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転生 一
しおりを挟む奥室の帳の前では、椅子に座ったままマヌエル夫人がやはり眠りこけております。おそらくは彼女もまた眠り薬入りの飲み物をふるまわれたのでございましょう。
帳をあけると、そこには――、ああ、このあとは語るのもおぞましいことでございます。
カテリナ様は……、わたくしがお仕えしてきた、あの愛らしいカテリナ姫様は、すでに帰らぬ人となって横たわっていたのでございます。わたくしの胸は張り裂けそうになりましたが、運命はわたくしに泣く暇さえあたえてはくれませんでした。
「殿下は亡くなっておらぬ」
え……? と眉をしかめていたわたくしに、デ・プエブラは灰色に見える目をするどく光らせます。このユダヤ人はその抜け目のない才覚でイサベラ様の信頼を得、器用にスペイン宮廷で出世し、外交官としても華々しく活躍しておりました。今回もイングランドの王子とスペインの王女の縁談をまとめるために奔走し、昨年は代理結婚でカテリナ様の代理として式に出席したぐらいでございます。
「カテリナ殿下はそこにいらっしゃる。これからは、このルシアがカテリナ様だ」
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