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あの日の事件(ルイ視点)
しおりを挟む僕が一生忘れられないあの日は、本来はとても楽しい一日になるはずだった。
あの日は姉さんと買い物をする日。
僕は少しでも成長したということを見えるようにしたくて、ちょっと洒落た服なんかも着ていった。柄にもなく早めに家を出たら、待ち合わせ時間より十五分前に着いたりしたっけ。
「ルイ!」
姉さんはすぐ僕を見つけた。あれ、おかしいなぁ。前に会った友達なんかには、雰囲気変わったねって言われたのに。人目じゃ分かんない自信があったのにな。
ま、そういう所が姉さんか。
姉さんが笑顔で走り寄ってくる。あ、今日は動きやすい靴で来たんだね。
前に、同じように二人で出かけた時に、姉さんがヒールの靴を履いてきたんだよね。確かにいつもより綺麗で大人っぽく見えたけど・・・。すごい動きにくそうで、それを指摘したらしょんぼりしてた。「練習したのに・・・。」とか言ってたけど、もっと効率的なことに時間使わない?
おや、姉さんがもう近くに来てる。そんなに長く考え事してたかな?
とかそんな関係ないことをつらつら考えていた時、姉さんの笑顔が凍りついた。
「どうし・・・。」
どうしたの?という言葉を言い終わる前にグイッと凄い力で引っ張られる。
え?なに?姉さんってこんな力強かったっけ?しかも、なんなのその顔。なにをそんな焦ってるの?
その時、ワっと耳に飛び込んでくる周囲の色んな音。
人の悲鳴。
車のクラクション。
姉さんの金切り声のような「危ない!」という声。
そして視界に入って来たのは、突き飛ばされて見えた地面。
跳ね起きて後ろを振り返った。
目を疑った。
姉さん、姉さん、姉さん・・・!
そんなに苦しそうな顔で。
そんなに出血していて。
そんなに切なく。
微笑まないでよッ!
咄嗟に伸ばした僕の手を驚くほど強い力で振り払い、姉さんは笑った。
「元気でね。」
その後のことは、よく覚えていない。
気がついたら父さんと母さんに慰められていて、僕は泣いていた。
もう葬式も何もかも終わったそうだ。
迎えてくれる人が誰もいなくなった家でぽつんと座っている時。
「願いを叶えてあげようか?」
幼い頃の僕にそっくりの子供が現れた。
願いは一つだけ。
姉さんともう一度会うこと。
申し訳ありません!ストックがないうえに予約更新を忘れてしまい・・・!
ひとえに私よ不手際です、ご迷惑をお掛けしました!
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