所長である高祖父に頼んで本を譲ってもらうことで、彼女欲しかった本を手にいれたのだ。
「リリラはずっと、欲しがってたものね」
「うん!私ね、この人の絵がとっても好き!」
そっと、宝物のように表紙をなでる。
表紙には『習作画集 森の動物 エフデ』と書かれていた。
「じゃあ。私、部屋に行って読んでるわ!」
「そうね、そうしなさい」
母親にそう告げてリリラは、急いで部屋に入った。
リリラは椅子に座ると、ようやく我慢していた涙をポロポロと流しはじめた。
「なんでぇ…なんでぇ…私悪くなんてないのに…お父さんもお母さんも…悪くなんてないのにぃ!」
呪われ子。
汚い子。
穢れた子。
頭の中では今日もいわれた言葉が頭の中でいっぱいだ。
そんなに仲はよくなくても、一緒に遊んでいた友達が、急に態度を変えてリリラと距離を置いたのだ。
言葉だけではなく、時には泥団子や石となってリリラを傷つけた。
ひとしきり泣いたあと、少しでも負担が軽くなるように、彼女は本を開いた。
ひらりと、一枚の紙が足元に落ちてきた。
「なに?これ?」
彼女はなんとなく文字を読み、しばし考えてその紙を持って机にむかった。
「ごめんな…お父さん才能ないみたいだ」
「なにいってるの!イスルは天才よ!何でも屋にするって、ここまで大きくしたじゃない。えーと…こ、こん?なんとかみたいにするんでしょ?」
仕入れ先を変えても、しばらくすると情報が流れるのか、また仕入れができなくなる。
その繰り返しだ。
それでも、仕入れ先をみつけてくる父は才能がある。そして、母は父の前では決して自分のせいだといわないことを、二人の愛の深さだと知っている。
初めてリュシャは自分のせいだとイスルとの前で口にしたとき、イスルはそれまで一度として見せたことがないほど怒った。
「産まれで人を見下すようなやつらの言葉なんて聞くんじゃねぇ!世の中ラブとピースとハッピーがあればいいんだ!つまり!最愛の奥さんと娘がいて俺はラブとピースとハッピーになってんの!任せろ!ここを最高のショッピングモールにしてやんよ!まずはコンビニでな!」
「なにいってるかわかんないわよ!」
「愛してるぜってことだよ!ふぅぅ!」
父の言葉のほとんどは理解できなかったリリラであるが、それから母は父の前では弱音を吐かなくなった。それでも、リリラが傷つくとリュシャは弱音を吐いてしまう。
「とりあえず、金物だけじゃあれだし、そうだ!あれを」
「おやおや。まだやってたんですか?」
イスルが何かにひらめいてリュシャたちに伝えようとしたとき、声をかけられた。
「カワマセル商会の会長さんが何用ですかね?うちは忙しいんですけど?」
「いやいや、ダイコーク屋さんも地に落ちたのを見届けにきたまでですよ…そう、ついでですよ」
いやに、ねっとりとした視線をリュシャにむける、青白い男。
カワマセル商会は、イスルたちの八百屋とはライバルである。
イスルたちの店は八百屋とはいっているが、品物は多種多様であった。それこそ普通の商会であってもおかしくはないのだが、イスルが店を継ぐときに決めたのだ。
「有機野菜があんだから、うちは八百屋!そんで二十四時間はやんねぇけど、営業時間は夜中まで!まずはコンビニだろ、常考。薬も置いて名前はダイコーク屋!オッケー?アンダースターン?」
「誰よ、アンダースターンって」
