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特殊能力?聞いてないです!
しおりを挟む泣き始めてどれくらい時間経ったのかな・・・。
はい、どうも、泣き終わったアスカことリューラです。えー、先日はご迷惑をおかけしました。申し訳なく思っています。
って私は何をさせられてるわけ!?
「ルイ(仮)。確かに私も泣きすぎたけど、そこはよく反省してるけど、泣く原因を作ったのはあなたよ?」
「う、うるさいな!まさかそんなに幼児退行してるとは思ってなかったんだよ!」
「あら、意外。こーんなに単純な性格の持ち主を前にして言う言葉?」
「卑下すんな!」
はい、怒られてます。えへっ。
確かに反省してるんだけどさあ、原因作ったのはルイ(仮)だと思うのよ。まあ私も悪かったけど!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・で?何の用?」
気持ちを落ち着かせるのにこんなに労力が必要だとは知らなかったわ。十回ぐらい深呼吸ってどういうことよ・・・。私、子供の時どんな子供だった?あ、そうか。みんな子供の時は我慢しないものね。
「あー、・・・・・・なんだっけ?」
「おい。」
あら、なんだか大人の男性みたいな野太い声がどこからか聞こえてきたわ。まさか、ルイ(仮)、あなたじゃないでしょうね?私の中のルイのイメージを壊してご覧なさい、叩き潰すわよ!
「思い出した!そうそう、君にこの能力をあげるのを忘れてたよ。」
「能力?」
なにそれ。聞いてないわ。あー、もしかして、転生する間際に「これもいるかな」とかなんとか言ってたヤツかしら?
控えめに言って、凄く気になるわ。
え?控えめに言わなかったら?ルイ(仮)を宙吊りにしてでも吐かせるわ。
「なんか恐ろしいこと考えてたりしないよね?」
「やだ、まさかよ?」
もう、そんな疑わしげに見ないでよ!悪かったってば!
「まったく、君といると主題がいつもズレるよ。それで、その能力の話なんだけどさ?」
「そうだったわね。どんななの?」
なんかこういうのテンション上がるわね!なんなの?特殊能力って!
「君が与えられるはずだったのは先読みの能力だよ。」
「さきよみ?」
なにそれ?
「そんなアホ面似合わないよ・・・。まあ簡単に言うと未来を見る能力ってこと。ほら予知夢とかって言うでしょ?」
「ええ、そうね・・・。って、私がそれを使えるの!?」
「さっきからそれ言ってんじゃん!」
ああ、なんてこと!そしたらルイといつ会えるか分かるってこと!?やだ、楽しみ!また会えるの!?なんてこと!
私、嬉しくて気絶する~~~!
「その顔はもう分かった?ていうか、ルイ君の事になると驚くほど頭の回転早いよね。もっと他のことに頭回んないの?」
「ルイ!」
ああ、頭の中がルイで満たされる!幸せ!
早く会えないかしら。ああ、待ち遠しい。もう待ち遠しい。待ち遠しすぎて、もう変になりそうだわ・・・!
「君の頭の中はほんっとに花畑だよね、特にルイ君関連。」
え?なに?ルイってば、何を聞いてるの?
「僕のこと好き?」
なんて野暮な質問なの!答えは決まってるわよ!
「もちろん!」
「いやそこ肯定するとこなの!?」
「もちろん!」
「もちろんだけしか言ってないだろ!」
ルイの声がさっきから聞こえるわ。
ルイのこと?もちろん、大好きに決まってるじゃないの!
「あ~、期待してるとこ悪いけど、ルイ君に会えるのはだいぶ先だよ?」
「へっ?」
冷水がぶっかけられたみたいに冷たくなった。
るいくんにあえるのはだいぶさきだよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!
なんですって~~~~~~!
信じられない!だいぶ先っていつなのよ!十年以上先とかだったら承知しないわよ!ルイ(仮)、どうなの!?
「ひいっ!怖いよ!えっとねー、確か十年以上先だったと思うけど・・・。」
「ふざけんな~!」
「うおっ!止めろって!殴るなよ!」
希望を与えてその後絶望に突き落とすとは許すまじ!
「ちょっと待って!ほら、いっぱい強くなれると思えばいいじゃん!」
「何言っとんじゃ!・・・って、え?」
「ほら、チートあげたじゃん!あれ使って強くなりなよ!あと、そろそろ手を離して!」
そうか・・・。そうか!私が強くなってルイを守ってあげればいいんだわ!なんで気づかなかったのかしら!
その日から、私の地獄のような鍛錬が幕を開けたのだ。
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