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目覚め 二
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(わたし、最低だ)
自分を罰したく、そのポストカードも由樹たちに敢えて見せた。
手紙をよこした犯人に怒りを述べながら、自分自身も責めたてていた。喫茶店で怒りを爆発させたのは、屈折した自己処罰だったのだ。
自分よりも容姿にめぐまれ両親の愛情をふんだんに受けた妹を、愛してはいても、心のどこかで嫉み憎まずにはおれなかったのだ。
オフィーリアを演じたみゆきは、本当に素敵だった。誇らしいと思いつつ、心のどこかでかすかに嫉妬がきしみをあげ、幼稚な嫌がらせをしてしまった。
オフィーリアの絵葉書は、芝居が終わったあとみゆきにあげようと思って持ってきたのだ。それが、自分でもわからないうちに怒りがこみあげ、憎しみをこめて×を書き、いっしょに来ていた母の目を盗んで、おあつらえむきに学院の校門まえにあったポストに投函した。
恥ずかしさのあまり涙が出る。
(みゆき、ごめん、ごめんね)
そっと妹の白い手をにぎりしめた。
「みゆき……?」
気のせいか、みゆきのひからびた唇がうごいた気がする。
「ん……、ううん」
みつ子は悔恨とはちがう涙を流した。
「みゆき」
妹の名を呼ぶと、彼女の瞼がゆれる。意志の光がよみがえってきている。
みつ子は力をこめて妹の手をにぎりしめた。
終わり
自分を罰したく、そのポストカードも由樹たちに敢えて見せた。
手紙をよこした犯人に怒りを述べながら、自分自身も責めたてていた。喫茶店で怒りを爆発させたのは、屈折した自己処罰だったのだ。
自分よりも容姿にめぐまれ両親の愛情をふんだんに受けた妹を、愛してはいても、心のどこかで嫉み憎まずにはおれなかったのだ。
オフィーリアを演じたみゆきは、本当に素敵だった。誇らしいと思いつつ、心のどこかでかすかに嫉妬がきしみをあげ、幼稚な嫌がらせをしてしまった。
オフィーリアの絵葉書は、芝居が終わったあとみゆきにあげようと思って持ってきたのだ。それが、自分でもわからないうちに怒りがこみあげ、憎しみをこめて×を書き、いっしょに来ていた母の目を盗んで、おあつらえむきに学院の校門まえにあったポストに投函した。
恥ずかしさのあまり涙が出る。
(みゆき、ごめん、ごめんね)
そっと妹の白い手をにぎりしめた。
「みゆき……?」
気のせいか、みゆきのひからびた唇がうごいた気がする。
「ん……、ううん」
みつ子は悔恨とはちがう涙を流した。
「みゆき」
妹の名を呼ぶと、彼女の瞼がゆれる。意志の光がよみがえってきている。
みつ子は力をこめて妹の手をにぎりしめた。
終わり
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最後の最後にあんな秘密が明かされるなんて!
実はミステリーが、大好きなんです。
『黒後家蜘蛛の会』や『氷菓』みたいな人が死なないミステリーが特に。
男子校の寄宿舎ものが読みたいなぁ。
いつか、よろしくお願いします。
ご感想をありがとうございます。自分では、これは、果たしてミステリーといっていいのか、と迷うのですが、少しでも楽しんでいただけると、嬉しいです。
完結、おめでとうございます。
登場人物ひとりひとりの背景が掘り下げられていき、その伏線を回収しつつ、2転3転する結末へ…。
「え? そうきたか」って場面もけっこうあって、ストレートな学園ミステリの快作だと思いました。
私も以前、ある一部分が少しだけこの作品に似たミステリぽいものを書いたのですが、アプローチの仕方がまるで違うので、とても参考になった気がします。
学園ものは私も好きです。共学しか知らない私にとっては、女子校の奥深さ、不思議さ、ある種の濃密さがよく出ていて、ミステリ以外の部分でもとても興味をひかれる内容でした。
ともあれ、おつかれさまでした。
新作、楽しみににしています。
本当にいつもありがとうございます。
読んでくださって、なにかしら感じてくださったのかと思うと、書いていてつくづく幸せを感じられます。
本当に女子高、男子校の独特の雰囲気って、ホラーやミステリーに似合っていますよね。
戸影様の作品もまた楽しみに読ませていただきます。
ご無沙汰しております。
毎回楽しく読ませていただいています。
いよいよ真相解明ですね。今回の意味深なラストシーンといい、次回が楽しみで待ちきれません。
お体に気をつけて、更新、頑張ってください。
いつもご感想、ありがとうございます。
わたしは学園、とくに女子校、男子校を舞台にしたミステリー、ホラーが大好きなんです。まぁ、あんまり男子校を舞台にしたものはないですが。
やっぱり、少女というのは、特殊な時間をいきる別世界の生き物のような気がします。
どうか最後までお付き合いお願いします。