リュシャは夫の奇行には幼いときから、なれてはいたがそのときばかりはどうしたものかと頭を悩ませた。
屋号とは店の看板であると同時に、信頼でもある。それを、一新するといいだしたのだ。
さすがに義両親も止めるかと思ったが、それもなく、現在にいたる。
「なんとなくなんだけどさ!こうしたらいいとささやくんだよ!俺の中のパッションが!」
「なによ。それ」
このような言動をするのもイスルが『受信』という変わったスキルを持っているのが原因ではないかとリュシャは思っている。本人ですら知らないような言葉を話すのもどこかの国の言葉を『受信』しているようだ。
そして、今も受信を始めている。
「びびんってきたぁぁ!俺の奥さんを狙ってんな!てめぇ、裏で手を回してたな?そういないな?曲者じゃぁぁ!であえぇ!敵は目の前にありぃぃ!ほんの!うずぃ!」
「な、なにを。リュシャさん。あいかわらず、ダイコーク屋さんは頭がおかしいですね」
「…カワマセルさん。主人は確かにおかしなことをいいますが…この人がそう『受信』したというなら、それは間違っていたことはありません」
リュシャは近寄ってくるカワマセルから体を離し、睨み付けた。
イスルは人を陥れるようなことはいわない。そして『受信』は急に始まる。言動がおかしくなれば、間違いない。
カワマセルがリュシャのことを吹聴していたと考えるのが妥当なのだ。
「おじさん。謝って!」
リリラはカワマセルに、むかって怒鳴った。
「謝って!」
「な、なにを」
「謝ってよ!」
リリラはただ悲しくそれ以上に怒りで頭が真っ白になっていた。
この人のせいで、自分はいじめられ、いつも笑顔でお客さんの相手をしていた母は悲しみにくれ、元気で走り回っていた父は頭を抱えてしまったのだ。
だから謝ってほしかった。
「…父親がおかしいなら娘もか…ふん。リュシャさん。やはりあなたは呪われてます」
「なんだとぉ!」
「イスル!」
イスルはカワマセルの胸ぐらをつかんだ。
自分を馬鹿にするのはいい。おかしいと自分だってわかっている。産まれたときから、どこかの国の映像や言葉を『受信』していて、すっかりその夢のような国に夢中になっている。
少しでも近づけたい。それが、彼の夢だったのだ。
正直、夢と現実がわからないことだってある。
だが、娘を馬鹿にして妻まで侮辱されて黙っていられるほど、頭はおかしくなっていない。
「おっと…この店は客を殴るんですか?これじゃ店はできませんよ?」
カワマセルはいやに落ち着いていっていた。
商会の会長でありながら、供をつれてきていないことに気付いたイスルとリュシャは、店の外へと目を向けると今にも、叫び声をあげようとしている、カワマセル商会の者がみえた。
「みなさ」
「すいませんが、ここはダイコーク屋さんですか?リリラさんはいらっしゃいますか?」
「ひいいい!」
叫び声をあげようとした男の前に、やけに身なりのいい初老の男が急に現れた。
「おっと。これは失礼した。びっくりさせて申し訳ない」
あっはっはっと笑っているその男性を一同がぽかんとした表情でみている。
目の前に急に現れたということは、魔法使い。しかも高等の『転移』を使うということは、間違いなく高名な魔法使いであろう。
「それで、リリラさんはいらっしゃいますか?」
再度、男性が質問を繰り返す。
「わ、私です」
リリラが手をあげて答えたが、胸中は疑問でいっぱいだ。魔法使いが自分になんのようだというのか?
「君がリリラさんか。おめでとう!当選した君にはご希望の品を持ってきたよ!」
「え?…あっ!嘘!」
男性が空中に手を突っ込んで引っ張りだしたのは、一枚の絵だった。
どこまでも、みずみずしい果物と野菜。まるで本当にそこにあるかのような一枚の絵画。
「果物と野菜の絵でよかったかな?エフデが一生懸命に描いた絵なんだが、気に入ってくれたかな?」
「は、はい!」
リリラは画集に挟まっていた紙に書いたのだ。
その紙は抽選でエフデの絵が当たると書いていた。
「お父さんとお母さんの大切なお店なのに、品物がなくて困っています。だから、果物と野菜の絵がほしいです」
どうせ当たらないと思った。不幸な呪われた自分なんかに。でももしかしたらと、配達人に渡したのだ。
本当にエフデの絵が当たるなんて信じられなかった。
「どこに飾るのかな?君の部屋かい?」
「いいえ。あの…お店に飾ろうと思って」
「どこにかな?」
「あの、壁のところです」
入り口からまっすぐにある壁にかけようとリリラは、考えていた。
男性はリリラの言葉を聞いて何度か頷く。
「なるほど。あそこならいいだろうね…よし。ここらかな?精霊よ、守りたまえ『プロテクト』」
男性が簡単に魔法を使っているのを誰もが固まってみている。
魔法はそんなに、簡単に使えるものではない。なのに、さくさく使っているのだ。
「エフデ…エフデの絵!」
「か、会長!すごいですよ!あれ!」
カワマセルと従業員が騒いでいる。その顔はエフデの絵の価値を知っているためなのか、金になるとわかっているのだ。
「も、もし。魔法使い様」
「ん?なんだね、君は?」
「私はカワマセル商会の会長。カワマセルと申します。実はですね、この店は忘却の国の出がいるのですよ?」
「ほぉ」
カワマセルはにやりと男性に笑いかけた。
この男はダイコーク屋のことを知らないのだと。忘却の国の末裔がいるとしれば、エフデの絵を置かないだろう。エフデの後ろにはフェスマルク家がいるのは誰だって知っていることだ。
ならば、その絵はカワマセル商会にこそふさわしい。
なんなら、忘却の国の出であるリュシャや、その娘であるリリラももらってやってもいい。母娘そろって器量があるうちは飼ってやろう。
そんなことをカワマセルは思い、イスルは『受信』して怒りのあまり声がでなくなっていた。
「ですから」
「それがなにか?」
「は?」
まるでどうでもいいというように、男性がいう。
「だ、だからですね」
「別に今はない国の出だからなんです?」
「せ、精霊に呪われますよ!いえ、貴方も魔法使いならご存知でしょう!法王の怒りに触れますよ!」
カワマセルの言葉に男性は顔色を変えた。
だが、それはカワマセルが思ったものではなかった。
「いつ私が怒るというんだ?」
心の奥底から、信じれないという顔でティストール・フェスマルクはいった。
そもそも、息子が描いた絵を飾りにきたというのに、横からよくわからない人間が邪魔をしてきているのも、彼の苛立つ原因であった。
「いいか?私は魔族は許さない。あのときの王族やそれに与した者は許すつもりはない…だが、なにも知らない国民たちを一度も怨んだことはないぞ?」
次第に、ティストールの声は大きくなり、びりびりと体を震わせるほどになってきた。
その声にカワマセルは恐怖を覚えた。まるでそれこそが、魔法であるかのようだ。
「そのように吹聴することこそ、不愉快だ…カワマセル商会といったか?カルド」
「はっ…ろくな商会ではありませんね…脱税の噂もあります」
「ひっ!」
いつの間にか現れた色黒の執事服の男性がカワマセルを侮蔑の目で見据える。
心臓に刃物を突き立てられたかのように胸が痛みを覚えた。
「リリラさん」
「は、はい!」
リリラは、目を白黒にさせ、口が開きっぱなしの両親とは異なり目の前の人物かはわかっていない。
ただ、ティストールはリリラの手紙を読んだときからある程度カルドに調べさせていた。
「エフデはね、君の手紙を読んで少しでも喜んでくれたらと祈って描いたんだ…大事にしてくれると嬉しい」
「大事にします!一生!」
力強くいう少女にティストールは少しずつ増えている一つの噂を教えることにした。
「ここだけの話。私の息子の絵なんだ。上手だろ?」
こっそり悪戯っ子のようにして『法王』に告げられたリリラは固まってしばらく動けなかった。
それからエフデの絵をみに、お客が増え、仕入れ先ともまた商いをできるようになった。
カワマセル商会は脱税のために営業禁止になり、罪に問われるようだ。
リリラをいじめてきた子たちは謝罪してきたが、本当の友達が誰かわかったリリラは当たり障りなく許して、彼らとは距離を置いた。
たった一枚の絵画。
これのおかげで彼女は王都一の幸福な少女といわれるようになった。
でも、本当に幸福なのは忘却の国の末裔たちだろう。
彼らは精霊や『法王』から恨まれていないと知り、彼らを虐げていた者はいなくなっていったからだ。
ダイコーク屋に飾られた絵の題名は『みんな違ってみんなおいしい』後世になって評論家たちはいう。
「これは国境や人種をこえろという意味なのだ」
と。
制作者はいう。
「あのねー、おいしいのだと嬉しい!形とかより、おいしいの!」
「だなぁ。果物も野菜も不揃いでもうまけりゃ、いいしな」
真実はかくのごとし。
・・・・・・・・・・・・・・・
遅れました!すいません。
なんという不幸なのだろう。
頭の中はそれだけでいっぱいだった。
「ただいま…」
王都で一番の人気といわれた八百屋。
人気の理由でもある、看板娘のその娘である少女。名はリリラ。母譲りの可愛らしい顔は泥にまみれている。
「おかえり、リリラ…どうしたの!その顔!」
「転けちゃっただけだから!気にしないで!」
一般的な市民の中では飛び抜けて美人で、王都で一番の看板娘といわれた母リュシャは疲労が濃く、以前よりも老けたようにみえて、リリラは悲しくなった。
「…嘘をついてない?」
「嘘なんかつかないよ!もう!お母さんってば!あははは!」
もうすぐ十歳になるとはいえ、まだ幼い彼女は母に心配をかけまいと、優しい嘘をつく。
彼女は転んでなんかいない。
泥団子をぶつけられ、罵られたのだ。
それは帰ってきた自宅兼店も似たようなことになっている。
心無い罵詈雑言が落書きされ、石や泥を投げつけられている。
八百屋だというのに、品物はほとんどない。よい匂いを放ってお客を呼んでいた果物はまったくなく、あるのはくたびれた野菜と、あまり売れない金物がぽつんと置かれているだけだ。
「お父さんは?」
「お父さんは…しばらくでかけるって」
「…そっかぁ」
店主である父はどうにか仕入を、頼みに奔走している。
王都で一番の八百屋だというのに、店は機能しなくなっていた。
「ごめんね…お母さんのせいで…」
涙を何度も流したせいなのか、たくさんの人たちを魅了してきたリュシャの瞳は輝きを失っていた。
「そんなことはないわ!お母さんは悪くなんてない!間違ってたの王様よ!」
それでもめげずにリリラは母を励ますが、彼女も内心では思っている。
ああ、王都で一番の不幸なのは自分だと。
忘却の国の末裔だと知られてしまったからには、幸せなんて精霊が運んでくることはない。
これはクウリィエンシア皇国の国民ならばたいていの者が知っている話だ。
書籍もあれば、戯曲化され知らぬ者など、よほどの田舎者か、かなり幼い子供ぐらいなものだろう。
三十年ほど前のこと。とある国がクウリィエンシア皇国に救援を求めた。
『魔族が攻めいっており助けてほしい。英雄の力をお貸しくださいますよう、伏してお願い申し上げる』
同盟国の頼みであり、情勢をみるにロイヤルメイジを動かせばこと足りると時の王は判断をした。
指揮官として首席ロイヤルメイジ『精霊の申し子』ティストール・フェスマルクを任命した。
しかし、その国からは再度要請があった。
『なにとぞ、クレエル帝国元ノルリス公爵ディアニア様を士気向上のために派遣されたし』
王は書状を持ってきた使者に問うた。
「なにゆえか」
使者は王に奏上した。
「一騎当千ならぬ、一騎万軍といわれるかの方がこられれば傷ついた兵士も死から立ち上がるだろうと我が王はお考えになられました。つきましては、後程、我が国の領地のいくつかを譲渡いたしますゆえ、ご検討をお願いしたく」
その後、いくつかの条件を出し後方支援のみに限定して王は承諾した。
王妃の従妹であると同時に、フェスマルク家の奥方でもあったからだ。
普通ならば何事もなく無事に終わる。
だが、その考えは裏切られた。
彼の国は魔族と繋がっていた。そのため、フェスマルク家の奥方は傷つき生死をさ迷い、妻を傷つけられた怒りにより、首席ロイヤルメイジはかの国と手を組んでいた魔族を滅ぼした。
それだけではなく『精霊の申し子』の怒りに精霊も応じたのか、国が消えた。
いや、国のそれまであった記憶が全てなくなったのだ。
国民たちは自国の歴史を忘れ、どういった文化を築いたのかも忘れ果て、様々な国へと溶け込んでいった。
ただ、彼らは忘却の国の末裔であり、精霊に呪われていると人々は口にした。
リリラの母はその忘却の国で産まれた。そこで育った記憶もなく、祖国という感情はないが、確かに母の国であったのだろう。
ただ、それは誰にも話してはいなかったことだった。
誰かに知られたら酷いめに合うと母が一番理解していたのだ。
リュシャは国の記憶がなくなっても、罪はなくならないとその身を持って知っている。
優しくしてくれた人が忘却の国の出だと知ると、目の色を変えて見下してきた回数は覚えていないほどだ。
仕事もろくに、まわしてもらえなかった。
転機が訪れたのは夫と出会ってからだ。夫はイスルという変わった男であった。ボロボロの服を着て、あまり良いものを食べれていないリュシャを見つけて公共の福祉がなっていない!と自らの親を説得して、リュシャの親ごと店の従業員にした。
イスルの両親は反対するどころか、リュシャたち一家の姿を見て心を痛めた。
何年か経ってイスルとリュシャは恋を自覚してリリラをもうけるにいたった。
幸せだった。
リュシャはリリラを抱きしめて再度思った。
最初の不幸は両親が流行り病で亡くなったことから始まった。
昨日まで元気だったのに、朝には二人とも亡くなっていたのだ。両親の埋葬がすんだと思えば今度はイスルの両親が流行り病にかかって亡くなってしまった。
最初、リュシャは自らのせいかと自問自答したが、イスルはそれを責めはしなかった。
「父さんたちは残念だったけど…リリラと、三人で力を合わせて頑張ろう」
夫の言葉に救われた気持ちになって、リュシャは店に多く立って様々な人たちと交流を深めた。
仕入れ先にも挨拶にいき、寝る間も惜しんで店の店を夫や、従業員たちと盛り上げようとした。
けれど、不幸はまだ続いた。
あるとき、仕入れ先から今後は卸さないといわれた。
「忘却の国の末裔なんかと付き合いたくない。こっちまで精霊に呪われたくない」
どこでその話が漏れたのか、それからひとの目が変わってしまったのだった。
不幸は止まらなかったが、今日に限っては良いこともあった。
「それより、みて!お母さん!本が買えたの!」
「そう!買えたの!どこで買えたの?」
「印刷所!ルリシアちゃんが、頼んでくれたの!…まだ、私とお友だちでいてくれるって」
「よかったわね!…ほんと…よかったわ…」
少しだけ泥がついてしまっているが、彼女は懐から大事そうに取り出した本を泣いている母親に見せる。
少し前までは本を買うことだってできた。今では本を触るのも断られてしまう。
唯一、印刷所の娘であるルリシアが所長である高祖父に頼んで本を譲ってもらうことで、彼女欲しかった本を手にいれたのだ。
「リリラはずっと、欲しがってたものね」
「うん!私ね、この人の絵がとっても好き!」
そっと、宝物のように表紙をなでる。
表紙には『習作画集 森の動物 エフデ』と書かれていた。
「じゃあ。私、部屋に行って読んでるわ!」
「そうね、そうしなさい」
母親にそう告げてリリラは、急いで部屋に入った。
リリラは椅子に座ると、ようやく我慢していた涙をポロポロと流しはじめた。
「なんでぇ…なんでぇ…私悪くなんてないのに…お父さんもお母さんも…悪くなんてないのにぃ!」
呪われ子。
汚い子。
穢れた子。
頭の中では今日もいわれた言葉が頭の中でいっぱいだ。
そんなに仲はよくなくても、一緒に遊んでいた友達が、急に態度を変えてリリラと距離を置いたのだ。
言葉だけではなく、時には泥団子や石となってリリラを傷つけた。
ひとしきり泣いたあと、少しでも負担が軽くなるように、彼女は本を開いた。
ひらりと、一枚の紙が足元に落ちてきた。
「なに?これ?」
彼女はなんとなく文字を読み、しばし考えてその紙を持って机にむかった。
「ごめんな…お父さん才能ないみたいだ」
「なにいってるの!イスルは天才よ!何でも屋にするって、ここまで大きくしたじゃない。えーと…こ、こん?なんとかみたいにするんでしょ?」
仕入れ先を変えても、しばらくすると情報が流れるのか、また仕入れができなくなる。
その繰り返しだ。
それでも、仕入れ先をみつけてくる父は才能がある。そして、母は父の前では決して自分のせいだといわないことを、二人の愛の深さだと知っている。
初めてリュシャは自分のせいだとイスルとの前で口にしたとき、イスルはそれまで一度として見せたことがないほど怒った。
「産まれで人を見下すようなやつらの言葉なんて聞くんじゃねぇ!世の中ラブとピースとハッピーがあればいいんだ!つまり!最愛の奥さんと娘がいて俺はラブとピースとハッピーになってんの!任せろ!ここを最高のショッピングモールにしてやんよ!まずはコンビニでな!」
「なにいってるかわかんないわよ!」
「愛してるぜってことだよ!ふぅぅ!」
父の言葉のほとんどは理解できなかったリリラであるが、それから母は父の前では弱音を吐かなくなった。それでも、リリラが傷つくとリュシャは弱音を吐いてしまう。
「とりあえず、金物だけじゃあれだし、そうだ!あれを」
「おやおや。まだやってたんですか?」
イスルが何かにひらめいてリュシャたちに伝えようとしたとき、声をかけられた。
「カワマセル商会の会長さんが何用ですかね?うちは忙しいんですけど?」
「いやいや、ダイコーク屋さんも地に落ちたのを見届けにきたまでですよ…そう、ついでですよ」
いやに、ねっとりとした視線をリュシャにむける、青白い男。
カワマセル商会は、イスルたちの八百屋とはライバルである。
イスルたちの店は八百屋とはいっているが、品物は多種多様であった。それこそ普通の商会であってもおかしくはないのだが、イスルが店を継ぐときに決めたのだ。
「有機野菜があんだから、うちは八百屋!そんで二十四時間はやんねぇけど、営業時間は夜中まで!まずはコンビニだろ、常考。薬も置いて名前はダイコーク屋!オッケー?アンダースターン?」
「誰よ、アンダースターンって」
リュシャは夫の奇行には幼いときから、なれてはいたがそのときばかりはどうしたものかと頭を悩ませた。
屋号とは店の看板であると同時に、信頼でもある。それを、一新するといいだしたのだ。
さすがに義両親も止めるかと思ったが、それもなく、現在にいたる。
「なんとなくなんだけどさ!こうしたらいいとささやくんだよ!俺の中のパッションが!」
「なによ。それ」
このような言動をするのもイスルが『受信』という変わったスキルを持っているのが原因ではないかとリュシャは思っている。本人ですら知らないような言葉を話すのもどこかの国の言葉を『受信』しているようだ。
そして、今も受信を始めている。
「びびんってきたぁぁ!俺の奥さんを狙ってんな!てめぇ、裏で手を回してたな?そういないな?曲者じゃぁぁ!であえぇ!敵は目の前にありぃぃ!ほんの!うずぃ!」
「な、なにを。リュシャさん。あいかわらず、ダイコーク屋さんは頭がおかしいですね」
「…カワマセルさん。主人は確かにおかしなことをいいますが…この人がそう『受信』したというなら、それは間違っていたことはありません」
リュシャは近寄ってくるカワマセルから体を離し、睨み付けた。
イスルは人を陥れるようなことはいわない。そして『受信』は急に始まる。言動がおかしくなれば、間違いない。
カワマセルがリュシャのことを吹聴していたと考えるのが妥当なのだ。
「おじさん。謝って!」
リリラはカワマセルに、むかって怒鳴った。
「謝って!」
「な、なにを」
「謝ってよ!」
リリラはただ悲しくそれ以上に怒りで頭が真っ白になっていた。
この人のせいで、自分はいじめられ、いつも笑顔でお客さんの相手をしていた母は悲しみにくれ、元気で走り回っていた父は頭を抱えてしまったのだ。
だから謝ってほしかった。
「…父親がおかしいなら娘もか…ふん。リュシャさん。やはりあなたは呪われてます」
「なんだとぉ!」
「イスル!」
イスルはカワマセルの胸ぐらをつかんだ。
自分を馬鹿にするのはいい。おかしいと自分だってわかっている。産まれたときから、どこかの国の映像や言葉を『受信』していて、すっかりその夢のような国に夢中になっている。
少しでも近づけたい。それが、彼の夢だったのだ。
正直、夢と現実がわからないことだってある。
だが、娘を馬鹿にして妻まで侮辱されて黙っていられるほど、頭はおかしくなっていない。
「おっと…この店は客を殴るんですか?これじゃ店はできませんよ?」
カワマセルはいやに落ち着いていっていた。
商会の会長でありながら、供をつれてきていないことに気付いたイスルとリュシャは、店の外へと目を向けると今にも、叫び声をあげようとしている、カワマセル商会の者がみえた。
「みなさ」
「すいませんが、ここはダイコーク屋さんですか?リリラさんはいらっしゃいますか?」
「ひいいい!」
叫び声をあげようとした男の前に、やけに身なりのいい初老の男が急に現れた。
「おっと。これは失礼した。びっくりさせて申し訳ない」
あっはっはっと笑っているその男性を一同がぽかんとした表情でみている。
目の前に急に現れたということは、魔法使い。しかも高等の『転移』を使うということは、間違いなく高名な魔法使いであろう。
「それで、リリラさんはいらっしゃいますか?」
再度、男性が質問を繰り返す。
「わ、私です」
リリラが手をあげて答えたが、胸中は疑問でいっぱいだ。魔法使いが自分になんのようだというのか?
「君がリリラさんか。おめでとう!当選した君にはご希望の品を持ってきたよ!」
「え?…あっ!嘘!」
男性が空中に手を突っ込んで引っ張りだしたのは、一枚の絵だった。
どこまでも、みずみずしい果物と野菜。まるで本当にそこにあるかのような一枚の絵画。
「果物と野菜の絵でよかったかな?エフデが一生懸命に描いた絵なんだが、気に入ってくれたかな?」
「は、はい!」
リリラは画集に挟まっていた紙に書いたのだ。
その紙は抽選でエフデの絵が当たると書いていた。
「お父さんとお母さんの大切なお店なのに、品物がなくて困っています。だから、果物と野菜の絵がほしいです」
どうせ当たらないと思った。不幸な呪われた自分なんかに。でももしかしたらと、配達人に渡したのだ。
本当にエフデの絵が当たるなんて信じられなかった。
「どこに飾るのかな?君の部屋かい?」
「いいえ。あの…お店に飾ろうと思って」
「どこにかな?」
「あの、壁のところです」
入り口からまっすぐにある壁にかけようとリリラは、考えていた。
男性はリリラの言葉を聞いて何度か頷く。
「なるほど。あそこならいいだろうね…よし。ここらかな?精霊よ、守りたまえ『プロテクト』」
男性が簡単に魔法を使っているのを誰もが固まってみている。
魔法はそんなに、簡単に使えるものではない。なのに、さくさく使っているのだ。
「エフデ…エフデの絵!」
「か、会長!すごいですよ!あれ!」
カワマセルと従業員が騒いでいる。その顔はエフデの絵の価値を知っているためなのか、金になるとわかっているのだ。
「も、もし。魔法使い様」
「ん?なんだね、君は?」
「私はカワマセル商会の会長。カワマセルと申します。実はですね、この店は忘却の国の出がいるのですよ?」
「ほぉ」
カワマセルはにやりと男性に笑いかけた。
この男はダイコーク屋のことを知らないのだと。忘却の国の末裔がいるとしれば、エフデの絵を置かないだろう。エフデの後ろにはフェスマルク家がいるのは誰だって知っていることだ。
ならば、その絵はカワマセル商会にこそふさわしい。
なんなら、忘却の国の出であるリュシャや、その娘であるリリラももらってやってもいい。母娘そろって器量があるうちは飼ってやろう。
そんなことをカワマセルは思い、イスルは『受信』して怒りのあまり声がでなくなっていた。
「ですから」
「それがなにか?」
「は?」
まるでどうでもいいというように、男性がいう。
「だ、だからですね」
「別に今はない国の出だからなんです?」
「せ、精霊に呪われますよ!いえ、貴方も魔法使いならご存知でしょう!法王の怒りに触れますよ!」
カワマセルの言葉に男性は顔色を変えた。
だが、それはカワマセルが思ったものではなかった。
「いつ私が怒るというんだ?」
心の奥底から、信じれないという顔でティストール・フェスマルクはいった。
そもそも、息子が描いた絵を飾りにきたというのに、横からよくわからない人間が邪魔をしてきているのも、彼の苛立つ原因であった。
「いいか?私は魔族は許さない。あのときの王族やそれに与した者は許すつもりはない…だが、なにも知らない国民たちを一度も怨んだことはないぞ?」
次第に、ティストールの声は大きくなり、びりびりと体を震わせるほどになってきた。
その声にカワマセルは恐怖を覚えた。まるでそれこそが、魔法であるかのようだ。
「そのように吹聴することこそ、不愉快だ…カワマセル商会といったか?カルド」
「はっ…ろくな商会ではありませんね…脱税の噂もあります」
「ひっ!」
いつの間にか現れた色黒の執事服の男性がカワマセルを侮蔑の目で見据える。
心臓に刃物を突き立てられたかのように胸が痛みを覚えた。
「リリラさん」
「は、はい!」
リリラは、目を白黒にさせ、口が開きっぱなしの両親とは異なり目の前の人物かはわかっていない。
ただ、ティストールはリリラの手紙を読んだときからある程度カルドに調べさせていた。
「エフデはね、君の手紙を読んで少しでも喜んでくれたらと祈って描いたんだ…大事にしてくれると嬉しい」
「大事にします!一生!」
力強くいう少女にティストールは少しずつ増えている一つの噂を教えることにした。
「ここだけの話。私の息子の絵なんだ。上手だろ?」
こっそり悪戯っ子のようにして『法王』に告げられたリリラは固まってしばらく動けなかった。
それからエフデの絵をみに、お客が増え、仕入れ先ともまた商いをできるようになった。
カワマセル商会は脱税のために営業禁止になり、罪に問われるようだ。
リリラをいじめてきた子たちは謝罪してきたが、本当の友達が誰かわかったリリラは当たり障りなく許して、彼らとは距離を置いた。
たった一枚の絵画。
これのおかげで彼女は王都一の幸福な少女といわれるようになった。
でも、本当に幸福なのは忘却の国の末裔たちだろう。
彼らは精霊や『法王』から恨まれていないと知り、彼らを虐げていた者はいなくなっていったからだ。
ダイコーク屋に飾られた絵の題名は『みんな違ってみんなおいしい』後世になって評論家たちはいう。
「これは国境や人種をこえろという意味なのだ」
と。
制作者はいう。
「あのねー、おいしいのだと嬉しい!形とかより、おいしいの!」
「だなぁ。果物も野菜も不揃いでもうまけりゃ、いいしな」
真実はかくのごとし。
・・・・・・・・・・・・・・・
遅れました!すいません。
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